ラトビアの1部リーグ「ヴィルスリーガ(Virslīga)」は、2026シーズンは10クラブが4回ずつ対戦する方式で、3月6日に開幕し、11月8日に最終節を迎える日程です。その下に全国規模の2部、地域ごとにグループを分ける3部、4つの地域ゾーンで戦う4部(3. līga)が続きます。
人口は約184.5万人(2026年初め、LSM 2026年6月2日・中央統計局のデータ)。首都リガのクラブRFSは、2025年1月に欧州の大会でオランダのアヤックスに勝っています。
この記事では、次のことがわかります。
- ラトビアのリーグは何部まであり、どうつながっているか
- サッカーがどう伝わり、ソ連時代と独立回復をどう越えてきたか
- どのクラブから見始めればいいか、公式の日程・結果はどこで見られるか
- 日本のリーグと何が違うか
※リーグ制度と日程は、ラトビアサッカー連盟(LFF)の2026年の規程と公式サイトにもとづきます(2026年10月5日確認)。対象は主に男子で、女子は別の節で紹介します。
ラトビアと日本
ラトビアはバルト海の東岸にある国で、北はエストニア、南はリトアニアと接しています。首都リガには約58.9万人が住み、国の人口の31.9%にあたります。2026年初めの時点で、ラトビア人(民族)の割合は63.8%でした(上記LSM、LV portāls 2026年6月2日、いずれも中央統計局のデータ)。
日本との関係は、ラトビアが独立を宣言した直後に始まりました。日本は1919年1月10日に事実上(de facto)、1921年1月26日に法律上(de iure)ラトビアを承認した国の一つです。1940年のソ連占領のあと、ラトビアが独立を回復すると、日本は1991年9月5日にラトビア共和国を承認し、10月10日に関係を回復しました。駐日ラトビア大使館は2006年に東京に、在ラトビア日本大使館は2000年にリガに開かれています。2025年5月20日には、両国が「戦略的パートナーシップ」を発表しました(ラトビア外務省「Latvijas Republikas un Japānas divpusējās attiecības」2025年6月28日更新)。
文化の面では、ラトビアの歌を歌う日本の混声合唱団「Gaisma(ガイスマ、ラトビア語で「光」)」が、ラトビアの歌と踊りの祭典に参加しています(ラトビア大統領府 2019年10月21日)。
ラトビアのサッカーは、どう広がってきたか
工場で働くイギリス人が持ち込んだ
LFFの公式の歴史によると、ラトビアにサッカーを持ち込んだのはイギリス人でした。リガにあったイギリス資本の金属加工工場「サラマンダー」で働く人たちが、1907年にリガで最初のサッカーチーム「British Football Club(BFC)」をつくりました。イギリス人の実業家ハロルド・ホール(Herolds Holls、1884〜1943年)は選手兼コーチとして加わり、1920年にできたラトビアサッカー連合(LFS)の初代の議長も務めています。LFFはホールを「ラトビアサッカーの父」として紹介しています(LFF「Vēsture」)。
ラトビアは1922年にFIFAに加盟しました。1928年に始まったバルト3国の代表チームの大会「バルティック・カップ」では、これまでの24大会のうち11大会でラトビアが優勝しています。1937年には、1938年W杯の出場まで「あと1試合」のところまで進み、ウィーンでオーストリアに1対2で敗れました(同上)。
ソ連時代:国の代表がなかった約50年
1940年に独立を失うと、ラトビアは国の代表として国際試合に出られなくなりました。LFFは、1945年から1991年までを「代表チームと国際試合を失った時代」と位置づけています。この時代、リガのクラブ「ダウガヴァ(Daugava)」はソ連の1部リーグに1949〜1952年と1960〜1962年に参加しました。国際試合に出られない時代、上を目指す選手には、モスクワなどソ連の強いクラブに移る道しかありませんでした(同上)。
独立回復と、EURO2004
1990年8月19日、現在のラトビアサッカー連盟(LFF)が設立されました。FIFAには1922年から加盟していたため、資格を回復する形でした。UEFAには1992年6月、スウェーデンのヨーテボリで開かれた総会で、エストニア、リトアニアとともに加盟しています(同上)。
独立回復後の国内リーグでは、リガのスコント(Skonto)が長く勝ち続けました。1991年に「Skonto-Forums」として優勝し、その後「Skonto FC」としてさらに13回優勝しています(同上)。
代表チームの大きな転換点は、EURO2004への出場です。予選のプレーオフでトルコに1対0、2対2で勝ち、ポルトガルでの本大会に進みました。本大会ではドイツと0対0で引き分けています。LFFは、ラトビアがEUROの本大会に出たのは100年の歴史でこの1回だけだと書いています(同上)。
