アルバニアの1部リーグ「アビスネット・スーペリオレ(Abissnet Superiore、正式名はカテゴリア・スーペリオレ)」は、2026-27シーズンに大会方式を変えました。10クラブが3回ずつ対戦する27節のあと、勝ち点を半分にして、上位6クラブは優勝を争う「プレーオフ」、下位4クラブは残留を争う「プレーアウト」に分かれます。
この変更は、次の2027-28シーズンに1部を10クラブから12クラブに増やすための準備も兼ねています。そのため2026-27シーズンは、2部から最大4クラブが1部に上がれる仕組みになっています(アルバニアサッカー協会 FSHF 2026年6月23日)。
人口は2,335,930人(2026年1月1日時点、アルバニア統計局 INSTAT)。日本の1部(J1)が20クラブなのに対し、アルバニアの1部は10クラブです。
この記事では、次のことがわかります。
- アルバニアのリーグは何部まであり、昇格・降格がどうつながっているか
- 勝ち点を半分にするプレーオフと、2027-28シーズンからの12クラブ化
- 外国人枠と、2007年以降に生まれた選手の起用義務
- アルバニア代表のW杯2026予選の結果と、日本との違い
※リーグ制度は2026-27シーズンの協会規程・発表にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子・育成年代のリーグは扱いません(2026年10月6日確認)。
アルバニアと日本
アルバニアはバルカン半島の西側、アドリア海に面した国です。首都はティラナです。
憲法は、公用語をアルバニア語と定めています。また「アルバニア共和国に国教はない」とし、国は信仰について中立の立場をとると定めています(アルバニア憲法 第10条・第14条)。
日本との外交関係は1922年4月、日本がアルバニアを国家として承認したことに始まります。アルバニアは2005年11月に東京に大使館を開き、日本は2017年1月にティラナに大使館を開きました。2022年は外交関係100周年でした(駐日アルバニア大使館「二国間関係」)。
サッカーでも接点があります。2026年3月27日には、トルコのアンタルヤでU-21アルバニア代表とU-21日本代表が親善試合を行いました(駐日アルバニア大使館 2026年1月23日)。同じ年の4月1日には、U-16日本代表がティラナの「ハウス・オブ・フットボール」でU-16アルバニア代表と対戦する日程が組まれていました(JFA 2026年3月25日)。
アルバニアのサッカーは、どう歩んできたか
1930年の協会設立から、初めての欧州選手権まで
アルバニアサッカー協会(FSHF)は1930年6月6日に設立され、1932年にFIFAに加盟しました。1954年には、UEFAを設立した協会の一つになっています。代表チームの最初の公式戦は1946年9月22日でした(UEFA「Albanian Football Association」)。
大きな転換点は、EURO2016(フランス大会)への出場です。アルバニアにとって初めての主要国際大会の本大会で、アルマンド・サディクが主要大会でアルバニア人選手として初めてのゴールを決めました(同上)。
EURO2024(ドイツ大会)にも出場しました。2024年6月15日のイタリア戦では、ネディム・バイラミが開始23秒で得点しました。欧州選手権の試合で最も早いゴールとして、ギネス世界記録に認定されています(ギネス世界記録)。
W杯2026は予選で敗退
W杯2026は、欧州予選グループKを2位で終えてプレーオフに進みましたが、準決勝でポーランドに1対2で敗れ、出場を逃しました。
2026年3月26日にワルシャワで行われた準決勝では、アルバニアがアルベル・ホジャのゴールで先制しました。しかしレヴァンドフスキに同点とされ、ジエリンスキに逆転ゴールを決められています(UEFA 2026年3月26日、プレーオフ進出国はUEFA 2025年11月18日、出場48チームの一覧はFIFA 2026年3月31日)。
2027年には、U-21欧州選手権の決勝大会を開く
次の大きな舞台は国内です。UEFAは2025年2月4日、2027年のU-21欧州選手権の開催国にアルバニアとセルビアを選びました。16チームが参加し、アルバニアではティラナ、シュコドラ、エルバサン、ロゴジナの4都市が会場になります。決勝はアルバニアで行われます(UEFA 2025年2月4日)。
