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フランスのサッカーリーグはどんな仕組み? 2026-27シーズンに生まれたプロの「リーグ・トロワ」、炭鉱の街ランス、海外のクラブも出るフランス杯【2026-27シーズン】

2026 10/07
世界のサッカー調査
2026年10月7日

フランスの3部リーグは、2026-27シーズンから「リーグ・トロワ(Ligue 3)」というプロのリーグに変わりました。これまで「ナショナル(National)」と呼ばれていたリーグです。運営するのはフランスサッカー連盟(FFF)で、FFFが男子のプロリーグを運営するのは初めてです(FFF 2026年5月12日)。

あわせて、その下のリーグの名前も変わりました。旧「ナショナル2」は「ナショナル1」に、旧「ナショナル3」は「ナショナル2」になっています(FFF 2026年5月15日)。2025-26シーズン以前の情報を読むときは、同じ名前でも階層が一つずれていることに注意が必要です。

人口は約6,908万人(2026年1月1日時点の推計、フランス国立統計経済研究所 INSEE)。1部の「リーグ・アン(Ligue 1)」は、2025-26シーズンに1試合平均27,588人の観客を集めています(LFP 2026年5月26日)。

この記事では、次のことがわかります。

  • フランスのリーグは何部まであり、誰が運営しているか(2026-27シーズンの新しい名前で)
  • 昇格・降格のつながりと、プロ・アマ、リザーブチーム(2軍)の扱い
  • 炭鉱の街ランスのように、クラブが地域とどう結びついてきたか
  • 海外県・海外領土のクラブや、隣国モナコのクラブの位置づけ
  • 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか

※リーグ制度は2026-27シーズンの連盟・リーグの規程にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグで、女子のリーグは扱いません(2026年10月5日確認)。

目次

フランスと日本

フランスは西ヨーロッパの国で、憲法は「共和国の言語はフランス語である」と定めています(フランス憲法 第2条)。ヨーロッパ本土のほかに、カリブ海のグアドループやマルティニーク、南米のギアナ、インド洋のレユニオンやマヨット、太平洋のフランス領ポリネシアなどの海外の地域があり、憲法にも名前が書かれています(同 第72-3条)。ニューカレドニアには、憲法で別の扱いが定められています(同 第76条・第77条)。

日本とは1858年から外交関係があり、2013年からは「特別なパートナーシップ(partenariat d’exception)」と位置づけられています。フランス外務省によると、フランスには約750社の日本企業があり、10万人近くを雇用しています(フランス外務省「Japon」2026年8月25日更新)。

サッカーでも、日本の育成とのつながりがあります。2006年に開校したJFAアカデミー福島は、フランスサッカー学院の元校長クロード・デュソー氏をアドバイザーに迎えていました(JFA「JFAアカデミー福島 基本方針」2006年4月)。

フランスのサッカーは、どう広がってきたか

ワールドカップを生んだ国

フランスサッカー連盟の前身「FFFA」は1919年に生まれました。ワールドカップが実現したのは、フランス人のジュール・リメとアンリ・ドロネーの働きによるものです。フランスは1954年のUEFA創設でも中心的な役割を果たしました。代表チームはワールドカップで1998年と2018年に優勝し、欧州選手権でも1984年と2000年に優勝しています(UEFA「Fédération Française de Football」)。

全国の1部リーグ(当時の名前は「ディヴィジオン1」)は1932-33シーズンに始まりました(FFF「L’abécédaire du N1 2026-2027」2026年8月20日)。

2026年のワールドカップにもフランスは出場しています(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」)。

炭鉱の街のクラブ:RCランス

北フランスのランス(Lens)のクラブ、RCランスの歴史は、この地域の炭鉱と切り離せません。クラブの公式サイトは、その歩みを次のように伝えています。

  • 1906年、街の学生たちが中心になってクラブが生まれました。最初のクラブカラーは緑と黒で、黒は地域の経済を支えた炭鉱を表していました(RCランス公式「Fondation」)。
  • 1920年代には、炭鉱で働くために来たイタリア人やポーランド人の選手がチームに加わりました。いまの赤と黄色のクラブカラーも、この時期に決まっています(RCランス公式「Identité」)。
  • ホームのスタッド・ボラール=ドゥレリスは、炭鉱会社が用意した土地に、失業していた180人の炭鉱労働者が建設し、1933年6月18日に完成しました(RCランス公式「Progression」)。
  • 炭鉱の仕事が減ると、炭鉱で働いていた選手の多くが地域を離れ、クラブは1968-69シーズンに降格しました。炭鉱会社がクラブから手を引き、1970年にはアマチュアの身分に戻っています(RCランス公式「Terrain miné」)。

