チリの1部リーグ(Campeonato Nacional de Primera División)は、2026シーズンは16クラブが2回ずつ対戦する全30節で行われています。シーズンは1年の暦どおりで、報道によると1月の最終週末に開幕し、12月6日の週末に終わる日程です(Emol 2025年12月24日)。
チリのリーグには、日本ではあまり見ない決まりがあります。1部のクラブは、若いチリ人選手をシーズンを通して一定の時間出場させなければなりません。足りなければ勝ち点を引かれます。
人口は18,480,432人で、そのうち約4割の7,400,741人が首都サンティアゴのある首都州(Región Metropolitana)に住んでいます(2024年国勢調査、チリ国家統計局 INE 2025年3月28日)。
この記事では、次のことがわかります。
- チリのリーグは何部まであり、プロとアマチュアの境目はどこか
- 1部と2部の昇格・降格、若手の出場時間のルール
- チリのサッカーがどこで始まり、どのクラブが街と結びついてきたか
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度は、チリ全国プロサッカー協会(ANFP)の2026シーズンの大会規程にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグが中心で、女子のリーグも後半で紹介します(2026年10月16日確認)。
チリと日本
チリは南米大陸の西側、太平洋沿いに南北に細長く広がる国です。首都はサンティアゴで、リーグの公式サイトや規程はスペイン語で書かれています。
日本とチリの関係は、1897年の修好通商航海条約から始まりました。第二次世界大戦で一時途絶えましたが、1952年に外交関係が戻っています(チリ国会図書館 BCN 2007年9月2日)。2007年には両国の経済連携協定(EPA)が3月27日に東京で署名され、9月3日に発効しました(チリ税関)。
チリのサッカーは、港町から始まった
南米で2番目に古い協会
チリにサッカーを持ち込んだのは、港町バルパライソにいたイギリス人の船乗りや移民たちでした。1895年、イギリス人の記者と商人がクラブを集めて「Football Association of Chile」をつくりました(チリ国立図書館 Memoria Chilena「Inicios del fútbol chileno (1895-1933)」)。
FIFAによると、設立は1895年6月19日、場所はバルパライソの「カフェ・パシフィコ」です。南米では2番目に古いサッカーの統括組織で、FIFAには1913年に仮加盟し、翌年に正式に加盟しました(FIFA 2020年6月19日)。
プロのリーグは1933年に始まりました。クラブのグループがプロ部門の公認を求め、この年に最初のプロの全国選手権が行われています(Memoria Chilena、同上)。
代表の歩み
チリ代表は1930年の第1回W杯に出場しています(Memoria Chilena、同上)。1962年には自国でW杯を開き、3位になりました。南米選手権(コパ・アメリカ)は、2015年に自国開催で初めて優勝し、2016年の「コパ・アメリカ・センテナリオ」でも優勝しています(FIFA 2020年6月19日)。
2026年W杯には出場していません。FIFAが発表した出場48チームのうち、南米からはアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイの6チームで、チリは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
街とクラブ、サポーター
チリの国立図書館のサイト「Memoria Chilena」は、主なクラブの成り立ちを次のように紹介しています(Memoria Chilena「Clubes de fútbol e hinchas」)。
- サンティアゴ・ワンダラーズ(Santiago Wanderers):1892年、港町バルパライソで生まれたクラブです。今も続くチリのプロクラブの中で最も古いクラブです。2026シーズンは2部でプレーしています(ANFP「Clubes」)。
- コロコロ(Colo-Colo):1925年、マガジャネスというクラブを離れた選手たちがつくりました。中心になったのはダビド・アレジャーノで、1927年、スペイン遠征中にバリャドリッドで亡くなっています(Memoria Chilena「Inicios del fútbol chileno」)。南米の大陸大会コパ・リベルタドーレスで優勝したことがあるチリのクラブは、コロコロだけです(FIFA 2020年6月19日)。
- ウニベルシダ・デ・チレ(Universidad de Chile):1927年に生まれた、チリ大学とつながりを持つクラブです。
- ウニベルシダ・カトリカ(Universidad Católica):1937年に生まれた、カトリック大学のクラブです。
