ボリビアの1部リーグ「División Profesional(ディビシオン・プロフェシオナル)」は、2026シーズンは16クラブが2回ずつ対戦する全30節のリーグ戦です。4月5日に開幕する日程で発表され、「2026年のリーグ」として1年の中で行われています(FBF「Temporada 2026 de la División Profesional」)。
この国のリーグには、日本と大きく違う点が2つあります。1つは、1部の下に全国規模の「2部リーグ」がないことです。2部にあたるのは「Copa Simón Bolívar(コパ・シモン・ボリバル)」という昇格のための大会で、9つの県(departamento)のサッカー協会から勝ち上がった69クラブが参加しています。1部で最下位になったクラブは、この大会ではなく、地元の県協会のリーグまで降格します。
もう1つは、試合をする場所の高さです。ラパスのエルナンド・シレス・スタジアムは標高3,601m、隣の都市エル・アルトのスタジアムは標高4,000mを超える場所にあります。
この記事では、次のことがわかります。
- ボリビアのリーグはどうつながっていて、昇格・降格はどう決まるか
- 高地のスタジアムと、代表のW杯2026予選・大陸間プレーオフの結果
- どのクラブから見始めればいいか、公式の日程・結果はどこで見られるか
- 日本との関係と、日本のリーグとの違い
※リーグ制度と日程は2026シーズンの連盟の発表と、大会を伝える現地報道にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグです。女子は最後に短く紹介します(2026年10月16日確認)。
ボリビアと日本
ボリビアは南米の中央部にある国です。2009年の憲法は、国を「多民族(Plurinacional)」の国家と定めています。公用語は、スペイン語と、アイマラ語、ケチュア語、グアラニー語など先住民族の36の言語です。憲法上の首都はスクレです(ボリビア憲法 第1条・第5条・第6条(Constitute Project掲載の条文))。
2024年の国勢調査の人口は11,312,620人です。県別では、東部のサンタクルス県が3,115,386人で最も多く、西部のラパス県が3,022,566人で続きます(ボリビア国立統計局 INE 2024年8月29日)。
日本との外交関係は、1914年の日本・ボリビア通商条約の署名から始まりました。2024年は外交関係樹立110周年で、最初の日本人のボリビア移住から125周年でもありました。ボリビアには1万人を超える日系の人々が暮らしています(上川外務大臣のビデオメッセージ 2024年4月12日(データベース「世界と日本」掲載))。
サンタクルス県の「オキナワ移住地」は、1954年に当時の琉球政府の集団移民計画で移り住んだ沖縄出身の人々が切り開いた土地です(JICA沖縄 2025年11月4日)。ラパスの日本人会は、2022年に設立100周年を迎えています(JICAボリビア事務所「ごあいさつ」)。
ボリビアのサッカーは、どう広がってきたか
1925年、コチャバンバで連盟が生まれる
ボリビアサッカー連盟(FBF)は1925年9月12日、中部の都市コチャバンバで生まれました。1926年7月9日、ローマで開かれた第15回FIFA総会で加盟しています(FIFA 2025年10月21日)。同じ1926年に南米サッカー連盟(CONMEBOL)にも加盟しました(FBF「Historia」)。
W杯には1930年の第1回ウルグアイ大会、1950年、1994年の3回出場しています。1963年に自国で開かれた南米選手権(コパ・アメリカ)の優勝を、FBFは「ボリビアのサッカーで今も最大の国際的な勝利」としています(FBF「Historia」)。
高地のスタジアム
ボリビアのサッカーを語るうえで外せないのが、標高です。CONMEBOLは、ラパスのエルナンド・シレス・スタジアムを標高3,601m、エル・アルトのビジャ・インヘニオ地区に建設中だったスタジアムを「標高4,000m以上」と紹介しています(CONMEBOL 2016年12月5日)。
高地での試合は、国際的な議論にもなってきました。2007年5月、FIFAは標高2,500mを超える場所での国際試合を禁止すると発表しました(The Daily Star 2007年5月30日(AFP配信))。その後この措置は見直され、2008年5月に解除されたと南米で報じられています(Cooperativa 2008年5月28日)。
今もエル・アルトのスタジアムは、クラブの国際大会や代表戦で使われています。2026年のコパ・リベルタドーレスでは、エル・アルトのクラブ「オールウェイズ・レディ(Always Ready)」が、このスタジアムでアルゼンチンのラヌースに4対0で勝ちました(CONMEBOL Libertadores 2026年5月5日)。
W杯2026予選:エル・アルトでブラジルに勝ち、大陸間プレーオフへ
