ポルトガルの1部リーグは、2026-27シーズンは「リーガ・ポルトガル・ベットクリック(Liga Portugal Betclic)」の名前で行われています。18クラブが2回ずつ対戦する全34節のリーグ戦で、2026年8月9日の週末に開幕し、2027年5月16日の週末に最終節を迎えます(Liga Portugal 2026年4月29日、Liga Portugal 公式日程(Comunicado Oficial n.º 357、2026年6月15日))。
この国のリーグには、ほかの国ではあまり見ない決まりがいくつもあります。2部には1部クラブの「Bチーム」が参加していて、成績が良くても1部には上がれません。また、大西洋に浮かぶマデイラ諸島やアゾレス諸島のクラブがプロのリーグに入ることもあるため、日程づくりでは「島への連続アウェーを避ける」ことまで規程に書かれています。
人口は11,424,031人(2025年12月31日時点、ポルトガル国立統計院 INE)。
この記事では、次のことがわかります。
- ポルトガルのリーグは何部まであり、どこでプロとアマチュアが分かれるか
- 1部と2部の入れ替え戦、2部のBチームの決まり
- 三強(ベンフィカ、ポルト、スポルティング)と、日程づくりに表れる地域のライバル関係
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度は2026-27シーズンの規程・発表にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグです(2026年10月6日確認)。
ポルトガルと日本
ポルトガルはイベリア半島の西の端にある国で、本土のほかに大西洋のマデイラ諸島とアゾレス諸島を持っています。2つの諸島は「自治地域(Regiões Autónomas)」で、リーグの規程にもこの言葉が出てきます(下の「島のクラブとアウェー戦」を参照)。
日本との関係は16世紀にさかのぼります。1543年にポルトガル人が種子島に着いたのが、日本と西洋の最初の出会いとされます。1860年8月3日には江戸で修好通商条約が結ばれ、両国の外交関係が始まりました(在ポルトガル日本国大使館「日・葡修好通商条約」)。
最近では、2025年9月にポルトガルのモンテネグロ首相が日本を訪れ、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に引き上げました。ポルトガル政府によると、ポルトガルで活動する日本企業は約120社です(ポルトガル政府 2025年9月11日)。
ポルトガルのサッカーは、どう広がってきたか
UEFAによると、ポルトガルで記録に残る最初のサッカーの試合は1888年、リスボン近郊の海辺の町カスカイスで行われました。ポルトガルサッカー協会(FPF)は、1914年3月31日に「ポルトガル・サッカー連合」として生まれ、1923年にFIFAの正式な加盟協会になっています。代表チームの最初の試合は1921年のスペイン戦(1-3)でした(UEFA「Portuguese Football Federation」)。
代表チームはEURO 2016で初めての主要大会のタイトルを取り、2019年には第1回のUEFAネーションズリーグでも優勝しました(同上)。
三強の歴史
国内のリーグは、長くベンフィカ、ポルト、スポルティングの3クラブを中心に動いてきました。
- ベンフィカ(SL Benfica):首都リスボンのクラブで、1904年創設。愛称は「As Águias(ワシ)」。1961年と1962年にヨーロッパチャンピオンズカップ(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)を2年続けて制しました(UEFA「Club facts: Benfica」)。
- ポルト(FC Porto):北部の港町ポルトのクラブで、1893年創設。1987年にウィーンでバイエルン・ミュンヘンを2-1で破ってヨーロッパチャンピオンズカップを制し(UEFA「Raise a glass to Porto」)、ヨーロッパチャンピオンズカップとUEFAチャンピオンズリーグを合わせて2回優勝しています(UEFA「Which teams have won the European Cup or Champions League?」)。