FSHFはこの大会に向けて、「エア・アルバニア」スタジアムのピッチの改修と、パルチザニが提案した「アレーナ・エ・デマヴェ」の人工芝を天然芝に替える工事への投資を決めています(FSHF 2026年4月21日)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | アビスネット・スーペリオレ(Abissnet Superiore) | 10 | (最上位) | 10位は自動降格。9位は2部プレーオフ決勝の敗者と入れ替え戦 | FSHF |
| 2部 | カテゴリア・エ・パレ(Kategoria e Parë) | 12 | 1・2位は自動昇格。3〜6位のプレーオフ優勝も昇格。プレーオフ決勝の敗者は1部9位と入れ替え戦 | 9・10位は3部プレーオフの勝者と入れ替え戦。11・12位の扱いは下の注を参照 | FSHF |
| 3部 | カテゴリア・エ・ディテ(Kategoria e Dytë) | 23(A組12・B組11) | 各組1・2位は自動昇格。各組3〜6位のプレーオフ勝者は2部9位・10位と入れ替え戦 | 各組最下位は自動降格。A組11位とB組10位が残留決定戦 | FSHF |
| 4部 | カテゴリア・エ・トレテ(Kategoria e Tretë) | 2026-27は登録制で、参加数は未発表 | 2025-26は各組1位が昇格 | (最下層) | FSHF |
出典:FSHF「アビスネット・スーペリオレ 競技規則 2026-2027」 第20〜27条、FSHF「カテゴリア・エ・ディテ 競技規則 2026-2027」 第19〜27条、FSHF 2026年9月2日(2部)、FSHF 2026年8月6日(3部の組分け)、FSHF 2026年7月17日(4部の登録)、FSHF「カテゴリア・エ・トレテ 競技規則 2025-2026」 第18・23条
※2部の11位・12位:2025-26シーズンは下位2クラブが自動降格しました(FSHF 2026年5月3日)。2026-27シーズンの2部の競技規則は公開を確認できていないため、表では断定していません。
※4部より下に、大人の男子の地域リーグがあるかは確認できませんでした。FSHFのサイトで確認できる大人の男子の全国リーグは4部までです。
1部:27節のあと、勝ち点を半分にして2つに分かれる
2025-26シーズンまでの1部は、36節のリーグ戦のあと、上位4クラブが「ファイナル4」で優勝を決める方式でした。この方式は3シーズン続きましたが、2026-27シーズンでやめました(FSHF 2026年7月8日)。
2026-27シーズンの流れは次のとおりです(競技規則 第22・24〜27条)。
- 10クラブが3回ずつ対戦する27節を戦う
- 27節が終わったら、各クラブの勝ち点を半分にする(端数は切り捨て)
- 1〜6位は「プレーオフ」に進み、ホーム&アウェーで10節を戦う。プレーオフの1位が優勝
- 7〜10位は「プレーアウト」に進み、3回ずつ対戦する9節を戦う
- プレーアウトの最下位(10位)は2部へ自動降格。9位は、2部プレーオフ決勝で敗れたクラブと1試合の入れ替え戦をする(会場は1部クラブのホーム)
勝ち点を半分にするので、27節で大きな差がついても、後半の10節で順位が入れ替わる可能性が残ります。FSHFの競技部長によると、優勝クラブはチャンピオンズリーグ、2位と国内カップの優勝クラブはカンファレンスリーグの出場権を得ます(FSHF 2026年7月8日)。
2026-27シーズンの1部は2026年8月21日(金)、ヴラズニアのホーム「ロロ・ボリチ」スタジアムで行われたヴラズニア対スカンデルベウで開幕しました(FSHF 2026年8月19日)。閉幕は2027年5月9日の予定です(FSHF 2026年6月25日)。
2部から最大4クラブが上がる理由:2027-28シーズンに12クラブへ
2026-27シーズンの2部(12クラブ・3つの段階で計33節)では、次の形で最大4クラブが1部に上がります(FSHF 2026年9月2日、競技規則 第26条)。
- 1位と2位:自動昇格
