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世界のサッカー調査

モロッコのサッカーリーグ調査|アフリカ屈指の強豪国を支える「ボトラ」の全貌とは?

2022年カタールW杯でアフリカ勢初のベスト4進出を果たし、世界中を驚かせたモロッコ代表。

その強さを支える基盤が、国内トップリーグ「ボトラ(Botola)」です。本記事では、モロッコサッカーの中心にあるボトラの仕組みやクラブ、育成環境、さらには日本人選手の挑戦まで、徹底的に調査しました。

モロッコはどんな国?

“勝負強さ”で世界を驚かせた北アフリカのサッカー王国

アフリカ大陸の北西端、地中海と大西洋に面し、ヨーロッパと中東、そしてサハラ砂漠文化が交差する国——それがモロッコです。

古都マラケシュやフェズには迷路のような旧市街(メディナ)が広がり、ベルベル人・アラブ人・ヨーロッパ人の文化が折り重なってきました。観光地として知られる一方、モロッコは今やサッカー大国としても世界の注目を集める存在となっています。

その実力を世界に知らしめたのが、2022年カタールW杯。スペイン、ポルトガルといった強豪国を破り、アフリカ勢として史上初のベスト4に進出。驚異的な守備力と、限られたチャンスを確実に決めきる勝負強さで世界を魅了しました。

この快進撃に対し、日本代表の久保建英選手も、内田篤人さんとの対談で「W杯でモロッコとはやりたくないですね。負けそうなんで。勝負強いし、結果を出してるから。」と語っています。

世界のトップでプレーする久保選手ですら、そう評するモロッコ。まさに“強者に対して強い”アフリカの新たな王者と言えるでしょう。

では、その強さの裏側には何があるのか?本記事では、そんなモロッコサッカーの土台となる「ボトラ」リーグの全貌を、詳しく掘り下げていきます。

ボトラとは?モロッコサッカーの頂点に立つプロリーグ

  • 正式名称: ボトラ・プロ・インワ(Botola Pro Inwi)※スポンサー名含む
  • 創設: 1956年(フランスからの独立直後)
  • 主催: モロッコ王立サッカー連盟(FRMF)
  • 参加クラブ数: 16
  • シーズン: 8月〜5月(30節制)
  • 降格制度: 下位2クラブが「ボトラ2」に自動降格

ボトラはフランス植民地支配からの独立後、ほぼ中断することなく運営され続けており、アフリカの中でも長い歴史を持つプロリーグです。

国際大会と出場権

ボトラの上位クラブにはアフリカの国際大会への出場権が与えられます。

順位・成績出場大会
1位・2位CAFチャンピオンズリーグ
3位・カップ優勝CAFコンフェデレーションカップ

また、モロッコ国内のカップ戦としては「モロッコ・スローン・カップ」が開催されており、こちらの勝者にも国際舞台への切符が与えられます。

モロッコの強豪クラブ紹介|伝統と実力が光るチームたち

ウィダッド・カサブランカ(Wydad AC)

  • 最多優勝:通算17回
  • 2021-22シーズン優勝
  • FIFAクラブワールドカップ出場経験あり

ラジャ・カサブランカ(Raja CA)

  • カサブランカを本拠とするもう一つの名門クラブ。
  • 「カサブランカ・ダービー」はアフリカ最大の因縁試合。

FARラバト(AS FAR)

  • 軍が運営するクラブで、国家の支援を背景に安定した強さを誇ります。

主なホームタウン・地域分布

モロッコリーグのクラブは以下の都市に拠点を置いています:

  • カサブランカ
  • ラバト
  • アガディール
  • タンジェ
  • フェズ

これにより、国内の広範な地域でプロサッカーが根付き、地域コミュニティの熱狂を生んでいます。

選手構成と外国人比率

  • 平均年齢:約27歳
  • 外国籍選手の割合:約27%(全体で116人程度)

アフリカ諸国や南米からも選手が流入し、国際色豊かなリーグとなっています。

育成・アカデミー体制

モロッコは育成にも積極的です。特に「ムハンマド6世サッカーアカデミー」は、欧州レベルの施設と教育内容を備え、以下のような特徴を持ちます

  • 欧州クラブも注目する若手を輩出
  • 言語教育(アラビア語・仏語・英語)も重視
  • 欧州出身の指導者を多数招へい

日本人選手の挑戦:森下仁道選手の存在

モロッコ初の日本人プロ、森下仁道

2024年、モロッコの首都ラバトに拠点を置く「Stade Marocain」に一人の日本人選手が加入した。 彼の名は森下仁道(Jindo Morishita)。アフリカで3カ国目の挑戦となる、モロッコ初の日本人プロサッカー選手である。

所属するStade Marocainは、モロッコ2部リーグ「ボトラ2」に所属する歴史あるクラブ。 2024年9月にプロ契約を結び、日々のトレーニングを重ねている。

前例のない挑戦

モロッコリーグに日本人選手の前例はなく、森下選手が“初”の存在となる。

現地では“ジンドウ”の名で呼ばれ、ファンや仲間たちに親しまれている。

彼の目標は、自身のキャリアの成功だけでなく、日本とアフリカのサッカー文化をつなぐ“架け橋”になることだ。

まとめ

モロッコのボトラは、単なるアフリカの一リーグではなく、世界へとつながる実力と歴史を持つ舞台です。 育成、国際大会、クラブワールドカップ出場など、多面的な実績を誇るこのリーグは、アフリカサッカーの中心となりつつあります。

今後、日本人選手の挑戦や国際大会の開催により、さらに世界から注目される可能性が高いモロッコリーグに、ぜひご注目ください。

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