ホンジュラスの1部リーグ「リーガ・ナシオナル(Liga Nacional de Fútbol Profesional de Honduras)」は、2026-27シーズンから12クラブで行われています。前のシーズンは11クラブでした(2025-26大会規程 第1条・第2条、2026-27大会規程 第1条・第2条)。スポンサー名から「リーガ・オンドゥベット(Liga Hondubet)」とも呼ばれます。
1年に優勝が2回あるのが、この国のリーグの特徴です。7月に始まる前期「アペルトゥーラ(Apertura)」と、1月に始まる後期「クラウスーラ(Clausura)」は、それぞれ独立した大会です。どちらも上位6クラブによるトーナメントで優勝を決めます。降格も独特です。前期の最下位と後期の最下位が、シーズンの最後に「降格決戦」を戦います。
この記事では、次のことがわかります。
- ホンジュラスのリーグは何部まであり、どうつながっているか
- 1年に2回の優勝と、降格決戦の仕組み
- 首都テグシガルパと北部のクラブ、どこから見始めればいいか
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度は2026-27シーズンの大会規程・リーグ規約にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグです。女子リーグは最後に短く触れます(2026年10月6日確認)。
ホンジュラスという国と、日本とのつながり
ホンジュラスは中米の国です。憲法は、国土を大西洋(カリブ海側)と太平洋の間、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアと接する地域と定めています。公用語はスペイン語で、首都はテグシガルパとコマヤグエラの2つの街を合わせたものです(ホンジュラス共和国憲法 第6条・第8条・第9条)。
日本とは1935年に外交関係を結び、2025年に90周年を迎えました。橋や発電所などのインフラ、保健、地域の防犯活動を進める国家警察への技術協力など、JICAの協力が続いています。JICA海外協力隊は、2024年12月までに累計1,471人がホンジュラスで活動しました(JICA 2025年3月24日)。
ホンジュラスの人は自分たちを「カトラチョ(catracho)」と呼びます。ホンジュラス・サッカー連盟(FFH)は、使命として「カトラチョであることの誇りと情熱を強めるものとして、サッカーを育てる」ことを掲げています(FFH「Misión y Visión」)。
ホンジュラスのサッカーは、どう形づくられてきたか
1964年に生まれた全国リーグ
国のサッカーを統括するのはホンジュラス・サッカー連盟(Federación de Fútbol de Honduras、FFH)です。長く「FENAFUTH」の略称で知られ、規約や文書では今もこの名前が使われています。FIFAの協会ページは、公式サイトをffh.hnとしています(FIFA「Honduran Football Association」)。Concacafは、ホンジュラスを「Concacafの創設メンバーの一つで、中米の伝統的な強豪」と紹介しています(Concacaf「Honduras」)。
1部リーグは、1964年5月10日の全国スポーツ会議の決定で生まれました。当時の名前は「非アマチュア全国リーグ(Liga Nacional de Fútbol No Aficionado)」です。今もリーグはFFHの下にあり、本部は北部の都市サン・ペドロ・スーラに置かれています(1部リーグ規約 第1条・第102条)。
規約には、リーグの歴史の3分の2以上を1部で過ごしたクラブを「安定加盟クラブ(afiliado estable)」とする決まりがあります。リーグの資産の持ち分も、これらのクラブに割り当てられています。名前が挙がっているのは、オリンピア、マラトン、モタグア、レアル・エスパーニャ、プラテンセ、ビダ、ビクトリアの7クラブです(同規約 第76条・第77条)。このうちビダとビクトリアは、2026-27シーズンの1部にはいません。安定加盟クラブが2部に降格した場合は、持ち分が減らされる決まりもあります(同規約 第77条)。
中米の強豪国としての歩み
男子代表はW杯に3回出場しています。初出場は1982年スペイン大会で、2010年南アフリカ大会と2014年ブラジル大会にも出ました(Concacaf「Honduras」)。
