モンテネグロの1部リーグ(Prva fudbalska liga Crne Gore、スポンサー名「Meridianbet 1. CFL」)は、10クラブが同じ相手と4回ずつ対戦する全36節のリーグです。2026-27シーズンは2026年8月1日に開幕しました。
人口は623,633人(2023年国勢調査、モンテネグロ統計局 MONSTAT 2024年10月15日)。約62万人の国に、全国リーグが1部と2部の2つあり、その下は北・中央・南の3つの地域リーグにつながっています。
この記事では、次のことがわかります。
- モンテネグロのリーグは何部まであり、どう昇格・降格するか
- 入れ替え戦「バラージュ(baraž)」と、地域リーグの優勝クラブが2部に上がるまでの道のり
- 外国人選手の枠と、若い選手の出場義務
- どのクラブから見始めればいいか、公式の日程・結果はどこで見られるか
- 日本のリーグと何が違うか
※対象は男子のシニアのリーグです。女子のリーグは後半で短く紹介します。リーグ制度は2026-27シーズンの協会・地域団体の規程(propozicije)にもとづきます(2026年10月5日確認)。
モンテネグロという国
モンテネグロは、バルカン半島の西側でアドリア海に面した国です。憲法は、首都をポドゴリツァ、旧王都をツェティニェと定めています。公用語はモンテネグロ語で、キリル文字とラテン文字は同等に扱われます。セルビア語、ボスニア語、アルバニア語、クロアチア語も公的に使われる言語とされています(モンテネグロ憲法 第5条・第13条)。
人口の集まり方には偏りがあります。首都ポドゴリツァの人口は179,505人で、国全体の約28.78%です。ポドゴリツァ、ニクシッチ、バールの3つの自治体に、人口の約46.67%が住んでいます(MONSTAT 2024年10月15日)。この偏りは、後で見るリーグのクラブの分布にも表れています。
日本は2006年6月16日にモンテネグロを国家として承認し、同年7月24日に外交関係を結びました(モンテネグロ政府「Japan」)。
モンテネグロのサッカーは、どう歩んできたか
協会のルーツは旧王都ツェティニェ
モンテネグロサッカー協会(FSCG)のルーツは、1931年に旧王都ツェティニェで生まれたサッカー協会です。第二次世界大戦後の1945年に「モンテネグロサッカー委員会」となり、1948年12月6日にモンテネグロサッカー協会になりました(UEFA「Football Association of Montenegro」)。
2006年の独立と、2007年のUEFA・FIFA加盟
モンテネグロはユーゴスラビア、そしてセルビア・モンテネグロの一部でした。2006年に独立したあと、協会は2007年1月26日にUEFA、同年5月29日にFIFAに加盟しています(UEFA「Football Association of Montenegro」)。欧州の協会としては、とても新しい加盟です。協会の会長は、2004年からデヤン・サヴィチェヴィッチが務めています(同上)。2026-27シーズンの規程にも、会長として彼の名前が署名されています(FSCG 1部規程 2026/2027 末尾)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 方式 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | プルヴァ・リーガ(Prva liga/Meridianbet 1. CFL) | 10 | 4回総当たり・全36節 | (最上位) | 10位は自動降格。8位・9位は2部の3位・2位と入れ替え戦 | FSCG |
| 2部 | ドゥルガ・リーガ(Druga liga/Meridianbet 2. CFL) | 10 | 4回総当たり・全36節 | 1位は自動昇格。2位・3位は1部の9位・8位と入れ替え戦 | 10位は自動降格。8位・9位は地域リーグ優勝クラブと入れ替え戦 | FSCG |
| 3部 | 地域リーグ 北(Sjever) | 9 | 3回総当たり・全27節(毎節1チームが試合なし) | 優勝クラブが2部への昇格プレーオフへ | 規程に降格の定めなし | FSCGのクラブ連合「北」(本部ベラネ) |
| 3部 | 地域リーグ 中央(Centar) | 13 | 2回総当たり・全26節 | 優勝クラブが2部への昇格プレーオフへ | 規程に降格の定めなし | FSCGのクラブ連合「中央」(ポドゴリツァ) |
| 3部 | 地域リーグ 南(Jug) | 2026-27の規程は未確認 | 未確認 | 優勝クラブが2部への昇格プレーオフへ(2部の規程による) | 未確認 | FSCGのクラブ連合「南」 |
