クロアチアの1部リーグ「SuperSport HNL(フルヴァツカ・ノゴメトナ・リーガ)」は、10クラブだけで行われます。同じ相手とホームとアウェーで2回ずつ、それを2巡して計4回対戦し、1シーズンは全36節です(クロアチアサッカー協会(HNS)「SuperSport HNL 2026/27 大会規程」第3条、HNS公報 Glasnik 2026年6月3日号)。
人口は3,871,833人(2021年国勢調査、クロアチア統計局 2022年9月22日)。この国の代表チームが、W杯では1998年に3位、2018年に準優勝、2022年に3位に入っています(UEFA 2026年7月3日)。
この記事では、次のことがわかります。
- クロアチアのリーグは何部まであり、昇格・降格はどうつながっているか
- 2026-27シーズンから2部に入ったディナモの2軍と、若手の出場を後押しする決まり
- ハイドゥクとディナモ、2つの名門クラブの成り立ち
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度と日程は2026-27シーズンのHNSの規程にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子のリーグは扱いません(2026年10月6日確認)。
クロアチアと日本
クロアチアはアドリア海に面した国で、首都はザグレブ、公用語はクロアチア語です。2013年7月1日にEUに加盟し、2023年1月1日からユーロを使っています(欧州連合「Croatia」)。
1991年にユーゴスラビアから独立したあと、日本は1992年3月17日にクロアチアを国家として承認し、1993年3月5日に外交関係を結びました。東京のクロアチア大使館は1993年、ザグレブの日本大使館は1998年に開設されています(クロアチア外務・欧州省「クロアチアと日本の二国間関係」)。
サッカーでは、日本とクロアチアはW杯で何度か対戦しています。1998年フランス大会のグループステージでは日本が0対1で敗れました(JFA「ワールドカップヒストリー 1998」)。2022年カタール大会のラウンド16では、前田大然選手のゴールで先制したものの1対1で延長を終え、PK戦1対3で敗れています(JFA 2022年12月5日)。
クロアチアのサッカーは、どう歩んできたか
1912年の協会、1992年のFIFA復帰
クロアチアサッカー協会(HNS)は、1912年6月13日にザグレブで生まれました。その後、1919年からはユーゴスラビアのサッカー協会に組み込まれます。クロアチアが1991年10月に独立を回復すると、HNSは1992年7月にFIFAの加盟協会に戻り、1993年6月にUEFAに加盟しました(UEFA「Croatian Football Federation」)。
代表チームが独立後に初めて出場したW杯が1998年フランス大会で、ここで3位に入りました。それ以降、W杯に出場できなかったのは2010年大会だけです(UEFA 2026年7月3日)。
ハイドゥク・スプリト:プラハの学生がつくったクラブ
ダルマチア地方の港町スプリトのハイドゥク(HNK Hajduk Split)は、1911年2月13日に正式に創設されました。クラブの公式サイトによると、きっかけはプラハで学んでいたスプリト出身の4人の学生で、「ハイドゥク」という名前は、彼らを手伝った教師ヨシップ・バラチがつけたものです(ハイドゥク公式「Povijest」)。
サポーター組織「トルツィダ(Torcida)」は1950年10月28日に生まれました。1950年のブラジルW杯から戻った代表選手が、ブラジルのサポーター「トルシーダ」の応援の様子を伝えたことが名前の由来です。ハイドゥクは公式サイトで、トルツィダを「ヨーロッパで最も古いサポーターグループ」と紹介しています(ハイドゥク公式 2020年10月28日)。
ハイドゥクの公式サイトには、クラブの会員数が表示されています(2026年10月6日の表示は112,721人)。
ディナモ・ザグレブ:「グラジャンスキ」から続く名前
首都ザグレブのディナモ(GNK Dinamo Zagreb)は、1911年4月26日に創設された「グラジャンスキ(Građanski、市民の意味)」を前身としています。第二次世界大戦後の1945年6月9日に「ディナモ」に名前を変えました。2013年には、クラブ名の頭に「グラジャンスキ」を表す「G」を加えて「GNK」としています(tportal 2024年4月26日)。
