ロシアの1部リーグ「ロシア・プレミアリーグ(RPL)」は、2026-27シーズンも16クラブで行われています。2026年7月下旬に開幕し、12月上旬から2月下旬までの冬の中断をはさんで、2027年5月29日に最終節を迎えます(ヴェドモスチ 2026年6月25日)。
ただし、ロシアのクラブと代表チームは、2022年2月28日からFIFAとUEFAの大会に出場できません(FIFA 2022年2月28日)。2026-27シーズンも欧州カップ戦の出場枠はなく、W杯2026の出場48チームにも入っていません。
この記事では、次のことがわかります。
- ロシアのリーグは何部まであり、どこで「プロ」と「アマチュア」に分かれるか
- 国際大会に出られない状態が、国内リーグの日程やカップ戦にどう表れているか
- 日本代表が2018年W杯で戦った街と、日本人選手との接点
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度はロシアサッカー連合(РФС、英語ではRFU)の2026-27シーズン(下部の一部は2026年)の大会規程の本文にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子は1部の開催時期だけを扱います(2026年10月16日確認)。
ロシアという国と、日本との関係
ロシアはヨーロッパの東部からアジアの北部まで広がる国です。リーグの規模にもそれが表れていて、アマチュアの全国大会(後述の「3部リーグ」)は、極東、シベリア、ウラル・西シベリア、ヴォルガ、北西、モスクワ、サンクトペテルブルクなど11の地域に分けて予選を行います(РФС「3部リーグ」規程 付属書4)。
憲法は、ロシア語を国全体の国家語と定めています。あわせて、国内の共和国がそれぞれの国家語を定めることも認めています(ロシア連邦憲法 第68条)。
日本とは隣国です。第二次世界大戦後の外交関係は、1956年10月の日ソ共同宣言で回復しました。共同宣言には、平和条約を結んだ後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すことが書かれています。1991年の日ソ共同声明では、歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の4島が領土問題の対象だと確認されました(内閣官房 領土・主権対策企画調整室「北方領土問題の経緯」)。平和条約は今も結ばれていません。
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ロシアのサッカーは、どう歩んできたか
1912年、サンクトペテルブルクで始まった連合
全ロシアサッカー連合は、1912年1月6日にサンクトペテルブルクで生まれ、同じ年の6月30日にFIFAに加盟しました。その年のストックホルム五輪のサッカーにも出場しています。ソビエト連邦の時代を経て、今のロシアサッカー連合は、ソ連解体後の1992年2月に設立されました(UEFA「Russian Football Union」)。
欧州の大会で勝った2つのクラブ
ロシアのクラブが初めて欧州のタイトルを取ったのは2005年です。CSKAモスクワが、5月18日にリスボンで行われたUEFAカップ決勝で、地元のスポルティングを3対1で破りました。UEFAの記事は、ロシアのスポーツ紙の「この日はすべてのサッカーの本に残る」という見出しを伝えています(UEFA 2005年5月19日)。
3年後の2008年5月14日には、サンクトペテルブルクのゼニトが、マンチェスターで行われたUEFAカップ決勝でレンジャーズに2対0で勝ちました。ゼニトにとって初めての欧州タイトルで、ロシアのクラブとしては4年で2度目の優勝でした(UEFA 2008年5月14日)。
2022年からの資格停止
2022年2月28日、FIFAとUEFAは、ロシアのすべてのチームを、代表・クラブを問わず「追って通知があるまで」両者の大会から外すと発表しました。発表文は「ウクライナで影響を受けているすべての人々と連帯する」としています(FIFA 2022年2月28日)。
その後も資格停止は続いています。UEFAの理事会は、2026-27シーズンの欧州カップ戦の出場枠の一覧を、ロシアのチームの資格停止に合わせて組み直しました(TASS 2026年6月7日)。W杯2026の出場48チームにも、ロシアは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