Memoria Chilenaは、ファンとクラブの結びつきが、家族、住んでいる地区、大学、出身地域を通じて生まれてきたと説明しています。1980年代からは組織だった応援グループが現れました。コロコロの「ガラ・ブランカ(Garra Blanca)」は1986年、ウニベルシダ・デ・チレの「ロス・デ・アバホ(Los de Abajo)」は1987年に生まれています。1994年には、スタジアムでの暴力に対応する法律(法律第19.237号)ができました(同上)。
リーグの仕組み(男子・2026シーズン)
チリのサッカーは、チリサッカー連盟(Federación de Fútbol de Chile)のもとで、プロのリーグをANFP(Asociación Nacional de Fútbol Profesional)、アマチュアのリーグをANFA(Asociación Nacional de Fútbol Amateur)が運営しています。ANFPが運営するのは3部までで、4部からANFAのリーグになります。
| 階層 | 名称 | チーム数 | 方式 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | Primera División(リーグ・デ・プリメーラ) | 16 | 2回戦総当たり・全30節 | (最上位) | 15位・16位が自動降格(入れ替え戦なし) | ANFP(プロ) |
| 2部 | Primera B(大会名 Campeonato Ascenso) | 16 | 2回戦総当たり・全30節の後、2〜8位のリギージャ(昇格プレーオフ) | 優勝クラブと、リギージャの勝者の2クラブ | 最下位の1クラブ | ANFP(プロ) |
| 3部 | Segunda División Profesional | 14(北7・南7) | 北・南のグループで2回戦総当たりの後、優勝争いの7チームと残留争いの7チームに分かれる | 優勝の1クラブ | 残留争いグループの下位2クラブ(4部へ) | ANFP(プロ) |
| 4部 | Tercera División A | 未確認 | 未確認 | 報道によると上位クラブが3部へ | 報道によると下位が5部へ | ANFA(アマチュア) |
| 5部 | Tercera División B | 未確認 | 報道によると北・南のゾーン制 | 報道によると4部へ | 報道によると下位は地域の協会に戻る | ANFA(アマチュア) |
出典:1〜3部はANFP「Bases de campeonatos」に掲載の2026シーズン大会規程(1部「Bases Campeonato Nacional de Primera División Temporada 2026」第6・78・83・88条、2部「Bases Campeonato Nacional de Primera B Temporada 2026」第6・78・84〜86条、3部「Bases Campeonato Nacional de Segunda División Temporada 2026」第6・78・84・85条)。所属クラブはANFP「Clubes」。4・5部は下の本文の報道。
※1部の優勝は、30節を終えて勝ち点が最も多いクラブです。1位が同じ勝ち点で並んだ場合は、一発勝負の決定戦を行います(1部規程 第83条)。
1部と2部の入れ替え:上がるのは2クラブ
1部からは、年間の順位表で最下位と下から2番目の2クラブが2部へ降格します。入れ替え戦はありません(1部規程 第88条)。
2部から1部へは、2クラブが上がります。1つ目の枠は、30節を終えた時点の優勝クラブです(2部規程 第84条)。2つ目の枠は、2位から8位までの7クラブによる「リギージャ(liguilla)」で決まります。まず3位対8位、4位対7位、5位対6位がホーム&アウェーで戦い、勝ち上がった3クラブに2位が加わって準決勝、決勝と進みます。準決勝と決勝もホーム&アウェーで、決勝の勝者が昇格します(2部規程 第85条)。
2部からは最下位の1クラブが3部へ降格し、3部の優勝クラブが2部に上がります(2部規程 第86条、3部規程 第84条)。
若手の出場時間が足りないと、勝ち点を引かれる
1部の規程には、若手のチリ人選手の起用についての細かい決まりがあります(1部規程 第31条)。
- 毎試合、2005年1月1日以降に生まれたチリ人選手を少なくとも1人、メンバー表に入れる
- シーズンを通して、この年代の選手の出場時間の合計を、全30試合の70%にあたる1,890分以上にする(1試合で数えるのは120分まで)
- 1,890分に届かなかった場合は、達成率に応じて勝ち点3・6・9のいずれかを引かれ、罰金も科される
- 2027シーズンからは、対象が2007年1月1日以降生まれに変わる
2部にも同じ1,890分の決まりがあります。2部では、そのクラブの育成組織に2シーズン以上登録されていた選手であることも条件です。前半の15試合で945分に届かなかった場合にも、勝ち点が引かれます(2部規程 第31条)。