2026-27シーズンからは、ディナモの2軍「ディナモII」が2部リーグに参加しています(下で説明します)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | SuperSport HNL | 10 | (最上位) | 10位が自動降格(入れ替え戦なし) | HNS(全国) |
| 2部 | SuperSport Prva NL(1. NL) | 16(うち1つはディナモII) | 1位が昇格(1部のライセンスが条件)。ディナモIIは1部に上がれない | 16位が自動降格。15位は3部2位との入れ替え戦。ディナモIIは降格しない | HNS(全国) |
| 3部 | SuperSport Druga NL(2. NL) | 16 | 1位が自動昇格。2位は2部15位との入れ替え戦 | 15・16位が自動降格。14位は4部の優勝チームとの入れ替え戦 | HNS(全国) |
| 4部 | Treća NL(3. NL) | 5グループ(西・中央・東・北・南。1グループ最大18チーム) | 各グループの優勝チームが、3部14位を加えた6チームで入れ替え戦を行い、勝った3チームが3部へ | グループごとの規程による | HNS(5つの地域センターを通じて) |
| 5部以下 | 郡をまたぐリーグ・郡リーグ | 地域ごとに異なる(1リーグ最大18チーム) | 地域ごとの規程による | 地域ごとの規程による | 各郡のサッカー協会 |
出典:HNS「SuperSport HNL 2026/27 大会規程」第1・3・33条、「SuperSport Prva NL 2026/27 大会規程」第1・3・15・31条(Glasnik 2026年6月3日号)、HNS「SuperSport Druga NL 2026/27 大会規程」第1・3・30・31条(Glasnik 2026年7月15日号)、HNS「常設競技会の体系に関する決定」(2022年6月29日)、同 改正決定(2025年6月25日、Glasnik 2025年7月2日号)
※昇格・降格の数は、ライセンスを取れないクラブや辞退によって変わることがあります(各大会規程の「リーグの更新」の条文)。
1部:10クラブで4回ずつ、降格は1チーム
1部は10クラブが4回ずつ対戦する全36節です。2026-27シーズンの参加クラブは、ディナモ、ゴリツァ、ハイドゥク、リエカ、イストラ1961、ロコモティヴァ、オシエク、ルデシュ、スラヴェン・ベルポ、ヴァラジュディンです(HNL 2026/27 大会規程 第1条)。
シーズンの最後に10位のクラブが2部に自動で降格し、2部の優勝クラブが1部に上がります。2部の優勝クラブが1部のライセンスを取れなかった場合は、2位、3位の順に繰り上がります(同 第33条)。
1部と2部の間の入れ替え戦は、2022年の協会の決定では2024-25シーズンから行う予定とされていました(常設競技会の体系に関する決定 2022年6月29日)。しかし2025-26・2026-27シーズンの大会規程は、10位の自動降格と2部優勝クラブの昇格だけを定めています(HNL 2025/26 大会規程 第43条(Glasnik 2025年7月2日号)、HNL 2026/27 大会規程 第33条)。2025年10月には、入れ替え戦を復活させる1部クラブの提案が通らなかったと報じられています(Novi list 2025年10月29日)。
2部:16クラブに増え、ディナモIIが参加
2部(Prva NL)は、2025-26シーズンまでの12クラブから、2026-27シーズンに16クラブに増えました。HNSの理事会が2025年6月25日に決め、1部クラブの2軍(Bチーム)も参加できるようにしました(Glasnik 2025年7月2日号の改正決定)。
2部に入れる2軍は、同時に最大4チームまでです。2軍は1部に昇格できず、3部に降格もしません。昇格・降格の順位を決めるときも、2軍は数えません(同上)。2026-27シーズンに参加した2軍は、ディナモIIだけです(Prva NL 2026/27 大会規程 第1条・第31条)。