ボリビア代表は2026年W杯の南米予選の最終節、2025年9月9日にエル・アルトでブラジルに1対0で勝ちました。49分にミゲル・テルセロス選手がPKを決めています。この勝利で7位に入り、大陸間プレーオフへの出場を決めました(CONMEBOL 2025年9月9日)。
2026年3月にメキシコのモンテレイで行われた大陸間プレーオフでは、3月26日の準決勝でスリナムに2対1で逆転勝ちしました(Concacaf 2026年3月26日)。しかし3月31日の決勝でイラクに1対2で敗れ、W杯出場はなりませんでした。決勝のボリビアの得点は、38分のモイセス・パニアグア選手の同点ゴールです(Al Jazeera 2026年4月1日)。FIFAも、イラクがモンテレイ・スタジアムでボリビアを破り、最後の出場枠を得たと伝えています(FIFA 2026年4月1日)。FIFAがまとめた出場48チームの一覧に、ボリビアは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
リーグの仕組み(男子・2026シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 方式 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | Liga de la División Profesional(スポンサー名 Liga 1XBET.TV) | 16 | ホーム&アウェーの総当たり・全30節 | (最上位) | 最下位は自動降格。15位はCopa Simón Bolívarのクラブと入れ替え戦 | FBF(División Profesional) |
| 2部にあたる大会 | Copa Simón Bolívar | 69(9県協会から) | 県ごとの予選 → 24クラブの全国グループ → 16クラブの勝ち抜き | 優勝は翌年の1部へ。準優勝は1部15位と入れ替え戦(※1) | 決まった降格はなし(毎年、県協会のリーグから出場クラブを決める) | FBF(競技局) |
| 県協会のリーグ | 各県の Primera A など | 県ごとに異なる | 県ごとに異なる | 上位がCopa Simón Bolívarの出場権を得る | 県ごとの規程による | 9つの県協会 |
| その下 | Primera B など | 県ごとに異なる | 県ごとに異なる | 県ごとの規程による | 県ごとの規程による | 9つの県協会 |
出典:FBF「Temporada 2026 de la División Profesional」、FBF「¡Arranca la Copa Simón Bolívar 2026!」2026年4月30日、Visión 360 2026年5月1日、Visión 360 2026年9月29日
※1 FBFの2026シーズンの発表は、1部15位の入れ替え戦の相手を「Copa Simón Bolívarの勝者(club ganador)」と書いています。一方、FBFの競技局の連絡を伝える報道では、Copa Simón Bolívarの優勝クラブは直接昇格し、2位のクラブが1部15位と入れ替え戦をすると説明されています(Visión 360 2026年9月29日)。FBFのCopa Simón Bolívarの発表は「決勝に進む2チームが優勝と昇格を争う」としています。
※県協会のリーグの名称・チーム数・昇降格は県ごとに異なり、この記事ではチュキサカ県とコチャバンバ県の例だけを確認しています(下の「県協会のリーグ」)。
1部:16クラブの総当たりと、もう一つの大会「Copa」
2026シーズンの1部は、16クラブがホーム&アウェーで2回ずつ対戦する全30節のリーグ戦です。勝ち点が最も多いクラブが2026年の王者になります(FBF「Temporada 2026」)。同じ勝ち点で並んだ場合、2026年からは勝利数の多いクラブが上になります。それまでは得失点差が最初の基準でした(Visión 360 2026年4月8日)。
1部の16クラブは、年の後半にもう一つの大会「Copa de la División Profesional」を戦います。4クラブずつ4つのグループに分かれ、準々決勝・準決勝・決勝へ進みます(FBF「Temporada 2026」)。2026年大会は8月に始まりました。優勝クラブは2027年のコパ・リベルタドーレス、準優勝クラブは2027年のコパ・スダメリカーナの出場権を得ます(Correo del Sur 2026年8月18日)。
2027年のリベルタドーレスの出場枠は4つで、リーグの1位と2位、Copaの優勝クラブ、リーグでその次に順位の高いクラブに与えられます(FBF「Temporada 2026」)。
2026シーズンは、国内の社会的な対立による道路封鎖の影響も受けました。6月には、クラブの移動やテレビ中継の機材の輸送ができないとして、1部の試合が延期されています(eju.tv 2026年6月)。
2部にあたる「Copa Simón Bolívar」
Copa Simón Bolívarは、FBFが主催する昇格のための全国大会です。2026年は9つの県協会を代表する69クラブが参加しています(FBF 2026年4月30日)。県ごとの出場クラブ数は、ラパス、チュキサカ、オルロ、タリハ、コチャバンバ、サンタクルスが8、ポトシ、パンド、ベニが7です(Visión 360 2026年5月1日)。
