ポーランドの1部リーグ「エクストラクラサ(Ekstraklasa)」は、2026-27シーズンで大きな節目を迎えます。ポーランドで最初のリーグ戦が行われたのは1927年。2027年4月の第27節は、その100周年を記念する節として組まれています(Ekstraklasa公式 2026年6月30日)。
スタジアムにも勢いがあります。2025-26シーズンの1部の観客は合計4,153,550人で、リーグとして過去最多でした(Ekstraklasa公式 2026年6月30日)。
この記事では、次のことがわかります。
- ポーランドのリーグは何部まであり、どこで全国リーグから地域のリーグに切り替わるか
- 1部と2部、2部と3部の間の昇格・降格の決まり
- リーグの歴史と、街ごとのクラブの見どころ
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度と日程は2026-27シーズンの協会規程・発表にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子のリーグは扱いません(2026年10月5日確認)。
ポーランドと日本
ポーランドは中央ヨーロッパの国で、首都はワルシャワ、公用語はポーランド語です。国内は16の県(województwo)に分かれていて、この県の区分はサッカーのリーグ分けにもそのまま使われています(後述)。
日本との外交関係は、第一次世界大戦の後にポーランドが独立を回復した翌年、1919年3月22日に始まりました。駐日ポーランド大使館は、日本が早い時期にポーランドの独立を承認した国だったこと、シベリアにいたポーランドの孤児約800人を日本赤十字社が救ったこと、杉原千畝領事がポーランドのユダヤ人約6千人にビザを発給したことを、両国の関係の歴史として紹介しています。同じ資料によると、ポーランドには約300社の日本企業が進出しています(駐日ポーランド共和国大使館「両国関係」)。
ポーランドのサッカーは、どう広がってきたか
協会の誕生と、代表の黄金期
ポーランドサッカー協会(PZPN)は1919年12月20日にワルシャワで設立され、1923年にFIFAに加盟しました。代表チームは1972年のミュンヘン五輪で金メダルを取り、W杯では1974年と1982年に3位になっています。2012年には、ウクライナとの共同開催でEUROを開き、ワルシャワ、ポズナン、ヴロツワフ、グダンスクの4都市が会場になりました(UEFA「Polish Football Association」)。
1927年に始まったリーグ
全国リーグが始まったのは1927年です。2026-27シーズンの1部に参加しているクラブのうち、この最初のシーズンにも参加していたのは、ヴィスワ・クラクフ(Wisła Kraków)とレギア・ワルシャワ(Legia Warszawa)の2クラブだけです。100周年にあたる第27節(2027年4月3〜4日)には、この2クラブの対戦が組まれています(Ekstraklasa公式 2026年6月30日)。
クラクフの2クラブ
古都クラクフには、どちらも1906年に生まれたクラコヴィア(Cracovia)とヴィスワ・クラクフがあります。両クラブの対戦は「聖なる戦争(Święta Wojna)」と呼ばれ、記録が残る最初の試合は1908年9月20日、今は両クラブのスタジアムがある街の西の公園「ブウォニェ(Błonia)」で行われました(Kraków Post 2007年7月)。2026-27シーズンは両クラブとも1部にいて、リーグ戦での対戦は2026年11月7日と2027年5月1日に予定されています(Ekstraklasa公式「Cracovia」)。
記録を更新し続けるスタジアム
2025-26シーズンの1部は、1試合平均13,577人の観客を集めました。最終節(第34節)は全試合が完売と発表され、1節で178,030人という1節あたりの最多記録になりました。クラブ別の平均観客数は、レフ・ポズナン(Lech Poznań)が31,065人で1位です。1部で平均3万人を超えたのはレフが初めてでした。2位はグルニク・ザブジェ(Górnik Zabrze)の23,888人、3位はレギア・ワルシャワの23,490人です(Ekstraklasa公式 2026年6月30日)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | エクストラクラサ(PKO BP Ekstraklasa) | 18 | (最上位) | 16〜18位が2部へ | Ekstraklasa S.A.(PZPNの規程にもとづく) |
| 2部 | 1. Liga(Betclic 1. Liga) | 18 | 1・2位は自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者も昇格 | 16〜18位が3部へ | PZPN(全国) |
| 3部 | 2. Liga(Betclic 2. Liga) | 18 | 1・2位は自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者も昇格 | 15〜18位が4部へ。13・14位は4部の2位チームとの入れ替え戦へ | PZPN(全国) |
| 4部 | 3. Liga(Betclic 3. Liga) | 72(18チーム×4グループ) | 各グループ1位は自動昇格。各グループ2位は入れ替え戦へ | 各グループ15〜18位が、地域の4. ligaへ | PZPN(全国。グループは県単位で分ける) |
| 5部 | 4. liga | 県ごとに異なる | 県ごとの規程による | 県ごとの規程による | 県のサッカー協会(16) |
| 6部以下 | klasa okręgowa、A klasa、B klasa など | 県ごとに異なる | 県ごとの規程による | 県ごとの規程による | 県のサッカー協会 |