- 3位対6位、4位対5位のプレーオフ(上位クラブのホームで1試合)の勝者どうしが決勝を戦い、勝者が昇格
- 決勝で敗れたクラブも、1部の9位との入れ替え戦に勝てば昇格
1部は2027-28シーズンから12クラブになります。22節のあと勝ち点を半分にして、上位6と下位6に分かれる形です。下位2クラブが自動降格し、10位は2部のプレーオフ勝者と入れ替え戦をします(FSHF 2026年6月23日)。2部も2027-28シーズンから同じ形の12クラブ・22節に変わります(FSHF 2026年6月23日(2部))。
3部:2つの組と、2軍チーム
3部のカテゴリア・エ・ディテは、2026-27シーズンは23クラブがA組(12)とB組(11)に分かれます。A組にはヴラズニアの2軍「ヴラズニアB」とパルチザニの2軍「パルチザニB」、B組にはビリスの2軍「ビリスB」が入っています(FSHF 2026年8月6日)。
各組の1・2位、合わせて4クラブが2部に自動で上がります。各組の3〜6位はプレーオフを戦い、その勝者が2部の9位・10位と入れ替え戦をします。両組の1位どうしは、3部の優勝を決める決勝も戦います(カテゴリア・エ・ディテ競技規則 第24〜26条)。
1軍(A)と2軍(B)は同じ階層でプレーできません。1軍が2軍のいる階層まで降格した場合は、2軍が自動で1つ下の階層に下がります。また2軍は、国内カップ(クパ・エ・シュチペリセ)には出場できません(同 第27・29条)。
4部:登録して参加するリーグ
4部のカテゴリア・エ・トレテは、2026-27シーズンは2026年10月11日に開幕します。参加を希望するクラブは、2026年9月7日までにFSHFへ文書で申し込む決まりでした(FSHF 2026年7月17日)。2025-26シーズンは21クラブがA組(11)とB組(10)に分かれ、各組の1位が3部に上がりました(カテゴリア・エ・トレテ競技規則 2025-2026 第18・23条)。2026-27シーズンの組分けと参加数は、10月6日時点では確認できていません。
規程から見える、アルバニアのリーグの特徴
コソボと北マケドニアの国籍の選手は「外国人」に数えない
1部の競技規則では、登録できる選手は1クラブ25人まで、そのうち外国人選手の登録は12人まで、試合で同時にピッチに立てる外国人選手は7人までです(競技規則 第54・55条)。
この規則でいう「外国人選手」は、アルバニア、コソボ、北マケドニアのいずれの国籍も持たない選手のことです(競技規則 第55条6項)。つまりコソボや北マケドニアの国籍の選手は、外国人枠に数えられません。
2007年以降に生まれた選手を、必ず先発させる
2026-27シーズンから、1部と国内カップでは、2007年以降に生まれたアルバニア国籍の選手を1人以上、先発で少なくとも前半の間は起用する義務があります。2部・3部・4部では、同じ条件の選手を試合の最初から最後まで起用しなければなりません(FSHF 2026年7月23日、競技規則 第56条)。
なお、1部のクラブの監督には「UEFA Pro」ライセンスが必要です(競技規則 第6条)。選手の給与の水準を示す公的な資料は、今回の調査では見つかりませんでした。
見始めるならこのクラブ
エグナティア(Egnatia)
2025-26シーズンの王者です(FSHF 2026年8月19日)。2026-27シーズンはUEFAカンファレンスリーグのリーグフェーズに出場しており、2026年10月15日のミッティラン戦から12月17日のブラガ戦まで6試合を戦います(UEFA 2026年9月25日)。
スカンデルベウ(Skënderbeu)
南東部の街コルチャのクラブです。リーグを6連覇したことがあり、2015年にはアルバニアのクラブとして初めてチャンピオンズリーグのプレーオフに進みました(UEFA「Albanian Football Association」)。同じ2015-16シーズンには、アルバニアのクラブとして初めてUEFAの主要大会(ヨーロッパリーグ)のグループステージに出場しています(UEFA 2015年11月11日)。2025-26シーズンは2部で優勝を争い(FSHF 2026年5月3日)、2026-27シーズンは1部でプレーしています(FSHF 2026年7月13日)。
ヴラズニア(Vllaznia)