出典:FSCG 1部規程 2026/2027 第1・5・42条、FSCG 2部規程 2026/2027 第1・5・41条、地域リーグ北 規程 2026/2027 第1・5・42条、地域リーグ中央 規程 2026/2027 第1・5・41条
※地域リーグ南(Jug)は、2026年10月5日時点で運営団体のサイトに2026-27シーズンの規程が掲載されておらず(掲載は2019-20シーズンのもの)、チーム数と方式を確認できませんでした。
※シーズン中にクラブが抜けても、1部・2部・地域リーグ中央は空いた枠を補充しません(1部規程 第43条、2部規程 第42条、中央規程 第42条)。
1部:10クラブが4回ずつ戦う
1部は10クラブです。同じ相手とホームとアウェーで2回ずつ、合わせて4回対戦し、全36節で順位を決めます(1部規程 第5条)。1位のクラブは、UEFAチャンピオンズリーグの予選に出る権利を得ます(第41条)。
2026-27シーズンの10クラブと本拠地は次のとおりです(1部規程 第1条)。
| クラブ | 本拠地 |
|---|---|
| デチッチ(FK Dečić) | トゥジ |
| モルナル(FK Mornar) | バール |
| ブドゥチノスト(FK Budućnost) | ポドゴリツァ |
| スチェスカ(FK Sutjeska) | ニクシッチ |
| イェゼロ(FK Jezero) | プラヴ |
| ペトロヴァツ(OFK Petrovac) | ペトロヴァツ |
| アルセナル(FK Arsenal) | ティヴァト |
| オトラント・オリンピック(FK Otrant-Olympic) | ウルツィニ |
| ボケリ(FK Bokelj) | コトル |
| ムラドスト(OFK Mladost) | ポドゴリツァ |
1部には、ほかのリーグにはない参加条件もあります。クラブはユース(Omladinska liga)とカデット(Kadetska liga)のチームを持ち、プロ契約の選手を少なくとも5人登録してシーズンを始めなければなりません(1部規程 第3条)。
入れ替え戦「バラージュ」:1部の8位・9位にもチャンスが残る
1部から自動で降格するのは最下位の10位だけです。代わりに、2部の1位が自動で昇格します(1部規程 第42条)。
8位と9位は、2部の上位クラブとの入れ替え戦「バラージュ(baraž)」に回ります。組み合わせは次のとおりで、ホーム&アウェーの2試合で勝ち上がったクラブが翌シーズンの1部に入ります(1部規程 第42条)。
- 1部8位 対 2部3位
- 1部9位 対 2部2位
ホームとアウェーの順番は抽選で決まります。
2部と地域リーグの間:2段階の昇格プレーオフ
2部から自動で降格するのは10位だけです。2部の8位と9位は、地域リーグから上がってくるクラブと入れ替え戦をします(2部規程 第41条)。
地域リーグの優勝クラブが2部に上がるまでの流れは、2段階です(2部規程 第41条、北の規程 第42条)。
- 第1ラウンド:各地域リーグの優勝クラブどうしが1回ずつ対戦する総当たり。1位のクラブは2部へ自動で昇格
- 第2ラウンド:第1ラウンドの2位・3位が、2部の9位・8位とホーム&アウェーで対戦(2部8位 対 第1ラウンド3位、2部9位 対 第1ラウンド2位)。勝ったクラブが翌シーズンの2部に入る
北の地域リーグの規程には、優勝クラブがこのプレーオフに出るための条件も書かれています。たとえば4クラブ未満になったリーグは、2部への昇格を目指す優勝クラブを出せません(北の規程 第42条)。
3部は北・中央・南の地域リーグ
3部は、FSCGの中にある地域ごとのクラブ連合(Udruženje klubova FSCG)が運営するリーグです。北はベラネ、中央はポドゴリツァに事務所があります。
規模と方式は地域によって違います。北は9クラブが3回ずつ対戦する全27節で、3回目の対戦の組み合わせは、2回目までの順位をもとに決めます(北の規程 第5条)。中央は13クラブが2回ずつ対戦する全26節です(中央の規程 第5条)。
中央の13クラブのうち8クラブは、首都ポドゴリツァのクラブです(中央の規程 第1条)。人口の約3割が集まる首都の大きさが、ここにも表れています。北の9クラブは、グシニェ、ベラネ、プリェヴリャ、ペトニツァ、アンドリイェヴィツァ、ロジャイェ、モイコヴァツ、ビイェロ・ポリェの町のクラブです(北の規程 第1条)。
北と中央の規程には、地域リーグから降格する定めはありません。2026年10月5日時点で、地域リーグの下にあるシニアのリーグは確認できませんでした。
