イタリアの1部リーグ「セリエA(Serie A)」は、2026-27シーズンは2026年8月22・23日の週末に開幕し、2027年5月29・30日の週末に最終節を迎えます(Lega Serie A)。
その下に2部のセリエB、3部のセリエCがあり、ここまでがプロのリーグです。4部のセリエDからはアマチュアの組織「Lega Nazionale Dilettanti(LND、全国アマチュアリーグ)」が運営し、さらに州や県のリーグへと続きます。
ワールドカップで4回優勝したイタリアですが、2026年の北中米大会には出場していません。欧州予選のプレーオフ決勝で、ボスニア・ヘルツェゴビナにPK戦で敗れました(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。2018年、2022年に続いて3大会連続です。
この記事では、次のことがわかります。
- イタリアのリーグは何部まであり、どこで「プロ」と「アマチュア」に分かれるか
- 2部の「14ポイント差」ルールなど、昇格・降格の独特な決め方
- セリエAクラブの2軍チームが、下のリーグでどう戦っているか
- 街とクラブの結びつき、日本との違い、公式の日程・結果の見方
※リーグ制度は2026-27シーズンのイタリアサッカー連盟(FIGC)の規程・公式発表にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子のリーグは扱いません(2026年10月5日確認)。
イタリアと日本
イタリアは地中海に突き出た半島と、シチリア島・サルデーニャ島などからなる国です。人口は5,894万3千人(2026年1月1日時点の暫定値、イタリア国立統計研究所 ISTAT 2026年3月31日)。国は20の州(regione)に分かれていて、サッカーのアマチュアリーグもこの州を単位に組み立てられています(後で説明します)。
日本との正式な関係は、1866年8月25日の日伊修好通商条約に始まります(国立新美術館 アートコモンズ「イタリア×鹿児島」展の案内)。2026年は外交関係160周年にあたり、イタリア文化省も両国の記念の年として取り上げています(イタリア文化省 2025年11月27日)。
イタリアのサッカーは、どう広がってきたか
トリノで生まれた連盟と、1日で終わった最初の選手権
イタリアのサッカー連盟は1898年3月、トリノで4つのクラブが集まって「イタリア・フットボール連盟(FIF)」として生まれました。最初の選手権も同じ1898年に行われ、ジェノア(Genoa)が優勝しています。1909年に今の名前「イタリアサッカー連盟(FIGC)」になりました(イタリア・オリンピック委員会 CONI「Italian Football Federation」)。
本部は、トリノ(1898年)からミラノ(1905年)、再びトリノ(1911年)と移り、1929年からはローマにあります(同上)。全国を1つのリーグにまとめた今の形のセリエAは、1929/30シーズンに始まりました(UEFA「Italian Football Federation」)。プロのリーグの組織(セリエAとセリエB)が定められたのは1959年です(CONI、同上)。
代表チームはワールドカップで1934年、1938年、1982年、2006年の4回、欧州選手権で1968年と2021年(EURO2020)の2回優勝しています(UEFA、同上)。
街とクラブ:同じスタジアムを使うミラノの2クラブ
イタリアのクラブは、街の名前を背負っています。いくつか具体例を見てみます。
ジェノバのジェノア:1898年の最初の選手権の優勝クラブで、リーグ優勝は通算9回です(UEFA 2025年5月23日の歴代優勝一覧)。
ミラノのインテルとミラン:同じ街のライバルどうしが、同じスタジアム「サン・シーロ(スタディオ・メアッツァ)」を本拠地にしています。2025年11月5日、2クラブは共同で、ミラノ市からスタジアムと周辺の土地を買い取りました。新しいスタジアムの設計は、フォスター・アンド・パートナーズとMANICAに任されています(ACミラン公式 2025年11月5日)。
ナポリ:ディエゴ・マラドーナは7年間ナポリでプレーし、2回のリーグ優勝をもたらしました。2020年11月にマラドーナが亡くなると、ナポリ市は12月4日に、スタジアムの名前を「サン・パオロ」から「ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」に変えました(AGI 2020年12月4日)。ナポリのリーグ優勝は1986/87、1989/90、2022/23、2024/25の4回です(UEFA 2025年5月23日)。