2025-26シーズンのリーグ・アンでは、ランスはスタジアムの90%以上が埋まった8クラブ、平均観客が35,000人を超えた5クラブの両方に入っています(LFP 2026年5月26日)。

リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)

階層 名称(2026-27) チーム数 昇格 降格 運営
1部 リーグ・アン(Ligue 1 McDonald’s) 18 (最上位) 17・18位が自動降格。16位は2部のプレーオフ勝者と入れ替え戦 LFP(プロ)
2部 リーグ・ドゥ(Ligue 2 BKT) 18 1・2位が自動昇格。3〜5位のプレーオフ勝者が1部16位と入れ替え戦 17・18位が自動降格。16位は3部のプレーオフ勝者と入れ替え戦 LFP(プロ)
3部 リーグ・トロワ(Ligue 3、旧ナショナル) 18 1・2位が自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が2部16位と入れ替え戦 16〜18位がナショナル1へ FFF(プロ)
4部 ナショナル1(National 1、旧ナショナル2) 規程上48(16チーム×3グループ)。2026-27は49(16・16・17) 各グループで昇格資格のある最上位チーム(計3)がリーグ・トロワへ 規程上は各グループ15・16位と、14位のうち成績の悪い2チーム(2026-27は9チームが降格) FFF
5部 ナショナル2(National 2、旧ナショナル3) 112(14チーム×8グループ) 各グループで昇格資格のある最上位チーム(計8)がナショナル1へ 各グループ12〜14位と、11位のうち成績が最も悪い1チーム(計25)がレジオナル1へ FFF
6部以下 レジオナル1(Régional 1)以下の地域リーグと、県単位(district)のリーグ 地域ごとに異なる 各地域リーグからナショナル2へ2チーム(コルシカは1) 地域ごとの規程による 13の本土の地域リーグ(ligue régionale)と県単位の組織

出典:1部・2部はLFP 競技規則2026-27 第518条〜第520条。3部はFFF リーグ・トロワ規則2026-27 第4条・第5条・附則3bis。4部・5部はFFF 全国選手権一般規則2026-27(ナショナル1・ナショナル2の特別規定)。2026-27のナショナル1の実際のチーム数と降格数はFFF 2026年8月20日。

※1部・2部の名前にはスポンサー名が付きます(LFP 競技規則 第518条)。
※昇格・降格の数は、財務審査で昇格が認められないチームや、行政処分による降格があると変わります。

「プロ」は3部まで:誰が運営しているか

1部と2部は、FFFから運営を任された「プロサッカーリーグ(LFP)」の大会です。FFFとLFPの協定は、LFPに任せる範囲を「男子のプロサッカー(リーグ・トロワを除く)」としています(FFF・LFP協定2026-27 第1条)。

3部のリーグ・トロワは、FFF自身が運営するプロリーグです(リーグ・トロワ規則 前文)。FFFは、2026-27シーズンにリーグ・トロワに使う予算を1,230万ユーロとし、その70%をクラブに直接配分すると発表しています。全309試合は、LFPの配信サービス「Ligue 1+」で中継されます(FFF 2026年5月12日)。

1部と2部の入れ替え:2部の3位から5位がプレーオフ

2部から1部へ自動で上がるのは1位と2位です。3位から5位はプレーオフを戦います。まず5位が4位のホームで戦い、その勝者が3位のホームで戦います。勝ち残ったチームが、1部16位とホーム&アウェーの入れ替え戦をします。1戦目は2部のチームのホームで、2戦目は1部のチームのホームです(LFP 競技規則 第519条・第519条ter)。

2部と3部の間も同じ形です。ただし3部のプレーオフは3位から6位の4チームで行い、準決勝は3位対6位、4位対5位です。勝ち残ったチームが2部16位と入れ替え戦をします(リーグ・トロワ規則 附則3bis)。

お金の審査(DNCG)

フランスでは、昇格するチームの財務を「DNCG(財務管理局)」が事前に審査します。リーグ・トロワ、ナショナル1、ナショナル2に上がるクラブは、5月31日までに財務資料を出し、純資産と支出の比率が一定以上であることを示さなければなりません。基準は2026-27シーズンが5%以上で、2027-28シーズンに10%以上、2028-29シーズンに15%以上へ上がります(リーグ・トロワ規則 第5条、全国選手権一般規則 ナショナル1・ナショナル2 第2条)。