外国人選手の枠と、若い選手の出場義務
外国籍の選手の枠は、階層が下がるほど小さくなります。どの規程でも、モンテネグロとの二重国籍の選手は外国籍の選手に数えません。
| 階層 | 外国籍の選手 | 若い選手の出場義務 |
|---|---|---|
| 1部 | 試合の登録は4人まで、同時にピッチに立てるのは3人まで(第18条) | 2004年以降に生まれたモンテネグロ国籍の選手を、試合中つねに2人ピッチに置く(第19条) |
| 2部 | 登録・出場とも3人まで(第18条) | 1部と同じく、2004年以降生まれを常時2人(第19条) |
| 地域リーグ 中央 | 1人まで(第18条) | 2004年以降生まれを常時2人(第19条) |
| 地域リーグ 北 | 1人まで(第17条) | 2004年以降生まれを3人以上で試合を始め、2人以上で終える(第17条) |
出場は原則17歳から、健康診断で問題がないと認められれば16歳から認められています(1部規程 第16条ほか)。
女子リーグ(2026-27シーズン)
女子の全国リーグ「Ženska fudbalska liga Crne Gore(ŽFL)」は、2026-27シーズンは5クラブです。ニクシッチのエコノミスト、ポドゴリツァのブドゥチノスト、ゴリツァ、ムラドスト2015、ベラネのアカデミヤ・ベラネが参加し、4回総当たりの全16節を戦います。優勝クラブはUEFAの大会の予選に出る権利を得ます(FSCG 女子リーグ規程 2026/2027 第1・5・40条)。
参加クラブには、少女向けのリーグ「Inspirišemo djevojčice(女の子に刺激を)」とU16のチームを登録することが求められます(第3条)。試合への移動費は、協会のFSCGが1キロあたり0.80ユーロで負担します(第42条)。クラブ数が少ない女子リーグを、協会が支える形です。
2026-27シーズンの日程
1部は2026年8月1日に開幕しました。開幕節はペトロヴァツ対ボケリで、8月3日にはスチェスカ対ブドゥチノストが行われています(FSCG 1部 公式ページ)。同じページには、2026年12月9日の第19節までの日程が載っています。
全36節のうち、最後の3節は全試合を同じ日の同じ時刻に行うことになっています。ただし優勝、降格、入れ替え戦、UEFAの大会の出場に関わらない試合は、別の日時にできます(1部規程 第6条)。最終節の日付は、2026年10月5日時点で確認できていません。
見始めるならこのクラブ
スチェスカ(FK Sutjeska/ニクシッチ)とモルナル(FK Mornar/バール)
2025-26シーズンの1部は、ニクシッチのスチェスカが優勝し、バールのモルナルが2位でした。モルナルは同じシーズンの国内カップも制しています(RSSSF「Montenegro 2025/26」)。ニクシッチとバールは、ポドゴリツァに次いで人口の多い自治体です(MONSTAT 2024年10月15日)。
ブドゥチノスト(FK Budućnost/ポドゴリツァ)とムラドスト(OFK Mladost/ポドゴリツァ)
首都ポドゴリツァからは、2026-27シーズンの1部に2クラブが参加しています(1部規程 第1条)。
ロヴチェン(FK Lovćen/ツェティニェ)
協会のルーツである旧王都ツェティニェのクラブで、2026-27シーズンは2部でプレーしています(2部規程 第1条)。
1部と2部を行き来するクラブ
2025-26シーズンの1部で8位のイェゼロ(プラヴ)と9位のボケリ(コトル)は入れ替え戦に回り、どちらも2部のクラブに勝って1部に残りました。最下位のイェディンストヴォ(ビイェロ・ポリェ)は2部に降格しています(RSSSF「Montenegro 2025/26」)。2026-27シーズンの規程でも、イェディンストヴォは2部のクラブに入っています(2部規程 第1条)。
代表:2026年W杯
モンテネグロ代表は、2026年W杯に出場していません。FIFAの出場48チームの一覧に、モンテネグロは入っていません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
欧州予選はグループLで、クロアチア、チェコ、フェロー諸島、ジブラルタルと同じ組でした。最終節の2025年11月17日にはホームでクロアチアに2-3で敗れています(UEFA「European Qualifiers for 2026 World Cup: All the results」2026年3月31日更新)。
日本との比較