- スポルティング(Sporting CP):ベンフィカと同じリスボンのクラブで、1906年創設。愛称は「Leões(ライオン)」。1964年にUEFAカップウィナーズカップで優勝しています(UEFA「Club facts: Sporting CP」)。クリスティアーノ・ロナウドは、2002年8月14日にスポルティングで公式戦デビューし、2003年にマンチェスター・ユナイテッドへ移りました(UEFA「Memories of Ronaldo’s debut」)。
日程表に表れる「街のライバル」
ポルトガルのプロリーグの規程には、同じ日に「両方ともホーム」「両方ともアウェー」にしてはいけないクラブの組み合わせが、名前つきで書かれています。理由は「安全と地理的な位置」です(Liga Portugal 競技規程(Regulamento das Competições)2026-27版 第20条)。
| 組み合わせ | 地域 |
|---|---|
| ベンフィカとスポルティング | 首都リスボン |
| ポルトとボアヴィスタ | 北部の都市ポルト |
| ヴィトーリア(ギマランイス)とブラガ | 北部の都市ギマランイスとブラガ |
| マリティモとナシオナル | マデイラ島 |
同じ街や近い街の2クラブが同じ日にホームゲームをしないようにすることで、警備や交通の負担を分ける仕組みです。規程の条文に出てくるこの4組を見れば、ポルトガルのサッカーがどの街で根を張っているかがわかります。
リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | リーガ・ポルトガル・ベットクリック(Liga Portugal Betclic/規程上は Liga Portugal 1) | 18 | (最上位) | 17・18位が自動降格。16位は2部3位との入れ替え戦へ | Liga Portugal(プロ) |
| 2部 | リーガ・ポルトガル2・メウ・スーペル(Liga Portugal 2 Meu Super) | 18(うちBチームが3) | 1・2位が自動昇格。3位(Bチームを除く)は1部16位との入れ替え戦へ。Bチームは1部に上がれない | 17・18位が3部へ自動降格。16位は3部のクラブとの入れ替え戦へ | Liga Portugal(プロ) |
| 3部 | リーガ3(Liga 3 Placard) | 20(10チーム×2グループ) | 2チームが2部へ自動昇格。もう1チームが2部16位との入れ替え戦へ | 残留・降格ステージの下位チームが4部へ | FPF(全国・ノンプロ) |
| 4部 | カンペオナート・デ・ポルトガル(Campeonato de Portugal) | 56(14チーム×4グループ) | 4チームが3部へ(報道による) | 12チームが県リーグへ(報道による) | FPF(全国) |
| 5部以下 | 県・地域リーグ(Campeonatos Distritais) | 協会ごとに異なる | 協会ごとの規程による | 協会ごとの規程による | 各地の県・地域協会 |
出典:1部・2部はLiga Portugal 競技規程 2026-27版 第21〜22条、第25〜26条、第31条、附則V(Bチーム規程)、2部のBチーム数はLiga Portugal「Sobre a Liga」。3部はA Bola 2026年7月16日、4部はAçoriano Oriental 2026年6月10日。
※3部・4部の形式は、FPFが公表した2026-27シーズンの大会形式を伝える報道で確認したものです。3部から4部への降格チーム数は、報道では確認できていません。
※昇格・降格の数は、ライセンスを取れないクラブがある場合などに変わることがあります(競技規程 第22条・第26条)。
プロは2部まで
規程上、プロのクラブの大会は1部と2部です。1部と2部のクラブは「スポーツ株式会社(sociedade desportiva)」の形をとることが求められ、毎シーズン、Liga Portugalの参加審査(ライセンス)を受けます(競技規程 第10〜11条)。3部のリーガ3について、Liga Portugalの規程は「男子のノンプロのサッカーで最も高い大会」と書いています(同 第26条)。
1部と2部の入れ替え:16位と3位のホーム&アウェー
1部の17位と18位は、自動で2部に降格します。2部の1位と2位は、自動で1部に昇格します(競技規程 第22条)。
1部の16位は、2部で昇格枠のすぐ下にいるクラブ(Bチームを除く)と入れ替え戦をします。試合はリーグ戦がすべて終わったあとのホーム&アウェーの2試合で、合計得点が同じなら延長戦、それでも決まらなければPK戦です。勝ったクラブが翌シーズンの1部に入ります(同 第31条)。2026-27シーズンの入れ替え戦は、5月末から6月上旬に予定されています(公式日程 Comunicado Oficial n.º 357)。