歴代のリーグ優勝回数(2024/25シーズン終了時点)は、ユヴェントス36回、インテル20回、ミラン19回です(同上)。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営・区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | セリエA(Serie A) | 20 | (最上位) | 18〜20位 | Lega Serie A(プロ) |
| 2部 | セリエB(Serie BKT) | 20 | 1・2位は自動昇格。3位は4位と15ポイント以上離れていれば自動昇格、そうでなければ3〜8位のプレーオフ勝者 | 18〜20位は自動降格。17位は16位と5ポイント以上離れていれば自動降格、そうでなければ16位とのプレーアウト | Lega B(プロ) |
| 3部 | セリエC(Serie C) | 60(20チーム×3グループ) | 各グループ1位と、プレーオフの勝者1チーム(計4) | 計9。各グループ最下位と、プレーアウトの敗者6 | Lega Pro(プロ) |
| 4部 | セリエD(Serie D) | 162(18チーム×9グループ) | 各グループ1位(計9)。セリエCの参加条件を満たすことが前提 | 各グループ下位4チーム | LND(アマチュア・全国) |
| 5部 | エッチェレンツァ(Eccellenza) | 州ごとに1〜複数グループ | 各グループ1位、2位どうしの昇格決定戦の勝者7、アマチュアのカップ戦(Coppa Italia Dilettanti)の優勝チーム | 州ごとの規程による | LNDの州委員会 |
| 6〜8部 | プロモツィオーネ(Promozione)、プリマ・カテゴリア(1a Categoria)、セコンダ・カテゴリア(2a Categoria) | 州ごとに異なる | 州ごとの規程による | 州ごとの規程による | LNDの州委員会(トレンティーノ=アルト・アディジェ州ではトレント県・ボルツァーノ県) |
| 9部 | テルツァ・カテゴリア(3a Categoria) | 県ごとに異なる | 県ごとの規程による | (最下位の階層) | LNDの県委員会 |
出典:FIGC 公式通達 209/A(2026年5月6日公布)による連盟内部規程(NOIF)第49条、FIGC 公式通達 25/A(セリエB 2026-27の昇降格、2026年7月28日公布)、セリエDの数はSky Sport 2026年8月7日
※昇格・降格の数は、クラブの破綻や参加辞退、参加条件を満たせないクラブが出ると、繰り上げや補充で変わることがあります(NOIF第49条第4項・第4項の2)。
※5部から下のグループ数とチーム数は州・県ごとに違い、今回は全国の合計を確認していません。
2部の「14ポイント差」ルール
セリエBからセリエAに上がるのは3チームです。1位と2位は自動で昇格します。
3つ目の枠が独特です。3位のチームが4位に14ポイントを超える差をつけていれば、そのまま昇格します。差が14ポイント以内なら、3位から8位の6チームによるプレーオフで決めます(FIGC 公式通達 25/A)。
プレーオフは、5位対8位、6位対7位の1試合勝負から始まります。この1回戦は引き分けなら延長戦を行い、それでも決まらなければ順位が上のチームが勝ち上がります。PK戦は行いません。準決勝からはホーム&アウェーで、3位と4位はここから登場します(同上)。
降格も同じ考え方です。18〜20位は自動降格です。17位は、16位との差が4ポイントを超えていれば自動降格、4ポイント以内なら16位とのプレーアウト(残留決定戦)で決めます(同上)。
3部のセリエC:60チームから4チームだけが上へ
セリエCは20チームずつ3つのグループに分かれています。各グループの1位がセリエBに上がり、4つ目の枠は大規模なプレーオフで決めます(NOIF第49条)。
プレーオフに出るのは、各グループの2〜10位の27チームと、セリエCのカップ戦「コッパ・イタリア・セリエC」の優勝チーム、合わせて28チームです。グループ内の勝ち抜き戦、全国の勝ち抜き戦を経て、最後は4チームの「ファイナル・フォー」で昇格チームが決まります(同上)。