1部・2部でも、DNCGに昇格を認められなかったクラブの代わりに、入れ替え戦で負けたクラブが残る決まりがあります(LFP 競技規則 第520条)。2025-26シーズン後には、4部(当時のナショナル2)で5チームが行政処分による降格(rétrogradation administrative)を受け、その中には元1部優勝クラブのボルドー(Girondins de Bordeaux)も含まれていました(FFF 2026年8月20日)。

リザーブチーム(2軍)はどこまで上がれるか

リーグ・トロワに参加できるのは、各クラブの「1軍(équipes premières)」だけです(リーグ・トロワ規則 第5条)。そのため、プロクラブの2軍が上がれるのは4部のナショナル1までです。

ナショナル1に上がれる2軍は、1軍が翌シーズンに1部か2部でプレーし、クラブの育成センターが一定の格付けを持っている場合に限られます(全国選手権一般規則 ナショナル1 第1条)。2026-27シーズンのナショナル1には、ロリアンとトロワの2軍が参加しています(FFF 2026年8月20日)。

一方で、リーグ・トロワ、ナショナル1、ナショナル2のクラブは、2軍をリーグ戦に参加させることが義務になっています(リーグ・トロワ規則 第6条、全国選手権一般規則)。

6部から下は「地域リーグ」と「県のリーグ」

ナショナル2の下は、地域リーグ(ligue régionale)が運営する「レジオナル1(R1)」です。ナショナル2へは、各地域リーグから2チームずつ(コルシカの地域リーグは1チーム)上がり、合計25チームです(全国選手権一般規則 ナショナル2 第1条)。本土には13の地域リーグがあります(FFF 2026年8月20日)。

その下には、県単位の組織(district)のリーグがあります。R1の下に何段あり、何チームで行うかは地域ごとの規程で決まります。今回は地域リーグごとの2026-27シーズンの規程を確認できていないため、表では「地域ごとに異なる」としています。

海の向こうのクラブと、モナコのクラブ

クープ・ドゥ・フランスには海外のクラブも出る

国内カップの「クープ・ドゥ・フランス(Coupe de France)」は、アマチュアのクラブも参加する勝ち抜き戦です。2026-27大会では、7回戦から本土の地域リーグを勝ち上がった155クラブに、2部の18クラブと、海外の11クラブが加わります。海外の11クラブは、ギアナ、マルティニーク、グアドループ、レユニオンから2クラブずつ、ニューカレドニア、タヒチ、マヨットから1クラブずつです。1部の18クラブは、ベスト64(32es de finale)から登場します(FFF 執行委員会 附則5(2026-27))。

このうちニューカレドニアとタヒチは、オセアニアサッカー連盟(OFC)に別の協会として加盟しています(OFC「Member Associations」)。FIFA上の協会の単位と、フランスという国の範囲が一致しない例です。これらの地域のクラブがフランスのリーグ戦の昇格・降格にどう関わるかは、今回の資料では確認できませんでした。

コルシカ島のクラブ

地中海のコルシカ島のクラブも、全国リーグに参加しています。2026-27シーズンのナショナル1には、コルシカの地域リーグから2クラブが入っています(FFF 2026年8月20日)。全国選手権の規則には、コルシカと本土の間の移動に定額の手当を出す決まりがあります(全国選手権一般規則 第20条)。

モナコのクラブも1部でプレー

隣国モナコ公国(モナコ政府)のクラブ、ASモナコはフランスのリーグ・アンでプレーしています。2026-27シーズンの開幕節では、ル・アーヴルとアウェーで対戦しました(LFP 2026年6月10日)。

2026-27シーズンの日程

リーグ 開幕 冬の中断 最終節
1部 リーグ・アン 2026年8月21日(金) 第14節(2026年12月12日の週末)のあと、2027年1月2日の週末に再開 2027年5月29日(土)
3部 リーグ・トロワ 2026年8月上旬 確認できず 確認できず
4部 ナショナル1 2026年8月21日(金) 前半戦の最終は2027年1月23日 2027年5月29日(土)
5部 ナショナル2 2026年8月29日(土) 前半戦の最終は2027年2月6日 2027年5月29日(土)

出典:1部はLFP 2026年6月10日、3部はFFF 2026年5月12日、4部・5部はFFF 2026年7月16日とFFF 2026年8月20日。

1部は18クラブがホーム&アウェーで2回ずつ対戦する全34節です(LFP 競技規則 第518条)。

見始めるならこのクラブ

RCランス(RC Lens)

上で紹介した、炭鉱の街のクラブです。スタジアムの成り立ちから地域の歴史がわかります。

オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)

2025-26シーズンのリーグ・アンで最も多くの観客が入った試合は、マルセイユ対ブレスト(第12節)の66,279人でした。マルセイユは平均観客35,000人超の5クラブの一つです(LFP 2026年5月26日)。