2部の2軍には、年齢の決まりもあります。出場できるのは、原則としてシーズンが始まる年の1月1日時点で21歳未満の選手です(同 第15条)。
2026-27シーズンの2部の16クラブは、チバリア(ヴィンコヴツィ)、オリイェント(リエカ)、BSK(ビイェロ・ブルド)、クロアチア(ズミヤヴツィ)、ドゥブラヴァ(ザグレブ)、ドゥゴポリェ、フルヴァツェ、セゲスタ(シサク)、カルロヴァツ1919、オパティヤ、セスヴェテ、ヴコヴァル1991、クストシヤ(ザグレブ)、ムラドスト・ジュドラロヴィ、ヤドラン(プロチェ)、ディナモIIです(同 第1条)。
3部と4部:全国リーグから地域のグループへ
3部(Druga NL)は16クラブ・全30節の全国リーグです(Druga NL 2026/27 大会規程 第1・3条)。
4部(Treća NL)からは地域ごとのグループになります。HNSの決定は、国内5つの地域センター(リエカ、ザグレブ、オシエク、ヴァラジュディン、スプリト)ごとに、西(Zapad)、中央(Centar)、東(Istok)、北(Sjever)、南(Jug)の5グループをつくると定めています。運営もHNSが地域センターを通じて行います(常設競技会の体系に関する決定)。2026-27シーズンの各グループのチーム数は、この記事では確認できていません。
5部から下は、各郡(županija)のサッカー協会が運営するリーグです。複数の郡が合意して「郡をまたぐリーグ」をつくることもでき、4部への昇格では郡をまたぐリーグが優先されます(同上)。
若手の出場を後押しする決まり
クロアチアのリーグには、自国の若手選手の出場に関わる決まりがいくつもあります。
- 2部では、各クラブは試合の間ずっと、21歳以下(2005年7月1日以降生まれ)のクロアチア国籍の選手を2人以上ピッチに置かなければなりません(Prva NL 2026/27 大会規程 第13条)
- 1部では、2004年1月1日以降に生まれ、クロアチア代表でプレーする資格がある選手の出場時間に応じて、総額100万ユーロがクラブに配分されます(HNL 2026/27 大会規程 第15条)
- 外国籍選手は、1部で1試合5人まで、2部で3人までです。ただしEU・EEA加盟国の国籍を持つ選手と、クロアチア国籍との二重国籍の選手は外国籍に数えません(HNL 2026/27 大会規程 第16条、Prva NL 2026/27 大会規程 第14条)
日本の選手は、EU・EEAの国籍を持っていなければ、この外国籍の枠に入ります。
カップ戦(Hrvatski nogometni kup)
国内カップは、リーグとは別の勝ち抜き戦です。2026-27シーズンの本大会には48クラブが出場します。過去5年のカップ戦の成績上位16クラブに加えて、各郡のカップ戦の優勝クラブ21と、登録クラブ数が多い11の郡のカップ戦の準優勝クラブ11が、予選から加わります(HNS「Hrvatski nogometni kup 2026/27 大会規程」第1条(Glasnik 2026年7月15日号))。
2026-27シーズンの日程
1部は2026年7月31日に開幕し、2027年5月23日に終わります(HNL 2026/27 大会規程 第3条)。2部は2026年8月16日から2027年5月29日まで、全30節です(Prva NL 2026/27 大会規程 第3条)。3部は2026年8月22日から2027年5月29日まで、全30節です(Druga NL 2026/27 大会規程 第3条)。
日本とクロアチアは、どちらも夏に開幕し、翌年の春から初夏に閉幕する日程です。
W杯2026のクロアチア代表
クロアチアは欧州予選グループLを7勝1分けの無敗で1位通過し、W杯2026に出場しました。本大会ではグループLでイングランドに2対4で敗れ、パナマに1対0、ガーナに2対1で勝ってグループ2位。ラウンド32でポルトガルに1対2で敗れました(UEFA 2026年7月3日)。
見始めるならこのクラブ
ハイドゥク・スプリト(Hajduk Split)
アドリア海沿岸、ダルマチア地方のスプリトのクラブです。1911年創設、サポーター組織トルツィダは1950年生まれです。公式サイトでは会員数を常に表示しています(ハイドゥク公式サイト)。
ディナモ・ザグレブ(Dinamo Zagreb)