2026年W杯には出場していません。北中米カリブ海予選の最終ラウンドでは、ハイチと同じグループで、ハイチが首位で出場を決めました。最終節でハイチがニカラグアに2-0で勝ち、ホンジュラスはコスタリカと0-0で引き分けています(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 方式 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | リーガ・ナシオナル(Liga Nacional de Fútbol Profesional、愛称 Liga Hondubet) | 12(地理別の6チーム×2組) | 前期・後期の2大会。各大会16節の後、上位6クラブで優勝決定トーナメント | (最上位) | 前期最下位と後期最下位が降格決戦(2試合)。同じクラブが両方で最下位なら自動降格。降格は1クラブ | 1部リーグ(FFH傘下) |
| 2部 | リーガ・デ・アセンソ(Liga Nacional de Fútbol de Ascenso) | 規約上24〜32。2026-27はA・B・Cの3組 | 前期・後期・「アセンソのグランフィナル」 | 優勝クラブが1部へ(1部の加盟条件を満たすことが前提) | 2026-27の降格数は未確認 | アセンソ・リーグ(FFH傘下) |
| 3部 | リーガ・マヨール(Liga Mayor) | 未確認 | 未確認 | 2部へ昇格する仕組みあり(2部規約) | 未確認 | 地域の連盟(下段参照) |
| 4部以下 | 中間リーグ(Primera B)、アマチュアの2部・3部 | 地域ごとに異なる | 地域ごとに異なる | 地域ごとの規程による | 地域ごとの規程による | 4つの地域連盟(北部・中部・南部・西部) |
出典:1部は2026-27大会規程 第2〜13条・第19条と1部リーグ規約 第9条。2部はアセンソ・リーグ規約(2018年7月25日採択)と、2026-27の組分けを伝えたTVC Deportes 2026年8月21日。4部以下は北部地域連盟の規約 第8条。
※3部より下は、2026-27シーズンの大会規程を確認できていません。表は規約にある区分を示したもので、チーム数や昇降格の数は書いていません。
1部:12クラブ、2つの組、1つの順位表
2026-27シーズンの12クラブは、地理的に2つの組に分かれています(大会規程 第3条・第4条)。
- 北部の組:マラトン、レアル・エスパーニャ、プラテンセ、チョロマ、ヘネシス、アトレティコ・インデペンディエンテ
- 中部・南部・東部の組:オリンピア、モタグア、オランチョ、フティカルパ、ロボス UPNFM、エストレージャ・ロハ
ただし、組は「別々の大会」ではありません。規程は、順位を1つの総合順位表で決めると定めています。各クラブは同じ組の5クラブとホーム&アウェーで10試合、もう一方の組の6クラブと1試合ずつ、合計16試合を戦います(第3条)。組を分けた理由として、規程は移動の合理性、クラシコ(伝統の一戦)の保護、警備、テレビ、入場券収入などを挙げています(第4条)。
前のシーズンからの入れ替わりも確認できます。2025-26の11クラブにいたビクトリアは2026-27の名簿になく、エストレージャ・ロハとアトレティコ・インデペンディエンテが加わりました(各シーズンの大会規程 第2条)。インデペンディエンテは、リーグの総会が「招待クラブ」として加盟を認めたクラブです。規約は、2部の優勝クラブの昇格のほかに、リーグを拡大するときなどに総会の決議でクラブを招待できると定めています(1部リーグ規約 第9条、La Prensa 2026年6月20日)。
1年に2回の優勝
前期と後期は、どちらも同じ流れで優勝を決めます(大会規程 第3条、第6〜10条)。
- 16節の総合順位で、上位6クラブが次に進む
- 1位と2位は準決勝へ直行。3位対6位、4位対5位が「レペチャヘ(repechaje)」を戦う
- 準決勝と決勝はホーム&アウェーの2試合。準決勝で並んだときは、16節の順位が上のクラブが勝ち上がる
- 決勝の勝者が「全国王者(Campeón Nacional)」
前期は7月後半までに始まり12月までに、後期は1月後半までに始まり5月31日までに、16節を終える決まりです(第19条)。2026-27の前期は、2026年7月31日に開幕しました(Liga Hondubet公式 2026年7月28日)。
2026-27シーズンの終了後からは、前期と後期の王者が1試合で戦う「スーペルコパ(Supercopa de Honduras)」も始まります(第11条)。
降格は「前期と後期の最下位」の決戦
1部から2部への降格は、シーズンの最後の「降格シリーズ」で決まります(大会規程 第12条)。
- 戦うのは、前期の最下位と後期の最下位の2クラブ
- ホーム&アウェーの2試合。2試合目のホームは、前期と後期を合わせた順位が上のクラブ
- 勝ち点、得失点差で並べば延長戦、さらにPK戦
- 同じクラブが前期も後期も最下位なら、試合なしで降格