出典:PZPN「1. Liga・2. Liga・3. Liga 競技規程 2026-27」(2026年5月14日 決議 VI/78) 第1条・第3条・第11条、エクストラクラサ競技規程(2023-24シーズン以降) 第1条・第4条・第7条、クヤヴィ・ポモージェ県サッカー協会 2026-27 競技規程 付属書7
※昇格・降格の数は、ライセンスを取れないクラブがある場合などに変わることがあります(1. Liga・2. Liga・3. Liga 競技規程 第2条)。
1部と2部の入れ替え:上がるのは3チーム
1部の16〜18位の3クラブが2部に降格し、2部から3クラブが上がります(エクストラクラサ競技規程 第7条)。
2部から1部へ自動で上がるのは、1位と2位の2チームです。3〜6位はプレーオフを戦います。3位と6位、4位と5位がそれぞれ1試合だけ対戦し、勝ったチームどうしが決勝を戦います。決勝の勝者が3つ目の昇格クラブです(1. Liga・2. Liga・3. Liga 競技規程 第11条 I)。
1部の下位クラブとの入れ替え戦はありません。2部の3位から6位までの4チームに、同じ条件で昇格の可能性が残る形です。
3部と4部の間:2段階の入れ替え戦
2部(1. Liga)と3部(2. Liga)の間も、1部と2部の間と同じく、自動昇格2チームと、3〜6位のプレーオフ勝者1チームが上がります(同 第11条 II)。
3部と4部の間はもう少し複雑です。4部(3. Liga)の4つのグループの1位は、そのまま3部に上がります。各グループの2位の4チームは、まず2組に分かれて対戦します。勝った2チームが、3部の13位と14位のチームとホーム&アウェーの2試合を戦い、勝てば3部に昇格、負ければ4部に残ります。3部の13位と14位にとっては、残留をかけた戦いです(同 第11条 III・IV)。
この入れ替え戦の形は、2024-25シーズンから取り入れられました。それまでは、4部から3部へ上がれるのは各グループの1位だけでした(Soccerway(ポーランド版))。
4部は「4つの県のまとまり」でグループ分け
4部の3. Ligaは全国リーグですが、18チームずつの4グループに分かれ、どのグループに入るかはクラブの本拠地の県で決まります(同 第1条)。
| グループ | 県 |
|---|---|
| 1 | ウッチ、マゾフシェ、ポドラシェ、ヴァルミア・マズールィ |
| 2 | クヤヴィ・ポモージェ、ポモージェ、西ポモージェ、ヴィエルコポルスカ |
| 3 | ルブシュ、ドルヌィ・シロンスク、オポーレ、シロンスク |
| 4 | シフィエントクシシュ、マウォポルスカ、ルブリン、ポトカルパチェ |
首都ワルシャワのあるマゾフシェ県は1グループ、北部の港町グダンスクのあるポモージェ県は2グループ、南部の工業地帯のシロンスク県は3グループ、クラクフのあるマウォポルスカ県は4グループです。
5部から下は県のリーグ
4部の各グループの15〜18位は、その地域の5部「4. liga」に降格します(同 第11条 III)。5部から下は、16の県のサッカー協会が運営するリーグです。
階層の数やグループの数は県ごとに違います。たとえば北部のクヤヴィ・ポモージェ県協会の2026-27シーズンの規程では、5部の4. ligaが18チーム、その下のklasa okręgowaが2グループ(各16チーム)、A klasaが4グループ(各14チーム)、さらにB klasaがあります。4. ligaの1位はそのまま3. Ligaに上がり、2位は昇格をかけたプレーオフに進みます(クヤヴィ・ポモージェ県サッカー協会 付属書7)。ほかの県の階層の数は、今回は確認していません。
若手の起用と2軍
2部から4部には、若手選手を試合に出し続ける決まりがあります。2部(1. Liga)は1人以上、3部(2. Liga)と4部(3. Liga)は2人以上の「若手選手(zawodnik młodzieżowy)」を、試合中ずっとピッチに立たせなければなりません(1. Liga・2. Liga・3. Liga 競技規程)。
1部クラブの2軍(リザーブチーム)も、下部リーグに参加できます。PZPNは2020年6月に決まりを変え、2軍は1軍より下の階層であればプレーできるようになりました。それまでは、1軍より2つ以上下の階層でなければなりませんでした。2020-21シーズンには、シロンスク・ヴロツワフとレフ・ポズナンの2軍が3部(2. Liga)でプレーしていました(PrawoSportowe.pl 2020年10月9日)。
国内カップ(Puchar Polski)
国内カップ「Puchar Polski」には、1部・2部・3部の各18クラブと、16の県のカップの優勝クラブを合わせた70チームが参加します。2026-27大会の決勝は、2027年5月2日にワルシャワの国立競技場(PGE Narodowy)で行われる予定です(PZPN「Puchar Polski 2026-27 規程」)。
2026-27シーズンの日程
1部は2026年7月24日に開幕し、最終節は2027年5月22日です。秋に18節、春に16節の全34節で、2026年12月13日から2027年1月28日までが冬の中断期間です(Ekstraklasa公式 2026年4月23日の日程の骨組み発表、同 2026年6月30日の日程発表)。2026年6月30日の発表では、シーズンを通して平日開催の節は組まれていません。
見始めるならこのクラブ
レフ・ポズナン(Lech Poznań)
西部の街ポズナンのクラブで、2025-26シーズンの王者です。通算10回目の優勝で、レフにとっては初めての連覇でした(Ekstraklasa公式 2026年6月30日)。2025-26シーズンの平均観客数31,065人は1部の1位です。
レギア・ワルシャワ(Legia Warszawa)