3部はさらに条件が厳しく、試合中は常に、2001年以降生まれの選手を3人以上、そのうち2005年以降生まれの選手を1人以上ピッチに置かなければなりません。守れなかった試合は0対3の負け扱いになります(3部規程 第31条)。
外国籍選手の登録は、1部が6人まで、2部が5人まで、3部が3人までです(各規程 第11条)。1部では、同時にピッチに立てる外国籍選手は5人までです(1部規程 第31条)。
3部は北と南に分かれる
3部のセグンダ・ディビシオン(Segunda División Profesional)は、2026シーズンから形が変わりました。14クラブを北と南の7クラブずつのグループに分け、まずグループの中で2回ずつ対戦します(3部規程 第78条)。
その後、各グループの上位3クラブと、両グループの4位どうしの対戦の勝者が、勝ち点0から優勝を争うリーグ(Postemporada)に進みます。残りの7クラブは、勝ち点0から残留を争うグループに入ります。優勝クラブは2027シーズンの2部に上がり、残留争いグループの下位2クラブは降格します(3部規程 第78・84・85条)。降格先は、ANFAが運営する4部のテルセーラ・ディビシオンA(Tercera División A)です(Pauta 2026年1月23日)。
3部の日程は、2026年3月21〜22日の週末に始まり、11月の最終週末に終わります(3部規程 第79条)。3部の規程には、トップチームの選手の給与の合計を月3,500万ペソまでとする上限も書かれています(3部規程 第63条)。
4部から下:アマチュアのANFAのリーグ
4部のテルセーラ・ディビシオンAと、5部のテルセーラ・ディビシオンBは、アマチュアのANFAが運営しています。ANFAの公式サイトには、2026年10月16日の時点で接続できず、大会規程を確認できていません。そのため、この2つの階層のチーム数と方式は書いていません。
報道によると、2025年から2026年にかけて、4部からはアトレティコ・コリナ、コルチャグア、ロタ・シュワゲルの3クラブがプロの3部に上がりました(Pauta 2026年1月23日)。このうちロタ・シュワゲルは、3部に空きができたことを受けてANFAが決めた一発勝負の決定戦に出て、昇格をつかんでいます(En Cancha 2026年2月11日)。5部は北と南のゾーンに分かれ、下位のクラブは地域の協会のリーグに戻ると報じられています(En Cancha 2025年10月19日、T13)。
リーグ戦のほかの大会
2026シーズンは、リーグ戦のほかに次の大会があります。
- コパ・チレ(Copa Chile):国内のカップ戦
- コパ・デ・ラ・リーガ(Copa de la Liga):2026年に始まった新しい大会
- スーペルコパ(Supercopa):2026年から4クラブで行う形に変わった
ANFPのクラブ代表者の会議(Consejo de Presidentes)は、2025年12月に2026シーズンの大会規程を承認しました。新しい大会のコパ・デ・ラ・リーガとスーペルコパが加わったことで、シーズンは1月第3週のスーペルコパから始まり、1年を通じて試合がある形になりました(ANFP 2025年12月12日)。
南米の大陸大会への出場枠も、リーグの順位だけでは決まりません。2027年のコパ・リベルタドーレスには4クラブが出場します。1部の1位と2位、コパ・デ・ラ・リーガ2026の優勝クラブ、そして1部の3位とコパ・チレ2026の優勝クラブによる一発勝負の勝者です。この一発勝負の敗者と、1部の4〜6位は、コパ・スダメリカーナに出場します(1部規程 第85・86条)。2027年のスーペルコパは、1部の1位と2位、コパ・チレとコパ・デ・ラ・リーガの優勝クラブの4クラブで行います(1部規程 第84条)。
女子のリーグ(2026シーズン)
女子の1部「Liga Femenina 2026」は13クラブで、2回ずつ対戦する全26節の後、上位8クラブがプレーオフで優勝を争います。優勝クラブは、2027年の女子コパ・リベルタドーレスに出場します。レギュラーシーズンの下位2クラブは降格します(ANFP「Bases Campeonato Femenino de Primera División Temporada 2026」第6・69・75条)。
女子の2部「Ascenso Femenino」は19クラブで、北・中央・南の3つのグループに分かれて戦います。決勝に進んだ2クラブと、準決勝で敗れた2クラブによる一発勝負の勝者の、合わせて3クラブが2027年の1部に上がります(ANFP「Bases Campeonato Femenino de Ascenso 2026」第6・67・68条)。どちらの規程も、2026年1月12日のクラブ代表者の会議で承認されたものです。
見始めるならこのクラブ
2026シーズンの1部16クラブは、ANFPの一覧によると次のとおりです(ANFP「Clubes」)。