北部の街シュコドラのクラブです。2025-26シーズンは36節を首位で終えました(FSHF 2026年5月10日)。女子チームは2022年、アルバニアのクラブとして初めてUEFA女子チャンピオンズリーグのグループステージに進みました(UEFA「Albanian Football Association」)。
2026-27シーズンの1部の10クラブ
2026-27シーズンの1部は、アルバニアのトップリーグとして88回目の大会です(FSHF 2026年7月13日)。参加するのは、パルチザニ、テウタ、ラチ、エルバサニ、ヴラズニア、スカンデルベウ、ディナモ・シティ、ヴォラ、エグナティア、ティラナの10クラブです(同じ発表の第1節の組み合わせから)。
日本との比較
| 項目 | アルバニア(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年8月21日開幕・2027年5月9日閉幕予定 | 2026年8月7日開幕・冬に中断・2027年6月6日閉幕(Jリーグ「大会概要 J1」)※1 |
| 1部の規模 | 10クラブ。27節+プレーオフ10節またはプレーアウト9節 | J1は20クラブ・全38節・380試合 ※2 |
| 1部から2部へ | 自動降格1。9位は入れ替え戦 | 下位3が降格 ※2 |
| 2部から1部へ | 自動昇格2。3〜6位のプレーオフ優勝も昇格。決勝の敗者は1部9位との入れ替え戦に勝てば昇格(最大4) | 自動昇格2。3〜6位のJ1昇格プレーオフ優勝が昇格(入れ替え戦なし)。ライセンス判定で数が変わることがある ※2 |
| 全国リーグと地域リーグ | 1〜4部がFSHFの全国リーグ。3部・4部は2つの組に分かれる。4部の下の地域リーグは確認できず | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※3 |
※1 Jリーグ「シーズン移行」
※2 Jリーグ「大会概要 J1」
※3 JFA「国内の競技会」
2026-27シーズンは、どちらの国も夏の終わりに開幕し、翌年の春から初夏に閉幕する日程です。違いが大きいのは、1部の規模と優勝の決め方です。日本のJ1は20クラブの総当たり38節だけで順位を決めます。アルバニアは10クラブで、途中で勝ち点を半分にして上位と下位に分けます。人口、クラブ数、移動距離が大きく違うので、どちらの方式が良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手がアルバニアの1部でプレーした例は、今回の調査では確認できませんでした。
試合の日程・結果を見るには
- 日程・結果・順位表:FSHF「Garat」(大会データ)、順位表
- 試合速報:FSHF「Rezultate Live」
- 大会ページ:アビスネット・スーペリオレ、カテゴリア・エ・パレ
- 公式YouTube:FSHF(FSHF公式サイトからリンクされているチャンネル)
日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. アルバニアのサッカーリーグは何部まで?
A. FSHFが運営する大人の男子の全国リーグは4部(カテゴリア・エ・トレテ)までです。2026-27シーズンは1部10クラブ、2部12クラブ、3部23クラブ(2組)で、4部は登録制です。
Q. アルバニアのリーグはいつ行われている?
A. 2026-27シーズンの1部は、2026年8月21日に開幕し、2027年5月9日に閉幕する予定です。
Q. 2026-27シーズンの1部はどうやって優勝が決まる?
A. 27節のあと勝ち点を半分にし、上位6クラブがホーム&アウェーで10節のプレーオフを戦います。プレーオフの1位が優勝です。
Q. 外国人選手は何人まで出場できる?
A. 1部では、登録は12人まで、同時に出場できるのは7人までです。アルバニア、コソボ、北マケドニアの国籍を持つ選手は外国人に数えません。
Q. アルバニアはW杯2026に出場した?
A. 出場はなりませんでした。欧州プレーオフ準決勝でポーランドに敗れました。EURO2024には出場しています。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)