大会は3段階で進みます(FBF 2026年4月30日、Visión 360 2026年5月1日)。
- 予選(県ごと):同じ県のクラブどうしのグループ戦と勝ち抜き戦で、全国大会に進むクラブを決める
- 全国のグループ戦:24クラブが4クラブずつ6グループに分かれ、各グループ2位までと、3位のうち成績の良い4クラブが進む
- 決勝トーナメント:16クラブがホーム&アウェーの勝ち抜き戦を戦う
選手の起用にも決まりがあります。2006年1月1日以降に生まれた20歳以下の選手を必ず2人ピッチに立たせ、28歳を超える選手は同時に3人まで、外国籍選手は同時に4人までです(FBF 2026年4月30日)。若い選手が試合に出る機会を、大会の規程でつくっています。
1部から落ちると、県協会のリーグへ
1部で最下位になったクラブは、Copa Simón Bolívarではなく、自分の県協会のリーグに降格します。
その例が、コチャバンバのホルヘ・ウィルステルマン(Jorge Wilstermann)です。2025シーズンの最終順位をめぐる処分と仲裁の結果、最下位となって降格しました。ウィルステルマン側は1部を18クラブに増やすよう求めましたが、2025年12月31日の会議で1部の16クラブが全会一致で退け、16クラブのままとなりました(Los Tiempos 2025年12月31日)。2026年5月、スポーツ仲裁裁判所(CAS)がクラブの申し立てを受理しないと判断し、コチャバンバ県協会の「Primera A」への降格が確定しています(Los Tiempos 2026年5月5日)。
2026シーズンまでは、1部から降格したクラブは次の年のCopa Simón Bolívarに直接は出られず、1部に戻るまでに最低2シーズンかかる仕組みでした。FBFは2026年4月、9つの県協会に送った通達(Circular N° 21/2026)で、2027年からは降格したクラブがCopa Simón Bolívarの予選から直接出場できるように変えました。入れ替え戦に負けて降格したクラブも同じ扱いです(Red Uno 2026年4月24日)。
県協会のリーグ
1部とCopa Simón Bolívarの下は、県ごとのサッカー協会が運営するリーグです。形は県ごとに違います。
- チュキサカ県(憲法上の首都スクレがある県):県協会(ACHF)の「Primera A」は、2025年は12クラブで行われました。6クラブがCopa Simón Bolívarへ進み、下位4クラブは降格を避けるためのリーグ戦を戦う形です。この県では2024年6月末から1年以上、リーグ戦が止まっていました(Correo del Sur 2025年8月3日)。
- コチャバンバ県:県協会(AFC)に「Primera A」と「Primera B」があります。登録には県の政府が認めた法人格が必要で、この条件を満たさないクラブはCopa Simón Bolívarにも出られないと、AFCの会長が説明しています(Los Tiempos 2025年1月24日)。
ほかの7県のリーグの段数とチーム数は、この記事では確認できていません。
見始めるならこのクラブ
ボリーバル(Bolívar)とザ・ストロンゲスト(The Strongest):ラパス
ラパスの2つのクラブです。ボリーバルは1925年4月12日、国の独立100年を記念して生まれました(CONMEBOL「Bolívar」)。2014年のコパ・リベルタドーレスでは、28年ぶりに準決勝に進みました(CONMEBOL 2014年5月16日)。ザ・ストロンゲストは1908年4月8日、ラパスの12人の若者が「Strong Foot Ball Club」として立ち上げたクラブです(CONMEBOL)。
オールウェイズ・レディ(Always Ready):エル・アルト
ラパスに隣接する高地の都市エル・アルトのクラブです。2026年のコパ・リベルタドーレスで、標高4,000mを超えるエル・アルトのスタジアムを本拠に戦いました(CONMEBOL Libertadores 2026年5月5日)。
ブルーミング(Blooming)とオリエンテ・ペトロレロ(Oriente Petrolero):サンタクルス
国内で人口が最も多いサンタクルス県の中心都市サンタクルス・デ・ラ・シエラのクラブです。両クラブの対戦は、CONMEBOLが「サンタクルスの街のクラシコ」と書く対戦です(CONMEBOL 2017年11月6日)。オリエンテ・ペトロレロは1955年11月5日、国営石油会社YPFBの労働者たちがつくったクラブです(CONMEBOL)。
グアビラ(Guabirá):モンテロ
サンタクルス県モンテロのクラブです。2025年8月、このクラブでプレーしていた日系のFWユウト・バイゴリア選手(2006年生まれ)が、J1のファジアーノ岡山に期限付きで移籍しました。移籍の際には「母国である日本の素晴らしいクラブ、ファジアーノ岡山の一員となれることを大変嬉しく思います」とコメントしています(サッカーキング 2025年8月20日)。