2部と3部の間も同じ形です。2部の17位と18位が3部に降格し、3部から2クラブが上がります。2部の16位は、FPFが指定する3部のクラブと入れ替え戦をします(同 第26条、第31条)。
2部のBチーム:成績しだいで降格、でも1部には上がれない
ポルトガルの2部には、1部クラブの「Bチーム(equipa B)」が参加できます。決まりは附則V「Bチームの登録と参加に関する規程」にあります。
- 2部に参加できるBチームは最大5チーム。2026-27シーズンは3チーム(Liga Portugal「Sobre a Liga」)
- Bチームは、どんな成績でも1部には上がれない。Bチームが昇格圏に入った場合は、その下の順位のクラブが昇格する
- 成績が悪ければ、ふつうのクラブと同じように3部へ降格する
- トップチームが2部に落ちてきた場合、同じ2部にいたBチームは順位に関係なく3部へ降格する
- Bチームは国内カップ(タッサ・デ・ポルトガル)とリーグカップには出られない
- 試合のメンバー表に入れるのは、16〜23歳の選手と、年齢制限のない選手2人まで。ポルトガル国内で育った「地元育成選手」を最低10人入れる
(附則V 第7条、第9条、第10条)
島のクラブとアウェー戦
リーグには、マデイラ諸島やアゾレス諸島のクラブが参加することがあります。規程は、日程を決める抽選の条件として「同じチームが2回続けて自治地域(島)へ遠征することを、できる限り避ける」と定めています(競技規程 第20条)。島との行き来の費用は、FPFと調整した特別な財務規程で扱われます(同 第113条)。
報道によると、4部のカンペオナート・デ・ポルトガルの2026-27シーズンでは、アゾレス諸島のラジェンセとサンタ・クララのBチームが、最も南のグループに入っています(Açoriano Oriental 2026年6月10日)。
3部と4部:地域ごとのグループで戦う全国リーグ
3部のリーガ3は、20チームが地理的に2つのグループ(10チームずつ)に分かれてリーグ戦を行い、各グループの上位4チームが昇格を争う後半のステージに進みます。残りのチームは残留と降格を争います(A Bola 2026年7月16日)。
4部のカンペオナート・デ・ポルトガルは、56チームが14チームずつ4つのグループに分かれて26試合を戦います。報道によると、2026-27シーズンは形式が変わり、降格は前のシーズンの20チームから12チームに減りました。各グループの下位2チーム(計8チーム)が直接降格し、11位と12位は残留をかけたプレーオフを戦います。各グループの上位2チームは昇格ステージに進み、そこから4チームが3部に上がります(Açoriano Oriental 2026年6月10日)。
5部から下:各地の協会のリーグ
4部より下は、各地のサッカー協会(Associação de Futebol)が運営する県・地域リーグです。FPFの会員には22の県・地域協会が含まれます(RTP)。リーグの段数や昇格・降格の数は協会ごとに異なり、この記事では全国一律の形として示せません。
2026-27シーズンの日程
| 大会 | 日程 |
|---|---|
| 1部・2部 | 2026年8月9日の週末に開幕、2027年5月16日の週末に最終節(全34節) |
| 1部・2部の入れ替え戦 | 2027年5月下旬から6月6日にかけて(タッサ・デ・ポルトガルの日程により前後) |
| リーグカップ(Allianz CUP)準決勝・決勝 | 2027年1月5日・6日・9日 |
| 国内カップ(タッサ・デ・ポルトガル)決勝 | 2027年5月30日 |
出典:Liga Portugal 公式日程(Comunicado Oficial n.º 357)
1部の第17節は、公式には2027年1月10日です。年末年始もリーグ戦と国内カップが続き、冬に長い中断はありません(同上)。
代表:2026年W杯
ポルトガル代表は、2026年W杯欧州予選のグループFを1位(4勝1分1敗)で突破し、9回目のW杯に出場しました。本大会ではグループKを2位で通過し、ラウンド32でクロアチアに2-1で勝ちましたが、7月6日のラウンド16でスペインに0-1で敗れました(UEFA 2026年7月6日)。
| 日付 | 試合 | 結果 |
|---|---|---|