そのため、2026-27シーズンのロシアのクラブにとって、公式戦は国内のリーグとカップ戦だけです。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 開催時期 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | ロシア・プレミアリーグ(RPL/冠名 Альфа-Банк РПЛ) | 16 | 秋春制(2026年7月〜2027年5月) | (最上位) | 15・16位は自動降格。13位・14位は入れ替え戦へ | 主催РФС・運営RPL(プロ。ライセンスIが必要) |
| 2部 | 1部リーグ(Первая лига) | 18 | 秋春制 | 1・2位は自動昇格。3位・4位は入れ替え戦へ | 下位3クラブ | 主催РФС・運営ФНЛ(プロ。ライセンスIIが必要) |
| 3部 | 2部リーグA(Вторая лига Дивизион А) | 第1ステージは17(「ゴールド」10・「シルバー」7) | 秋春制 | ゴールド第2ステージの1・2位と、ゴールド内のプレーオフ勝者が2部へ | 2026-27は経過措置(下に説明) | ФНЛ |
| 4部 | 2部リーグB(Вторая лига Дивизион Б) | 4グループ(各グループのチーム数は規程本文で確認できず) | 暦年制(2026年1〜12月) | 各グループ1位が、2部A「シルバー」の第2ステージに入る権利を得る | 各グループ下位2チーム | ФНЛ(規程上はプロの大会。参加条件はФНЛの認証) |
| 5部 | 3部リーグ(Третья лига) | 11地域の予選の後、16チームの決勝大会 | 暦年制(決勝大会は2026年11月4〜16日・ソチ) | 2部Bへの昇格の決まりは、この規程には書かれていない | (規程に記載なし) | 主催РФС。地域予選は地域の協会連合などが運営(アマチュア) |
| 6部以下 | 各地域の選手権 | 地域ごとに異なる | 地域ごと | 地域ごとの規程による | 地域ごとの規程による | 地域のサッカー連盟 |
出典:RPL 2026-27大会規程 3.1、3.2、4.1、4.5、4.7、8.1/1部リーグ 2026-27大会規程 3.3、3.4、3.12、7.1/2部リーグA 2026-27大会規程 3.1〜3.22/2部リーグB 2026年大会規程 2.1、2.2、3.1、3.3、7.1/3部リーグ 2025〜2027年大会規程 2.3、3.2、14.1、14.2、62条、66条、付属書4(いずれもロシア語)
※日本語の名称は、この記事での訳です。ロシアでは「2部」を「1部リーグ(Первая лига)」と呼ぶため、階層の数字と名称の数字が1つずれます。
※昇格・降格の数は、ライセンスや認証を取れないクラブ、途中で辞退するクラブがあると変わることがあります(1部リーグ規程 3.9、3.10、2部リーグB規程 3.3)。
※6部以下の地域の選手権は、地域ごとの規程を確認していません。
1部と2部の入れ替え:13位・14位が2部の3位・4位と戦う
RPLの15位と16位は自動で2部に降格し、2部の1位と2位が上がってきます。
RPLの13位は2部の4位と、14位は2部の3位と、ホーム1試合・アウェー1試合の入れ替え戦をします(RPL規程 4.5.3、1部リーグ規程 3.4.1)。入れ替え戦に出られるのは2部の1〜6位のクラブに限られ、ライセンスの条件を満たすクラブが1つしかない場合は、RPLの14位とだけ対戦し、13位は残留します(RPL規程 4.5.3.1)。
3部の「ゴールド」と「シルバー」
3部にあたる2部リーグAは、上位の「ゴールド(Золото)」と下位の「シルバー(Серебро)」に分かれて戦います。第1ステージはゴールド10チーム・シルバー7チームです。第1ステージが終わると、ゴールドの7〜10位とシルバーの1〜4位が入れ替わり、第2ステージに進みます。シルバーの第2ステージには、4部の2部リーグBの各グループ1位が加わる決まりです(2部リーグA規程 3.1、3.5、3.6、3.8)。