降格は合わせて9チームです。各グループの最下位が自動で降格し、下から2〜5番目の4チームがプレーアウトを戦って、各グループ2チームずつが降格します。ただし、下から2番目のチームが下から5番目のチームに8ポイントを超えて離されている場合、また下から3番目のチームが下から4番目のチームに8ポイントを超えて離されている場合は、そのチームはプレーアウトをせずに降格します(同上)。
セリエAクラブの「2軍」は、3部と4部にいる
セリエCには、セリエAクラブの2軍(seconda squadra)が参加しています。2026-27シーズンは、ユヴェントスの「Juventus Next Gen」、アタランタの「Atalanta Under 23」、インテルの「Inter Under 23」の3チームです(Sky Sport 2026年7月31日)。
FIGCは2026年4月27日の理事会で、2026-27シーズンの2軍のルールを決めました(FIGC 公式通達 222/A)。
- 2軍はセリエBまで昇格できるが、トップチームと同じリーグや、それより上のリーグには入れない
- 2軍もセリエDに降格する。その場合は翌シーズン、セリエDに参加できる
- 試合のメンバー(最大26人)のうち、2004年1月1日より前に生まれた選手は4人まで
- メンバーのうち、イタリアのクラブに登録されてから7シーズンに満たない選手は7人まで
- セリエAの登録メンバー25人に入っている選手や、セリエAに51試合以上出ている選手は出場できない
- 2軍のクラブには、セリエCのリーグでの議決権や分配金の権利がない
降格が実際に起きた例が、ACミランの2軍「ミラン・フトゥーロ(Milan Futuro)」です。2026-27シーズンはセリエDのグループBで、ピアチェンツァやキエーヴォ・ヴェローナと同じグループに入っています(ACミラン公式 2026年8月6日、Sky Sport 2026年8月7日)。
4部から下:アマチュアの全国リーグと州のリーグ
連盟の規程では、2部と3部のリーグの組織にそれぞれ「プロ(Professionisti/Professionistico)」の言葉が入っています。4部のセリエDは、規程の中で「全国アマチュア選手権(Campionato Nazionale Dilettanti)」とも呼ばれ、LNDの「州間部門(Dipartimento Interregionale)」が運営します(NOIF第49条)。
2026-27シーズンのセリエDは18チームずつ9グループの162チームで、20州のうちヴァッレ・ダオスタ州を除く19州のクラブが参加しています(Sky Sport 2026年8月7日)。
5部のエッチェレンツァから下は、LNDの州委員会(Comitato Regionale)が運営します。エッチェレンツァ、プロモツィオーネ、1a・2aカテゴリアは州単位で、いちばん下の3aカテゴリアは県単位です。3aカテゴリアには、U21、U19、30歳以上(Over 30)の部門もあります(NOIF第49条)。
2026-27シーズンの日程
セリエAは2026年8月22・23日の週末に開幕し、2027年5月29・30日の週末に最終節を迎えます。20チームがホーム&アウェーで2回ずつ対戦する全38節です。平日開催の節は2026年10月28日と2027年1月6日の2回、クリスマスの休みは2026年12月26・27日の週末です(Lega Serie A)。
冬に長い中断を置かず、年末年始もリーグ戦が続くのがイタリアの日程の特徴です。
W杯2026:最終戦でノルウェーに敗れ、プレーオフでも敗退
イタリアは2026年W杯の欧州予選で、ノルウェーと同じグループIでした。ノルウェーは最終戦でイタリアにミラノで4対1で勝ち、グループ1位で出場を決めています(FIFA 2026年3月31日)。
イタリアはプレーオフに回り、2026年3月31日の決勝でボスニア・ヘルツェゴビナと対戦しました。1対1のまま決着がつかず、PK戦で敗れています(同上、UEFA 2026年3月31日更新の予選結果一覧)。FIFAが発表した出場48チームに、イタリアは入っていません(FIFA、同上)。
イタリアは2018年大会をスウェーデンとのプレーオフで、2022年大会を北マケドニアとのプレーオフで逃していました(AP通信 2022年3月24日)。2026年で3大会連続の不出場です。