2026年W杯には出場していません。出場48チームの一覧に、ラトビアは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
アイスホッケーの国でもある
ラトビアでは、アイスホッケーが大きな存在です。2023年の世界選手権では、3位決定戦で延長の末にアメリカを4対3で破り、30回目の出場で初めてのメダルを獲得しました(NHL.com 2023年5月28日)。この大会はフィンランドとラトビアの共同開催で、リガの中心部にはファンが集まって観戦する場所が設けられていました(LSM English 2023年5月28日)。
サッカーと比べた競技人口や観客数については、公式の統計を確認できなかったため、この記事では数字を書いていません。
リーグの仕組み(男子・2026シーズン)
| 階層 | 名称(2026年の大会名) | チーム数 | 方式 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | ヴィルスリーガ(Virslīga/Tonybet Virslīga) | 10 | 4回戦総当たり(全36節) | (最上位) | 10位は自動降格。9位は入れ替え戦へ | LFFとラトビアサッカー・ヴィルスリーガ(クラブの団体) |
| 2部 | 1. līga(LVBET līga) | 14 | 2回戦総当たり(全26節) | 1位は自動昇格。2位は1部9位との入れ替え戦へ(リザーブチームは除いて数える) | 13・14位 | LFF |
| 3部 | 2. līga(Altero.lv LIIGA) | 20(10チーム×2グループ) | 地域別の2グループで2回戦総当たり、各グループ上位2チームが決勝グループへ | 1・2位 | 各グループ9・10位 | LFF |
| 4部 | 3. līga(Dali Dali 3. līga) | ゾーンごとに異なる | 4つの地域ゾーンで1次リーグ、各ゾーン上位2チームによる勝ち抜き戦 | 1〜4位 | (最下層) | LFFと地域センター |
出典:ヴィルスリーガ規程2026 §3.1、§4.1、§8.5/1. līga規程2026 §3.1、§4.11、§7.5/2. līga規程2026 §3.1〜§3.3/3. līga規程2026 §2.1、§3.2〜§3.5/LFF「リーグ間のクラブ入れ替えに関する規則」2026。チーム数と節数はLFF公式サイトの2026年の日程で確認。
※大会名にはスポンサー名が入り、年によって変わります。2部は2025年には「Nākotnes līga」と呼ばれていました。
※昇格・降格の数は、上の階層から降りてくるリザーブチームや、クラブの辞退・ライセンスの結果によって変わることがあります(入れ替え規則 §2.4〜§3.3)。
1部と2部の入れ替え:自動で上がるのは1チーム
1部の10位は2部に自動で降格し、2部の優勝チームが自動で昇格します。1部の9位と2部の2位は、ホーム&アウェーの2試合で入れ替え戦を行います。2試合の合計で同点なら延長戦(15分ハーフ)、それでも決まらなければPK戦です。勝ったチームが翌年の1部に入ります(ヴィルスリーガ規程 §8.5、1. līga規程 §7.5)。
1部に参加するには、LFFのクラブライセンス(LFF-A)が必要です。2026シーズンは、1部の10クラブすべてがライセンスを受けています(ヴィルスリーガ規程 §5.1、Baltic Football News 2026年1月29日)。
リザーブチームは2部まで
1部クラブのリザーブチーム(チーム名の後ろに「-2」がつく)は、2部(1. līga)に参加できます。ただし、1部への昇格はできません。2部の順位で昇格や入れ替え戦の権利を決めるときは、リザーブチームを除いて数えます(1. līga規程 §4.11、§7.5)。
リザーブチームには、若手の出場を求める条件があります。2部では、2004年1月1日以降に生まれ、ラトビアで育成された選手を常に5人以上ピッチに置き、2004年より前に生まれた選手は同時に3人までと決められています(1. līga規程 §4.11.2〜§4.11.3)。
ほかにも、リザーブチームは本体より上のリーグでプレーできず、本体が降格してきたリーグからは自動的に1つ下のリーグに移ります。クラブの3軍が出られるのは4部(3. līga)だけです(入れ替え規則 §1.3〜§1.4)。
3部と4部は地域で分かれる
3部(2. līga)は、最初の段階で20チームを地理的に2つのグループに分けます。Aグループはクルゼメ地方とゼムガレ地方(主に西部・南部)、Bグループはラトガレ地方とヴィゼメ地方(主に東部・北部)のチームで、足りない枠をリガ市とリガ地域のチームで埋めます(2. līga規程 §3.3)。各グループの上位2チームが決勝グループに進み、優勝と2位が2部に昇格します。各グループの9位と10位は4部に降格します(入れ替え規則 §3.2.1、§4.1.1)。