前期の最下位が後期に巻き返して6位以内に入った場合、そのクラブは降格シリーズに出ません。代わりに、前期で下から2番目のクラブが出場します(第13条)。2025-26までは前期と後期の合計勝ち点が最も少ないクラブが降格する形で(2025-26大会規程 第11条)、2026-27から仕組みが変わりました。
若い選手の出場時間の義務
1部の各クラブは、前期・後期それぞれで、2007年1月1日以降に生まれた選手を合計540分以上出場させなければなりません。守れなかったクラブは、16節の終了時に勝ち点3を引かれます(大会規程 第20条)。1試合で数えられるのは180分までです。
1部の下には、各クラブのリザーブチームによる「リザーブ大会(Torneo de Reservas)」もあります。2026-27の前期は1部と並行して進んでいます(Liga Hondubet公式 2026年9月29日)。
スタジアムの入場券を電子化へ
2026-27の大会規程は、1部の公式戦で電子チケットの導入を始めると定めました。各クラブは、リーグが認証した業者の電子チケットを使い、販売数や実際の入場者数などのデータをリーグに出す義務を負います。規程は目的として、偽造や転売、不正利用の防止を挙げています(大会規程 第15条)。
2部から下:地域の連盟が支えるピラミッド
2部のリーガ・デ・アセンソは、1979年12月17日に「全国2部リーグ」として生まれ、2002年7月21日に今の名前になりました。規約上の参加クラブは24〜32で、1部から降りてきたクラブと、3部のリーガ・マヨールから上がってきたクラブが加わります(アセンソ・リーグ規約 第1条・加盟の条文)。2026-27シーズンは、2026年8月22日・23日に開幕し、A・B・Cの3組に分かれて行われています(TVC Deportes 2026年8月21日)。
その下は、FFHの4つの地域連盟が受け持ちます。たとえば北部地域連盟はコルテス、ヨロ、アトランティダ、コロン、バイア諸島、グラシアス・ア・ディオスの各県を担当し、本部はサン・ペドロ・スーラです。加盟するのは、上から「リーガ・マヨール(Primera A)」「中間リーグ(Primera B)」「アマチュア2部」「アマチュア3部」と、8歳以下から18歳以下までの育成リーグ、女子リーグです(北部地域連盟の規約 第1条・第2条・第8条)。西部地域連盟はサンタ・バルバラ、コパン、レンピラ、オコテペケの各県を担当しています(西部地域連盟の規約 第2条)。
FFHの年次報告は、育成プログラム(TDS)出身の選手が「リーガ・マヨール、中間リーグ、リザーブ」でプレーしていると報告しています(FFH「Memorias 2024-2025」)。3部から下がどのような大会方式で、何チームが昇格・降格するかは、今回の調査では確認できていません。
見始めるならこのクラブ
オリンピア(Olimpia)とモタグア(Motagua):首都の2クラブ
オリンピアは1912年6月12日、モタグアは1928年8月29日の創立です。どちらも首都テグシガルパのクラブで、同じ「エスタディオ・ナシオナル・ティブルシオ・カリアス・アンディーノ」をホームにしています(Liga Hondubet公式 オリンピア、同 モタグア)。リーグの公式ページは、このスタジアムの収容人数を28,000人としています(モタグアのページ)。
オリンピアは、北中米カリブ海のクラブ王者を決める大会で1972年と1988年に優勝しました。Concacafは、この大会を制したホンジュラスのクラブはオリンピアだけだとしています(Concacaf 2023年6月6日)。
マラトン(Marathón)とレアル・エスパーニャ(Real España):北部のクラブ
マラトンは1925年11月25日創立で、サン・ペドロ・スーラの「エスタディオ・ヤンケル・ローゼンタール」(収容16,000人)をホームにしています。レアル・エスパーニャのホームは「エスタディオ・フランシスコ・モラサン」(収容25,000人)です(Liga Hondubet公式 マラトン、同 レアル・エスパーニャ)。2026-27シーズンは、どちらも北部の組に入っています。
プラテンセ(Platense):港町のクラブ
1960年7月4日創立で、カリブ海に面した港町プエルト・コルテスの「エスタディオ・エクセルシオール」(収容13,500人)をホームにしています(Liga Hondubet公式 プラテンセ)。
日本との比較
| 項目 | ホンジュラス(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 前期は7月後半〜12月、後期は1月後半〜5月(16節の期限は5月31日)。2026-27は2026年7月31日開幕 | 2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕(Jリーグ「大会概要 J1」) |