| 項目 | モンテネグロ(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 1部は2026年8月1日開幕。12月9日の第19節まで日程が公表済み | J1は2026年8月7日〜2027年6月6日 ※1 |
| 1部の規模 | 10クラブ・4回総当たり・全36節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から2部へ | 10位が自動降格。8位・9位は入れ替え戦 | 下位3クラブが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 1位が自動昇格。2位・3位は1部の9位・8位との入れ替え戦に勝てば昇格 | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| 全国リーグと地域リーグ | 1部・2部が全国。3部は北・中央・南の地域リーグ | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
一番の違いは、全国リーグのクラブ数と対戦の回数です。日本のJ1は20クラブが2回ずつ対戦しますが、モンテネグロの1部は10クラブが4回ずつ対戦します。同じ相手と1シーズンに4回戦うので、同じ街や近い街のクラブどうしの対戦も、シーズンに4回あります。
もう一つの違いは、入れ替え戦の多さです。1部と2部、2部と地域リーグのどちらの境目にも、上の階層の下位クラブと下の階層の上位クラブが直接戦う入れ替え戦があります。人口も国の広さもクラブ数も大きく違うので、どちらの形が良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手との接点
2018年のAFPBBの記事は、首都ポドゴリツァで2017年に生まれたクラブ「FKアドリア」を紹介しています。日本人がゼネラルマネージャーを務め、日本の選手がモンテネグロで経験を積む受け皿を目指したクラブでした(AFPBB News 2018年1月1日)。
この留学をきっかけにモンテネグロに渡った下川雅人選手は、2部のイバルを経て、2021年に1部(当時)のOFKティトグラードに移籍しました(フットボールチャンネル 2021年2月15日)。2026-27シーズンにモンテネグロのクラブに所属する日本人選手は、2026年10月5日時点で確認できていません。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程・結果・順位表:FSCG公式「Meridianbet 1. CFL」(シーズンを選んで過去の結果も見られます)
- 2部・女子リーグ・カップ戦:FSCG公式サイトの「Takmičenja(大会)」から
- 地域リーグ:北(Sjever)、中央(Centar)、南(Jug)の各クラブ連合のサイト
- 各リーグの規程:FSCG公式「Propozicije」
公式サイトはモンテネグロ語です。協会の公式動画チャンネルと、日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月5日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. モンテネグロのサッカーリーグは何部まで?
A. 2026-27シーズンは、全国リーグが1部と2部の2つです。3部は北・中央・南の地域リーグで、その下のシニアのリーグは確認できませんでした。
Q. モンテネグロ1部は何チーム?
A. 10チームです。同じ相手と4回ずつ対戦する全36節で、2026-27シーズンは2026年8月1日に開幕しました。
Q. 1部と2部の昇格・降格はどうなっている?
A. 1部の10位が自動降格し、2部の1位が自動昇格します。1部の8位・9位は、2部の3位・2位とホーム&アウェーの入れ替え戦をします。
Q. 外国人選手は何人まで出られる?
A. 2026-27シーズンの1部は、試合の登録が4人まで、同時に出場できるのは3人までです。2部は3人まで、地域リーグは1人までです。モンテネグロとの二重国籍の選手は数えません。
Q. モンテネグロは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。欧州予選はクロアチアやチェコと同じグループLでした。
調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)


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