下のリーグにも大観衆:ボルドー

2025-26シーズンの4部(当時のナショナル2)では、2026年5月9日のボルドー対レ・ゼルビエに27,508人が入り、この階層の観客記録になりました(FFF 2026年8月20日)。

日本人選手との接点

LFPは2024年1月の記事で、リーグ・アンでプレーした日本人選手を一覧にしています。最も長くプレーしたのは松井大輔選手で、2004年から2012年にかけてル・マン、サンテティエンヌ、グルノーブル、ディジョンの4クラブで148試合に出場しました。ほかに、マルセイユの酒井宏樹選手(2016〜2021年、145試合)、メスとストラスブールの川島永嗣選手(2016〜2023年)、モナコの南野拓実選手(2022年から)、スタッド・ドゥ・ランス(Reims)の伊東純也選手(2022年から)などが挙がっています(LFP 2024年1月3日)。

2026-27シーズンは、前シーズンに2部のスタッド・ドゥ・ランスで14得点した中村敬斗選手が、リヨン(OL)でプレーしています(LFP 2026年9月9日)。

※スタッド・ドゥ・ランスの本拠地ランス(Reims)は、上で紹介した炭鉱の街ランス(Lens)とは別の街です。

日本との比較

項目 フランス(2026-27シーズン) 日本(2026-27シーズン)
開催時期 8月21日開幕・5月29日最終節。冬の中断は12月中旬〜1月上旬 8月7日開幕・6月6日閉幕。12月中旬〜2月中旬は中断 ※1
1部の規模 18クラブ・全34節 J1は20クラブ・全38節 ※2
1部から2部へ 自動降格2。16位は入れ替え戦 下位3が降格 ※2
2部から1部へ 自動昇格2。3〜5位のプレーオフ勝者は、1部16位との入れ替え戦に勝てば昇格 自動昇格2。3〜6位のJ1昇格プレーオフ優勝が昇格(入れ替え戦なし)※2
3部 リーグ・トロワ(2026-27からFFFが運営するプロリーグ) J3
全国リーグと地域リーグ 5部(ナショナル2)までが全国の大会。6部から地域リーグ(R1)、その下に県単位のリーグ J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※3

※1 Jリーグ「シーズン移行」
※2 Jリーグ「大会概要 J1」
※3 JFA「国内の競技会」

2026-27シーズンは、日本もフランスと同じく夏に開幕して翌年の5〜6月に終わる日程になりました。違いは冬の中断の長さで、フランスの1部は約3週間、日本は約2か月です。3部をプロのリーグとして整え直した点も、両国に共通する動きですが、フランスでは協会(FFF)が直接運営し、昇格するクラブの財務をDNCGが審査する形をとっています。クラブ数や国土、気候が違うため、どちらの制度が良いかを単純に比べることはできません。

試合の日程・結果を見るには

  • 1部・2部:リーグ・アン公式サイト(LFP)、順位表はClassement Ligue 1 McDonald’s
  • 3部〜5部:FFF公式サイト(「Les compétitions」のページ)
  • 映像:リーグ・トロワの全試合は「Ligue 1+」で配信されます(FFF 2026年5月12日)

日本から試合を生中継で見る方法と、日本で再生できる公式の映像は、2026年10月5日時点で確認できていません。

よくある質問

Q. フランスのサッカーリーグは何部まで?

A. 2026-27シーズンは、全国の大会が5部(ナショナル2)までです。6部のレジオナル1から下は地域リーグと県単位のリーグで、段数は地域ごとに異なります。

Q. 「ナショナル」はなくなった?

A. 3部の「ナショナル」は、2026-27シーズンから「リーグ・トロワ」に名前が変わり、プロのリーグになりました。あわせて、旧ナショナル2はナショナル1、旧ナショナル3はナショナル2に名前が変わっています。

Q. 2部の上位チームは何チーム昇格する?

A. 自動昇格は1位と2位の2チームです。3〜5位のプレーオフを勝ち抜いたチームは、1部16位との入れ替え戦に勝った場合だけ昇格します。

Q. フランスのリーグはいつ行われている?

A. 2026-27シーズンのリーグ・アンは、2026年8月21日に開幕し、2027年5月29日に最終節を迎えます。12月中旬から1月上旬に冬の中断があります。

Q. ビッグクラブの2軍は3部に上がれる?

A. 上がれません。リーグ・トロワに参加できるのは1軍だけで、2軍が上がれるのは4部のナショナル1までです。


調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度・日程は2026-27シーズン、観客数は2025-26シーズン)

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