首都ザグレブのクラブで、1911年創設のグラジャンスキを前身としています。2026-27シーズンは、2軍のディナモIIが2部でプレーしています。
リエカ(Rijeka)とオシエク(Osijek)
リエカはアドリア海北部の港町、オシエクは東部スラヴォニア地方の中心都市のクラブです。1部の10クラブは、首都ザグレブとその周辺(ディナモ、ロコモティヴァ、ルデシュ、ゴリツァ)、沿岸部(ハイドゥク、リエカ、イストラ1961)、北部・東部(ヴァラジュディン、スラヴェン・ベルポ、オシエク)に分かれていて、地方の街のクラブも多く入っています(HNL 2026/27 大会規程 第1条)。
日本との比較
| 項目 | クロアチア(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年7月31日開幕・2027年5月23日閉幕 | 2026年8月7日開幕・冬に中断・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 10クラブ・4回戦総当たりの全36節 | 20クラブ・全38節(380試合)※1 |
| 1部から2部へ | 10位の1チームが自動降格 | 下位3チームが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 2部優勝の1チーム(入れ替え戦なし) | 自動昇格2チームと、J1昇格プレーオフの優勝チーム ※1 |
| 全国リーグと地域リーグ | 1〜3部が全国。4部から5つの地域グループ。5部から郡のリーグ | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
1部の試合数はほぼ同じですが、クロアチアは10クラブが同じ相手と4回戦う形で、日本は20クラブが2回ずつ戦う形です。国の人口やクラブの数が大きく違うので、どちらの形が良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手との接点は、2026年10月6日時点で、クロアチア1部・2部に所属する日本人選手を公式資料で確認できていません。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程・結果:SuperSport HNL 公式「Raspored i rezultati」
- 1部の順位表:SuperSport HNL 公式「Ljestvica」
- 2部の日程・結果・順位:HNS Semafor「SuperSport Prva NL」
- 大会規程などの文書:SuperSport HNL 公式「Dokumenti」
- HNSの公式YouTube:@hns.family(HNSの公報に記載されているチャンネル)
日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. クロアチアのサッカーリーグは何部まで?
A. 全国規模のリーグは3部(Druga NL)までです。4部(Treća NL)は5つの地域グループに分かれ、5部から下は各郡のサッカー協会が運営するリーグです。
Q. クロアチア1部(HNL)は何チーム?
A. 2026-27シーズンは10クラブです。同じ相手と4回ずつ対戦し、全36節で行われます。
Q. 1部から何チーム降格する?
A. 10位の1チームです。2026-27シーズンは、1部と2部の間に入れ替え戦はありません。
Q. ディナモ・ザグレブの2軍は2部で昇格できる?
A. できません。2部に参加する1部クラブの2軍は、1部に昇格することも3部に降格することもありません。
Q. 日本人選手はクロアチアでプレーできる?
A. 外国籍選手は1部で1試合5人まで、2部で3人まで出場できます。EU・EEA加盟国の国籍を持たない日本の選手は、この枠に入ります。
Q. クロアチアはW杯2026に出場した?
A. 出場しました。欧州予選を1位で通過し、本大会ではグループ2位でラウンド32に進み、ポルトガルに1対2で敗れました。
Q. クロアチアのW杯の最高成績は?
A. 2018年ロシア大会の準優勝です。3位は1998年と2022年の2回です。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)