4部(3. līga)は、LFFと各地域の地域センターが一緒に運営します。2026シーズンは、中部・北部・東部・西部の4つのゾーンで4月18日から9月27日まで1次リーグを行い、各ゾーンの上位2チーム、計8チームが勝ち抜き戦に進みます。チーム数や1次リーグの方式は、ゾーンごとにLFFが決めます(3. līga規程 §2.1、§3.2〜§3.3)。この勝ち抜き戦の上位4チームが、翌年の3部に上がります(同 §3.5)。
LFFの入れ替え規則が対象にしているのは、1部から4部(3. līga)までです(入れ替え規則 §1.2)。4部より下に、地域のリーグとどうつながる仕組みがあるかは、今回の調査では確認できていません。
外国籍選手の登録料が、審判とVARの費用に
1部では、「連盟で育成された選手」かどうかで扱いが分かれます。12歳から21歳の間に3シーズン以上ラトビアのクラブに登録されていた選手や、ラトビアのパスポートを持つ選手がこれにあたります(ヴィルスリーガ規程 §2.8)。
試合では、連盟で育成された選手を常に3人以上ピッチに置く必要があります。メンバー表に入れられる、それ以外の選手は15人までです(同 §5.4)。また、メンバー表には2004年1月1日以降に生まれた、連盟で育成された選手を1人以上入れる必要があります(同 §6.4)。
連盟で育成された選手以外を登録するときは、クラブが登録料を払います。1〜4人目は1人3,000ユーロ、5〜8人目は6,000ユーロ、9人目からは10,000ユーロです。集まったお金のうち20万ユーロは1部の審判の費用に、25万ユーロはVAR(ビデオ判定)の費用にあてられ、残りは、2004年以降に生まれた選手の出場時間にもとづいてクラブを支援する仕組みに使われます(同 §6.5)。
カップ戦(ラトビア・カップ)
国内カップ戦「ラトビア・カップ(Latvijas kauss)」は、1試合ずつの勝ち抜き戦です。3部・4部やそれ以外のLFF加盟クラブが予選から出場し、1部のクラブはベスト16から加わります。1部と下の階層のクラブが対戦するときは、下の階層のクラブのホームで試合をします。リザーブチームは出場できません。2026年大会の決勝は10月か11月に行われ、優勝クラブは2027/28シーズンのUEFAのクラブ大会に出場する権利を得ます(ラトビア・カップ規程2026 §1.2、§3.1、§4.1、§6.1〜§6.2)。
女子のリーグ(2026シーズン)
女子の1部「Sieviešu futbola līga」は、2026シーズンは7チームが4回ずつ対戦する全28節で、3月から11月まで行われています。優勝クラブは、2027/28シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグに出場する権利を得ます(女子リーグ規程2026 §1.3、§4.1、LFF公式サイトの日程)。その下に女子の1. līgaがあり、4月から11月に行われます(女子1. līga規程2026 §4.1)。
女子の1部には、Riga FC Women、RFS Womenのように、男子1部クラブの女子チームも参加しています(LFF公式サイトの日程)。
2026シーズンの日程
2026シーズンのヴィルスリーガは、3月6日に開幕し、11月8日に最終節を迎えます。規程は、シーズンを「3月から11月まで(11月を含む)」と定めています(ヴィルスリーガ規程 §4.1、LFF公式サイトの日程)。1部の9位と2部の2位による入れ替え戦は、リーグ戦が終わったあとに行われます。
冬の12月から2月はリーグ戦がありません。日本とは逆に、ラトビアのシーズンは1年の中で始まって終わります。
見始めるならこのクラブ
RFS(FK RFS)
リガのクラブです。2024/25シーズンのUEFAヨーロッパリーグで、新しい方式の「リーグフェーズ」に出場しました。8試合の成績は1勝3分け4敗で、2025年1月23日のホームゲームでアヤックスに1対0で勝っています(UEFA 2025年1月30日)。この試合はリガのダウガヴァ・スタジアムで行われ、チケットは売り切れでした(Baltic Football News 2025年1月23日)。
リガFC(Riga FC)
同じくリガのクラブで、2025シーズンのヴィルスリーガで2020年以来の優勝を果たしました。優勝を決めたのは2025年10月24日、FKトゥクムス2000との0対0の引き分けでした(Baltic Football News 2025年10月24日)。2026シーズンの最終節(11月8日)では、リガFCとRFSがリガのスコント・スタジアムで対戦する日程です(LFF公式サイトの日程)。
FKリエパーヤ(FK Liepāja)とBFCダウガフピルス(BFC Daugavpils)