日本代表との対戦
日本代表とボリビア代表は、2025年11月18日に東京の国立競技場で対戦し、日本が3対0で勝ちました。キリンチャレンジカップ2025の試合で、森保一監督が日本代表を率いた100試合目でした(JFA 2025年11月18日)。2019年3月26日にもノエビアスタジアム神戸で対戦し、日本が1対0で勝っています(JFA 2019年3月26日)。
日本との比較
| 項目 | ボリビア(2026シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 1部は4月開幕、同じ年のうちに終わる日程。年の後半に1部クラブのCopaも並行 | J1は2026年8月7日開幕・冬に中断・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 16クラブ・全30節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から下へ | 最下位は県協会のリーグへ。15位は入れ替え戦 | 下位3クラブがJ2へ ※1 |
| 1部へ上がる道 | Copa Simón Bolívarの優勝は直接昇格、準優勝は入れ替え戦 | J2の上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| 1部の下 | 全国の2部リーグはなく、69クラブの昇格大会と、9県協会のリーグ | J2・J3・JFLの全国リーグの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
日本は1部から4部まで全国規模のリーグが続き、その下で地域と都道府県のリーグに分かれます。ボリビアは、全国規模の「リーグ」は1部だけです。その下は県協会のリーグがそれぞれに並び、各県の上位クラブが1年に1回の全国大会で1部の席を争います。人口や国土の広さ、移動の条件が大きく違うので、どちらが良いかを単純に比べることはできません。
もう一つの違いは、1部から落ちたときの距離です。日本では1部から落ちても全国規模のJ2が受け皿になります。ボリビアでは、2026シーズンまでは県協会のリーグから最低2シーズンかけて戻る必要がありました。2027年からは、降格した次の年にCopa Simón Bolívarに出られるようになります。
女子のリーグ
女子は、FBFが主催する「Liga Femenina de Fútbol Boliviano」があります。2026年の第3回大会は、1部の16クラブと招待の6チームの合わせて22チームが5つのグループに分かれて戦い、勝ち抜き戦で優勝を決めます。優勝チームは女子のコパ・リベルタドーレスの出場権を得ます(eju.tv 2026年5月23日(El País転載))。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の順位表・日程:FBF公式「División Profesional」(Copa Simón Bolívar、女子、ユースの大会へのリンクもあります)
- 連盟の発表・大会の決まり:FBF公式サイト
公式サイトはスペイン語です。公式の映像チャンネルと、日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月16日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ボリビアのサッカーリーグは何部まで?
A. 全国規模のリーグは1部(División Profesional、16クラブ)だけです。2部にあたるのは昇格のための全国大会Copa Simón Bolívarで、その下は9つの県協会のリーグです。県協会のリーグの段数は県ごとに違います。
Q. ボリビアのリーグはいつ行われている?
A. 2026シーズンの1部は4月に開幕し、全30節を同じ年のうちに行う日程です。年の後半には、1部の16クラブによるもう一つの大会Copa de la División Profesionalも行われます。
Q. ボリビアの1部に昇格するには?
A. 県協会のリーグで上位に入ってCopa Simón Bolívarに出場し、その大会で優勝すると翌年の1部に上がれます。準優勝のクラブは、1部15位のクラブとの入れ替え戦に勝てば昇格します。
Q. ボリビアは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。南米予選を7位で終え、2026年3月にメキシコのモンテレイで行われた大陸間プレーオフの準決勝でスリナムに勝ちましたが、決勝でイラクに1対2で敗れました。
Q. 日本代表とボリビア代表の最近の対戦は?
A. 2025年11月18日に国立競技場で対戦し、日本が3対0で勝ちました。2019年3月26日にも神戸で対戦し、日本が1対0で勝っています。
調査基準日:2026年10月16日(リーグ制度・日程は2026シーズン)