2部に上がるのは、ゴールド第2ステージの1位と2位、さらにゴールド内のプレーオフ(第2ステージ3位と、第1ステージ上位チームの対戦)の勝者の合わせて3チームです(2部リーグA規程 3.12〜3.15、1部リーグ規程 3.12)。
4部の2部リーグBへの降格は、2026-27シーズンは経過措置です。シルバー第2ステージの9位・10位は、そのまま降格するのではなく、2027-28シーズンの入れ替え戦の候補になります。今シーズンに2部Bに下がるのは、前のシーズンの順位と今季の第1ステージの順位で決まる原則1チームです(2部リーグA規程 3.7、3.21、3.22)。
秋春制と暦年制が混ざる下部リーグ
1部から3部までは、シーズンを2026年7月1日から2027年6月30日までとする秋春制です(各規程の定義)。
4部の2部リーグBと、5部の3部リーグは、1月から12月までの暦年制で行われます(2部リーグB規程、3部リーグ規程 23.1.2)。2部Bの各グループ1位は、2部Aの「シルバー」に、第1ステージではなく第2ステージから入る権利を得ます(2部リーグB規程 3.3、2部リーグA規程 3.8)。秋春制の大会の途中に、暦年制の大会の勝者が加わるつなぎ方です。
プロとアマチュアの境目
2部リーグBの規程は、この大会を「プロのスポーツ大会」と書いています(2.2)。参加の条件は、上の階層のようなライセンスではなく、ФНЛ(全国サッカーリーグ)の認証(Аттестат)です(7.1)。
その下の3部リーグは、規程で「全ロシアのアマチュア大会」とされています(2.3)。地域予選は11のゾーンで行い、各地域の優勝チームなど16チームが、ソチで行われる決勝大会に進みます(14.1、62条、66条)。地域予選は、連邦管区単位の協会連合(МРО)や、モスクワ・サンクトペテルブルクなどの地域の連盟が主催する選手権です(14.2)。
外国人枠は、下の階層ほど厳しい
| 階層 | 外国人選手の決まり(2026-27) |
|---|---|
| 1部(RPL) | 登録25人のうち外国人は12人まで。ピッチ上の外国人は7人まで。ロシアで育成された選手を12人以上登録(RPL規程 5.8) |
| 2部 | 登録・出場とも外国人は4人まで(1部リーグ規程 8.26.2、10.13) |
| 3部(2部A) | 外国人選手は出場できない(2部リーグA規程 10.13) |
下部では若手の出場も義務になっています。たとえば2部リーグAでは、2005年以降に生まれた選手を常に2人以上ピッチに置く必要があります(2部リーグA規程 10.10)。
セカンドチームの扱い
上の階層のクラブは、セカンドチームを下部リーグに出せます。2部リーグBでは、セカンドチームはピッチ上に2002年以降生まれの選手を8人以上置かなければなりません(2部リーグB規程 7.1、10.16)。3部リーグに出られるのは、RPLや全国リーグのクラブの「-М」「-2」と名のつく若手チームだけです(3部リーグ規程 付属書1)。
国内カップ:FONBET Кубок России
国内カップは、RPLのクラブが進む「RPLの道」と、下部のクラブが進む「地域の道」の2つの道に分かれて始まります。2026-27大会では、RPLの16クラブが4チームずつ4組のグループリーグを戦い、決勝トーナメントは1/8決勝からです。決勝の名称は、これまでの「スーパーファイナル」から「ファイナル」に戻ると報じられています(スポルト・エクスプレス 2026年6月17日)。
※カップの規程の本文は、2026年10月16日時点で確認できていません。
2026-27シーズンの日程
RPLの2026-27シーズンは、2026年7月24〜27日の第1節で始まり、2027年5月29日の第30節で終わります。冬の中断は2026年12月7日から2027年2月26日までです(ヴェドモスチ 2026年6月25日)。日程はРФС理事会ビューローが2026年4月13日に承認しています(РФС 2026年4月15日)。
女子の1部(Суперлига)は、2026年1月1日から12月31日までの暦年制です(女子1部 大会規程)。
日本との接点
2018年W杯で日本代表が戦った街