首都ワルシャワのクラブで、1927年の最初のリーグに参加したクラブの一つです。2026年9月には、日本人選手が加入しました(下の「日本人選手との接点」を参照)。
グルニク・ザブジェ(Górnik Zabrze)
南部シロンスク県の街ザブジェのクラブです。2025-26シーズンは2位で、平均観客数23,888人もレフに次ぐ2位でした(Ekstraklasa公式 2026年6月30日、同)。
ヴィスワ・クラクフとクラコヴィア
上で紹介したクラクフの2クラブです。2026-27シーズンは、100周年の節のヴィスワ対レギアと、2回のクラクフの対戦が見どころになります。
代表:2026年W杯
ポーランド代表は、2026年W杯には出場していません。欧州予選はグループGを2位で終え、プレーオフに回りました。2026年3月26日のプレーオフ準決勝でアルバニアに2-1で勝ちましたが、3月31日の決勝でスウェーデンに2-3で敗れました(UEFA「European Qualifiers for 2026 World Cup: All the results」)。FIFAが発表した出場48チームの一覧にも、ポーランドは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」)。
日本との比較
| 項目 | ポーランド(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年7月24日開幕・2027年5月22日最終節。12月13日〜1月28日は冬の中断 | J1は2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 18クラブ・全34節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から2部へ | 16〜18位の3クラブが降格 | 下位3クラブが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 1・2位が自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格(入れ替え戦なし) | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| 全国リーグと地域リーグ | 1〜4部が全国(4部は県単位で4グループ)。5部から県協会のリーグ | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
1部と2部の入れ替えの仕組みは、日本とよく似ています。どちらも1部の下位3クラブが降格し、2部からは上位2クラブと、3〜6位のプレーオフを勝ち抜いた1クラブが上がります。
違いが大きいのは、全国リーグの深さです。ポーランドは4部までが協会の運営する全国リーグで、5部から県のリーグになります。日本は4部のJFLまでが全国リーグで、その下が9つの地域リーグです。ポーランドの4部は全国リーグでありながら、県を4つずつまとめたグループで戦います。国土や人口、クラブ数が違うので、どちらの形が良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手との接点
2026年9月5日、京都サンガF.C.は、DF福田心之助選手がレギア・ワルシャワへ期限付き移籍すると発表しました。期間は2027年6月30日までです(Jリーグ公式 2026年9月5日)。2026年10月5日時点で、UEFAのレギアの選手一覧にも名前があります(UEFA「Legia Warszawa」選手一覧)。
レギアには以前、名古屋グランパスから期限付き移籍で加入した森下龍矢選手も在籍していました。2023年12月に加入が発表され、2024年12月にはレギアが買い取りオプションを使って完全移籍に切り替えています(ゲキサカ 2024年12月17日)。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程:Ekstraklasa公式「Terminarz」
- 1部の順位表:Ekstraklasa公式「Tabela」
- 1部の公式動画:Ekstraklasa公式YouTubeチャンネル(Ekstraklasa公式サイトからリンクされているチャンネル)
- 協会:PZPN「Łączy Nas Piłka」(ポーランドサッカー協会のサイト)
公式サイトはポーランド語が中心です。日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月5日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ポーランドのサッカーリーグは何部まで?
A. 2026-27シーズンは、協会が運営する全国リーグが4部(3. Liga)までです。5部(4. liga)から下は16の県のサッカー協会が運営するリーグで、階層の数は県ごとに違います。
Q. ポーランドのリーグはいつ行われている?
A. 2026-27シーズンの1部は、2026年7月24日に開幕し、2027年5月22日に最終節を迎えます。12月中旬から1月下旬までは冬の中断期間です。
Q. 1部と2部の間では何チームが入れ替わる?
A. 3チームです。1部の16〜18位が降格し、2部の1・2位と、3〜6位のプレーオフを勝ち抜いた1チームが昇格します。
Q. ポーランドは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。欧州予選のプレーオフ決勝で、スウェーデンに2-3で敗れました。
Q. ポーランドのクラブに日本人選手はいる?
A. 2026年9月に、福田心之助選手が京都サンガF.C.からレギア・ワルシャワに期限付き移籍しています(期間は2027年6月30日まで)。
調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)