デポルテス・コンセプシオン、ウニベルシダ・デ・コンセプシオン、デポルテス・リマチェ、デポルテス・ラ・セレナ、オイギンス、コブレサル、ウアチパト、ウニオン・ラ・カレラ、アウダックス・イタリアーノ、ニュブレンセ、コキンボ・ウニド、エバートン、ウニベルシダ・カトリカ、パレスティーノ、ウニベルシダ・デ・チレ、コロコロ
初めて見るなら、首都サンティアゴのコロコロ、ウニベルシダ・デ・チレ、ウニベルシダ・カトリカから入ると、上で紹介した歴史や応援の文化とつなげて見られます。チリで最も古いサンティアゴ・ワンダラーズは、2026シーズンは2部で1部への復帰を目指す立場です。
日本との比較
| 項目 | チリ(2026シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 暦年。1月最終週末に開幕・12月6日の週末に最終節(報道) | 2026年8月7日開幕・冬に中断・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 16クラブ・全30節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から2部へ | 15・16位が自動降格。入れ替え戦なし | 下位3クラブが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 優勝クラブと、2〜8位のリギージャの勝者の2クラブ | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| プロとアマチュアの境目 | 1〜3部がANFP(プロ)。4部からANFA(アマチュア) | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
チリのシーズンは1年の暦どおりで、日本は2026-27シーズンから8月に開幕する形に移りました。
もう一つの違いは、若手の起用を規程で義務づけ、足りなければ勝ち点を引く仕組みです。チリでは1部から3部までのすべてに、年代を指定した起用の決まりがあります。国の大きさ、クラブ数、選手の育ち方が違うので、どちらの方法が良いかを単純に比べることはできません。
日本との接点
2019年、日本代表は招待国として南米のコパ・アメリカに出場し、初戦でチリ代表と対戦しました。試合はブラジルのサンパウロで行われ、日本は0対4で敗れています(JFA 2019年6月17日、JFA 英語版の試合結果)。チリは当時、コパ・アメリカを2大会続けて制していました。
日本で育ったチリ国籍の選手もいます。バスケス・バイロン選手は小学3年生のときに来日し、青森山田高校で全国高校サッカー選手権の優勝を経験しました。2020年には、いわきFCからチリ1部のウニベルシダ・カトリカに期限付きで移籍しています(サッカーキング 2020年2月22日)。その後は日本に戻り、Jリーグでプレーしています(Jリーグ公式 選手ページ)。
2026シーズンにチリのクラブに日本人選手が所属しているかは、確認できていません。
試合の日程・結果を見るには
- 公式の大会サイト:campeonatochileno.cl(ANFPの公式サイトからリンクされている、チリのリーグのサイト)
- 協会:ANFP公式サイト、大会規程の一覧「Bases de campeonatos」
- 公式YouTube:ANFP(ANFP公式サイトからリンクされているチャンネル)
- 代表:La Roja 公式サイト
公式サイトはスペイン語です。日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月16日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. チリのサッカーリーグは何部まで?
A. プロのリーグ(ANFP)が3部まであり、4部のテルセーラ・ディビシオンAと5部のテルセーラ・ディビシオンBはアマチュアのANFAが運営しています。
Q. チリのリーグはいつ行われている?
A. 1年の暦どおりです。2026シーズンの1部は、1月の最終週末に開幕し、12月6日の週末に最終節を迎える日程と報じられています。
Q. 2部から1部には何チーム昇格する?
A. 2チームです。30節を終えた時点の優勝クラブと、2〜8位で戦うリギージャ(昇格プレーオフ)の勝者が上がります。1部からは15位と16位が降格し、入れ替え戦はありません。
Q. チリのリーグには若手選手のルールがある?
A. あります。1部では、2005年以降生まれのチリ人選手の出場時間を、シーズン合計で1,890分以上にする必要があります。届かなければ勝ち点を引かれます。
Q. チリは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。FIFAが発表した出場48チームに、チリは入っていません。
調査基準日:2026年10月16日(リーグ制度は2026シーズン)