2018年のW杯はロシアで開かれました。日本代表はカザンをベースキャンプにして、グループHをサランスク(コロンビア戦)、エカテリンブルク(セネガル戦)、ボルゴグラード(ポーランド戦)で戦いました(JFA 2018年6月)。グループ2位で3度目のベスト16に進み(JFA 2018年7月2日)、7月2日にロストフ・ナ・ドヌーのロストフ・アリーナでベルギーと対戦しました。原口元気選手と乾貴士選手のゴールで2対0とリードしましたが、終盤に3点を返され、2対3で敗れています(JFA 2018年7月2日)。
CSKAモスクワの本田圭佑選手
本田圭佑選手は、2010年1月にオランダのVVVフェンローからCSKAモスクワに4年契約で移籍しました(UEFA 2010年1月1日)。CSKAは、2005年にロシア勢で初めて欧州のタイトルを取ったクラブです。
日本との比較
| 項目 | ロシア(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年7月下旬開幕・12月上旬〜2月下旬に中断・2027年5月29日最終節 | 2026年8月7日開幕・冬に中断・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 16クラブ・全30節 | 20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から2部へ | 自動降格2。13位・14位は2部3位・4位との入れ替え戦 | 下位3が降格 ※1 |
| 下部の開催時期 | 1〜3部は秋春制、4部・5部は暦年制 | J1〜J3は2026-27から秋春制に移行 ※2 |
| 国際大会 | 2022年2月からFIFA・UEFAの大会に出場できない | AFCの大会に出場 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 Jリーグ「シーズン移行」
どちらも夏に開幕し、冬に長めの中断を入れる日程です。ロシアの中断は12月上旬から2月下旬までの約2か月半あります。大きな違いは、ロシアのクラブには国際大会の公式戦がないことと、4部以下が暦年制のまま残っていることです。国土の広さ、クラブ数、置かれている状況が大きく違うため、どちらの仕組みが良いかを単純に比べることはできません。
試合の日程・結果を見るには
- RPL:ロシア・プレミアリーグ公式サイト(日程・結果・順位表)
- 1部リーグ(冠名「Лига PARI」)・2部リーグA・B:ФНЛ(全国サッカーリーグ)公式サイト(日程・結果・順位表)
- 協会・カップ・女子・規程:ロシアサッカー連合(РФС)公式サイト
※いずれもロシア語のサイトです。2026年10月16日の確認時点で、RPL公式サイトは本文を読み込めませんでした。日本から試合を見る方法と、リーグ公式の映像チャンネルは確認できていません。
よくある質問
Q. ロシアのサッカーリーグは何部まで?
A. 全国規模の大会は5部までです。1部RPL、2部「1部リーグ」、3部「2部リーグA」、4部「2部リーグB」までがプロの大会として運営され、5部の「3部リーグ」は全ロシアのアマチュア大会です。その下に地域の選手権があります。
Q. ロシアのリーグはいつ行われている?
A. 1部から3部は秋春制です。2026-27シーズンのRPLは2026年7月下旬に開幕し、12月上旬から2月下旬までの冬の中断をはさんで、2027年5月29日に最終節を迎えます。4部と5部は1月から12月までの暦年制です。
Q. 2部から1部へは何チーム上がる?
A. 自動昇格は1位と2位の2チームです。3位と4位は、RPLの14位・13位とホーム&アウェーの入れ替え戦をして、勝てば昇格します。
Q. ロシアは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。2022年2月からFIFAとUEFAの大会への出場資格を停止されていて、予選にも参加していません。
Q. ロシアのクラブはチャンピオンズリーグに出ている?
A. 出ていません。2026-27シーズンも、UEFAは欧州カップ戦の出場枠をロシアのチームの資格停止に合わせて組んでいます。
Q. ロシアでプレーした日本人選手は?
A. 確認できた例では、本田圭佑選手が2010年1月にVVVフェンローからCSKAモスクワに移籍しています。
調査基準日:2026年10月16日(リーグ制度は2026-27シーズン、4部・5部・女子は2026年)