日本との比較
| 項目 | イタリア(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年8月22・23日の週末に開幕、2027年5月29・30日の週末に最終節。冬の中断はクリスマスの週末のみ | 2026年8月7日〜2027年6月6日。12月中旬〜2月中旬は中断 ※1 ※2 |
| 1部の規模 | 20クラブ・全38節 | J1は20クラブ・全38節・380試合 ※2 |
| 1部から2部へ | 下位3が自動降格 | 下位3が降格 ※2 |
| 2部から1部へ | 自動昇格2。3つ目は3位が4位に14ポイントを超える差なら自動、それ以外は3〜8位のプレーオフ | 自動昇格2。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格(J1ライセンスが条件)※2 |
| プロとアマチュアの境目 | 3部のセリエCまでがプロ。4部のセリエDからアマチュア(LND) | J1・J2・J3がJリーグ。その下にJFL、地域リーグ(9地域)、都道府県リーグ ※3 |
| トップクラブの2軍 | セリエC・セリエDに参加(2026-27はセリエCに3チーム) | (この記事では未確認) |
※1 Jリーグ「シーズン移行」
※2 Jリーグ「大会概要 J1」
※3 JFA「国内の競技会」
1部の規模と、2部から1部への自動昇格の数は、2026-27シーズンの日本とイタリアでほぼ同じです。違いは2部の3つ目の昇格枠の決め方と、プロのリーグの階層の数、そしてトップクラブの2軍が下のリーグで公式に戦っている点です。日本は2026-27シーズンから8月開幕に移り、時期はイタリアと近くなりました。ただし、冬の中断の長さは違います。気候、移動距離、クラブ数が違うので、どちらが良いかを単純に比べることはできません。
日本人選手との接点では、長友佑都選手が2011年1月にインテルに加入し、公式戦210試合に出場して11得点を挙げました。2010-11シーズンのコッパ・イタリア優勝メンバーでもあります(インテル公式 2018年1月31日)。
試合の日程・結果を見るには
- セリエA 日程・結果:Lega Serie A「Calendario e risultati」
- セリエA 順位表:Lega Serie A「Classifica」
- セリエB:Lega B 公式
- セリエC:Serie C 公式
- 公式YouTube:Serie A(Lega Serie A公式サイトからリンクされているチャンネル)、Serie C(Serie C公式サイトからリンクされているチャンネル)
日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月5日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. イタリアのサッカーリーグは何部まで?
A. 全国規模のリーグは4部のセリエDまでです。プロは3部のセリエCまでで、4部からはアマチュアです。5部のエッチェレンツァから下は州や県のリーグで、いちばん下は県単位の3aカテゴリアです。
Q. セリエAはいつ行われている?
A. 2026-27シーズンは2026年8月22・23日の週末に開幕し、2027年5月29・30日の週末に最終節を迎えます。
Q. セリエBから何チーム昇格する?
A. 3チームです。1位と2位は自動昇格です。3つ目は、3位が4位に14ポイントを超える差をつけていれば3位がそのまま昇格し、そうでなければ3〜8位のプレーオフの勝者が昇格します。
Q. イタリアは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。欧州予選のプレーオフ決勝でボスニア・ヘルツェゴビナにPK戦で敗れ、2018年、2022年に続いて3大会連続の不出場になりました。
Q. ユヴェントスやインテルの2軍はどこでプレーしている?
A. 2026-27シーズンは、Juventus Next Gen、Atalanta Under 23、Inter Under 23の3チームが3部のセリエCに参加しています。ACミランの2軍ミラン・フトゥーロは4部のセリエDです。
調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)