| 1部の規模 | 12クラブ。前期・後期とも16節+上位6クラブのトーナメント | 20クラブ・全38節・380試合 ※1 |
| 優勝の決め方 | 前期・後期それぞれの決勝の勝者が王者(1年に2回) | 年間順位で1回 ※1 |
| 1部から2部へ | 前期最下位と後期最下位の降格決戦で1クラブ | 年間順位の下位3クラブ ※1 |
| 2部から1部へ | 2部の優勝クラブ(1部の加盟条件を満たすことが前提)。ほかにリーグ総会が招待で加盟を認めることがある | 自動昇格2。3〜6位のJ1昇格プレーオフの優勝クラブ ※1 |
| 下部のリーグ | 2部の下は、4つの地域連盟が運営するリーグ | J1・J2・J3・JFLの下に地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」(20クラブは、380試合・ホーム&アウェーの総当たりから)
※2 JFA「国内の競技会」
日本は2026-27シーズンから8月開幕に移り、ホンジュラスと同じく夏から翌年の初夏までのシーズンになりました。大きく違うのは、優勝と降格の決め方です。日本は1年を通した順位表で優勝と降格を決めます。ホンジュラスは半年ごとにトーナメントで王者を決め、降格は前期と後期の最下位どうしの決戦で決めます。国の規模、クラブ数、移動距離が違うので、どちらが良いかを単純に比べることはできません。
代表どうしの対戦では、2014年11月14日に豊田スタジアムで行われたキリンチャレンジカップで、日本が6-0で勝っています。ホンジュラスは、同じ年のブラジルW杯のメンバー7人に若手を加えた構成でした(JFA 2014年11月15日)。
ホンジュラスのクラブでプレーした日本人選手は、今回の調査では確認できませんでした。
女子のリーグ
女子は、FFHの下で「全国女子サッカーリーグ(Liga Nacional de Fútbol Femenino)」が行われています。2026年は22クラブによる予選大会で上位12クラブを選び、その12クラブで1部の大会を行う計画が報じられています(La Prensa 2026年2月13日)。大会規程は今回確認できていません。
試合の日程・結果を見るには
- 日程:Liga Hondubet公式「Calendario」
- 順位表:Liga Hondubet公式「Posiciones」
- リザーブ大会:Liga Hondubet公式「Próximos partidos y resultados(Reservas)」
- 公式YouTube:Liga Nacional de Fútbol Profesional de Honduras(@lnfphonduras)(Liga Hondubet公式サイトからリンクされているチャンネル)
- 代表チーム:FFH公式サイト、FFH公式YouTube(@ffhplus)(FFH公式サイトからリンク)
日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ホンジュラスのサッカーリーグは何部まで?
A. 全国規模のリーグは、1部のリーガ・ナシオナルと2部のリーガ・デ・アセンソです。その下は、4つの地域連盟が運営するリーガ・マヨール、中間リーグ、アマチュアの2部・3部と続きます。3部より下の大会方式は地域ごとに異なり、今回の調査では確認できていません。
Q. ホンジュラスのリーグはいつ行われている?
A. 前期(アペルトゥーラ)が7月後半から12月まで、後期(クラウスーラ)が1月後半から5月までです。2026-27シーズンは2026年7月31日に開幕しました。
Q. 1年に2回優勝チームが出るのはなぜ?
A. 前期と後期が、それぞれ独立した大会だからです。どちらの大会も、16節の順位で上位6クラブを決め、トーナメントで王者を決めます。2026-27シーズンの後からは、2人の王者が戦うスーペルコパも始まります。
Q. 1部から何チーム降格する?
A. 1クラブです。前期の最下位と後期の最下位が2試合の降格決戦を戦い、負けたクラブが降格します。同じクラブが前期も後期も最下位なら、試合なしで降格します。
Q. ホンジュラスは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。北中米カリブ海予選の最終ラウンドで、同じグループのハイチが首位で出場を決めました。W杯には1982年、2010年、2014年の3回出場しています。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度は2026-27シーズン)