リガ以外の街のクラブです。リエパーヤは西部のバルト海沿岸の街、ダウガフピルスは東部ラトガレ地方の街で、どちらも2026シーズンの1部に参加しています(Baltic Football News 2026年1月29日)。
2026シーズンの1部の10クラブは、リガFC、RFS、FKリエパーヤ、BFCダウガフピルス、FKアウダ、FSイェルガヴァ、FKトゥクムス2000、SKスーパーノヴァ、FKグロビニャ、オグレ・ユナイテッドです(同上)。
日本との比較
| 項目 | ラトビア(2026シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 3月6日開幕・11月8日最終節(冬はリーグ戦なし) | 2026年8月7日〜2027年6月6日 ※1 |
| 1部の規模 | 10クラブ・4回戦総当たり・全36節 | 20クラブ・2回戦総当たり・全38節(380試合)※1 |
| 1部から2部へ | 自動降格1。9位は入れ替え戦 | 下位3が降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 自動昇格1。2位は1部9位との入れ替え戦に勝てば昇格 | 自動昇格2。3〜6位のプレーオフ優勝が昇格。ライセンスで変わることがある ※1 |
| 全国リーグと地域 | 1〜2部は全国1グループ。3部は地域別2グループ、4部は4つの地域ゾーン | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
| 若手・自国選手の決まり | 1部は連盟で育成された選手を常に3人以上。それ以外の選手の登録には登録料 | (この表では比較の対象外) |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
ラトビアの1部は10クラブで、同じ相手と1シーズンに4回対戦します。日本のJ1は20クラブで、同じ相手とは2回です。リーグの規模を決める条件(人口、クラブ数、移動距離、スタジアム)が大きく違うので、どちらの方式が良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手との接点では、辛島侑烈(からしま・ゆきよし)選手が、2025シーズンに向けてリトアニアのジャルギリス・ヴィリニュスからRFSに加入しました(Baltic Football News 2024年12月3日)。2025年8月には、シーズン終了までの期限付きでフィンランドのHJKに移籍しています(Baltic Football News 2025年8月13日)。2026/27シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでは、リトアニアのカウノ・ジャルギリスの選手として登録されています(UEFA 選手ページ)。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程・結果・順位表:LFF公式「Tonybet Virslīga」
- 2部:LFF公式「LVBET līga」
- 女子1部:LFF公式「Sieviešu līga」
- 公式YouTube:LatvijasFutbols(LFF公式サイトからリンクされているチャンネル)
LFF公式サイトには、ラトビアの放送局LTV7や、配信サービスの11tv.lv、futbols.tvへのリンクがあります。日本から試合を生中継で見られるかは、2026年10月5日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ラトビアのサッカーリーグは何部まで?
A. LFFが運営し、昇格・降格でつながっているのは4部(3. līga)までです。1部ヴィルスリーガ、2部1. līga、3部2. līga、4部3. līgaの順です。
Q. ラトビアのリーグはいつ行われている?
A. 2026シーズンの1部は3月6日に開幕し、11月8日に最終節を迎えます。冬の12月から2月はリーグ戦がありません。
Q. 1部から何チーム降格する?
A. 10位の1チームが自動で降格します。9位は2部の2位と入れ替え戦を行い、負けると降格します。
Q. ラトビアは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。ラトビアがEUROの本大会に出たのは、2004年の1回です。
Q. ラトビアのリーグで日本人選手はプレーしている?
A. 辛島侑烈選手が2025年にRFSでプレーしました。2026/27シーズンは、リトアニアのカウノ・ジャルギリスの選手としてUEFAに登録されています。
調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度・日程は2026シーズン)


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