| 6月17日 | ポルトガル 対 コンゴ民主共和国 | 1-1 |
| 6月23日 | ポルトガル 対 ウズベキスタン | 5-0 |
| 6月28日 | コロンビア 対 ポルトガル | 0-0 |
| 7月3日(ラウンド32) | ポルトガル 対 クロアチア | 2-1 |
| 7月6日(ラウンド16) | ポルトガル 対 スペイン | 0-1 |
UEFAは、クリスティアーノ・ロナウドを「6回のW杯で得点した最初の選手」と紹介しています(同上)。
日本との比較
| 項目 | ポルトガル(2026-27シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 2026年8月9日の週末に開幕・2027年5月16日の週末に最終節 | J1は2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 18クラブ・全34節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部から2部へ | 17・18位が自動降格。16位は2部3位との入れ替え戦 | 下位3クラブが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 1・2位が自動昇格。3位(Bチームを除く)は1部16位との入れ替え戦に勝てば昇格 | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格(入れ替え戦なし)。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| プロと地域の境目 | 1・2部がプロ。3・4部はFPFの全国リーグ、5部から県・地域協会のリーグ | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
2026-27シーズンは、日本もポルトガルも8月上旬に開幕します。シーズンの形は近くなりましたが、ポルトガルは1部が18クラブで日本より4節少なく、最終節は日本より3週間早い5月中旬です。
大きく違うのは、1部と2部の間に入れ替え戦があることと、1部クラブのBチームが2部でプロのクラブと同じ順位表で戦うことです(2026-27シーズンは3チーム)。どちらの形にも長所と課題があり、単純にどちらが良いとは言えません。
日本人選手との接点では、守田英正選手が2022年7月1日、同じポルトガル1部のサンタ・クララからスポルティングに完全移籍しています(サッカーキング 2022年7月1日)。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程・結果・順位表:Liga Portugal公式「Liga Portugal Betclic」
- 試合カレンダー:Liga Portugal公式「Calendário」
- シーズン全体の日程(PDF):Comunicado Oficial n.º 357
公式サイトはポルトガル語が中心です。Liga Portugalの公式動画チャンネルと、日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ポルトガルのサッカーリーグは何部まで?
A. 2026-27シーズンは、プロのリーグが2部までです。3部のリーガ3と4部のカンペオナート・デ・ポルトガルはFPFが運営する全国リーグで、5部から下は各地の県・地域協会のリーグです。
Q. ポルトガル1部は何チーム? いつ行われている?
A. 18クラブで、全34節です。2026-27シーズンは2026年8月9日の週末に開幕し、2027年5月16日の週末に最終節を迎えます。
Q. 1部と2部の昇格・降格は何チーム?
A. 1部の17・18位が自動降格し、2部の1・2位が自動昇格します。1部の16位と2部の3位(Bチームを除く)がホーム&アウェーの入れ替え戦を行い、勝ったクラブが1部に入ります。
Q. 2部のBチームは1部に昇格できる?
A. できません。Bチームが昇格圏に入った場合は、その下の順位のクラブが昇格します。一方で、成績が悪ければ3部に降格します。
Q. ポルトガルは2026年W杯でどこまで勝ち進んだ?
A. グループKを2位で通過し、ラウンド32でクロアチアに勝ちましたが、ラウンド16でスペインに0-1で敗れました。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン)

