フィンランドの1部リーグ「ヴェイッカウスリーガ(Veikkausliiga)」は、春に開幕し、秋に終わります。2026シーズンは4月4日に開幕し、優勝を争う上位6クラブの最終節は11月8日です。
1部の特徴は、シーズンの途中でリーグが2つに分かれることです。12クラブが2回ずつ対戦する22節を終えると、上位6クラブは「Mestaruussarja(優勝争いのリーグ)」、下位6クラブは「Karsintasarja(残留争いのリーグ)」に分かれます。それまでの勝ち点は持ち越されます。
人口は5,659,324人(2026年8月末時点の速報値、フィンランド統計局 2026年9月22日)。スウェーデン語を話す島、オーランド諸島のクラブが1部で優勝したこともあります。
この記事では、次のことがわかります。
- フィンランドのリーグは何部まであり、どこから地域のリーグになるか
- 1部が上下に分かれる仕組みと、昇格・降格の決まり
- どのクラブから見始めればいいか、公式の日程・結果はどこで見られるか
- 日本のリーグとの違いと、日本人選手との接点
※リーグ制度と日程は2026シーズンの協会・リーグの規程と発表にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグです。女子のリーグは名前だけを紹介します(2026年10月6日確認)。
フィンランドと日本
フィンランドは北ヨーロッパの国で、西はスウェーデン、東はロシアと接しています。1917年12月にロシアから独立しました(在フィンランド日本国大使館「Japanese-Finnish Bilateral Relations」)。
憲法は、国語をフィンランド語とスウェーデン語の2つと定めています。先住民族のサーミの人々などが、自分たちの言語と文化を守り発展させる権利も、憲法に書かれています(フィンランド憲法 第17条)。
南西の海にあるオーランド諸島(フィンランド語でアハヴェナンマー)は、法律で自治が認められた地域です。この法律は、オーランドの公用語をスウェーデン語と定めています(オーランド自治法 第1条・第36条)。サッカーでは、オーランドのクラブもフィンランドのリーグでプレーしています。
日本は1919年5月にフィンランドの独立を承認しました。1978年には、北欧の国として初めて日本と文化協定を結んでいます。1983年にはフィンエアーが東京とヘルシンキを結ぶ直行便を始め、2016年には両国が「戦略的パートナーシップ」に関する共同声明を出しました(在フィンランド日本国大使館、同上)。2019年には外交関係100周年を迎えています(駐日フィンランド大使館「Diplomatic relations between Finland and Japan」)。
フィンランドのサッカーのあゆみ
フィンランドサッカー協会(Suomen Palloliitto、略称SPL)は1907年に生まれ、1908年にFIFA、1954年にUEFAに加盟しました。最初の選手権(非公式)は1905年に行われています(UEFA「Football Association of Finland」)。
男子代表が初めて主要な国際大会に出場したのは、EURO2020です。予選のグループJを2位で通過しました(UEFA 2021年6月7日)。同じ時期に、女子代表は女子EURO2022、フットサル代表は2022年のフットサルEUROにも出場しています(UEFA「Football Association of Finland」)。2026年W杯には出場していません(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」)。
リーグの仕組み(男子・2026シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | ヴェイッカウスリーガ(Veikkausliiga) | 12 | (最上位) | 12位は自動降格。11位は2部2位との入れ替え戦へ | 全国 |
| 2部 | ユッコスリーガ(Ykkösliiga) | 10 | 1位は自動昇格。2位は1部11位との入れ替え戦へ | 10位は自動降格。9位は3部2位との入れ替え戦へ | 全国 |
| 3部 | ユッコネン(Ykkönen) | 12 | 1位は自動昇格。2位は2部9位との入れ替え戦へ | 11・12位が自動降格 | 全国 |
| 4部 | カッコネン(Kakkonen) | 30(10チーム×3グループ) | 上位8チームのプレーオフを勝ち抜いた2チーム | 各グループの9・10位(計6チーム) | 全国 |
| 5部 | コルモネン(Kolmonen) | 地域ごとのグループ | 各グループ1位が4部への昇格プレーオフへ | 地域ごとの規程による | 地域(4つの地域) |
| 6部以下 | ネロネン(Nelonen)、ヴィトネン(Vitonen)、クトネン(Kutonen)など | 地域ごとに異なる | 地域ごとの規程による | 地域ごとの規程による | 地域(4つの地域) |
出典:ヴェイッカウスリーガ公式「Sarjajärjestelmä」、フィンランドサッカー協会「Jalkapallon kilpailumääräykset 2026」 第3.10条・第6.12条、協会の大会規程(Ykkösliiga)、同(Miesten Ykkönen)、同(Miesten Kakkonen)、協会「Ilmoittautumiset jalkapallokaudelle 2026」2026年1月9日
※入れ替え戦は、すべてホーム&アウェーの2試合で行います。
※5部以下のグループ数、チーム数、降格の数は地域ごとに決められていて、この記事ではすべての地域を確認していません。
全国のリーグと地域のリーグ
協会の競技規則は、全国の大会として、男子ではヴェイッカウスリーガ、ユッコスリーガ、ユッコネン、カッコネンの4つのリーグを挙げています。全国の大会を主催するのは、協会の理事会か、理事会が定める組織です。それ以外の大会は「地域の大会」で、それぞれの地域の担当グループが運営します(協会「Jalkapallon kilpailumääräykset 2026」第3.10条)。つまり、全国のリーグは4部まで、5部のコルモネンからは地域のリーグです。
2026シーズンは、地域のリーグの参加受付が「南(Etelä)」「東(Itä)」「西(Länsi)」「北(Pohjoinen)」の4つの地域に分かれて行われました(協会 2026年1月9日)。たとえばヘルシンキでは、5部のグループの一つに、ヘルシンキ市内の9チームと隣のヴァンター市の3チームが入っています。グループ1位には、4部への昇格プレーオフが待っています(Atletico Malmi 2025年11月27日)。
1部:22節のあと、上位6と下位6に分かれる
2026シーズンの1部は、次の順で進みます(ヴェイッカウスリーガ公式「Sarjajärjestelmä」)。
- 12クラブが2回ずつ対戦する通常シーズン(22節)
- 上位6クラブは、さらに2回ずつ対戦する「Mestaruussarja」(10節)
- 7〜12位の6クラブは、1回ずつ対戦する「Karsintasarja」(5節)
勝ち点は通常シーズンから持ち越されます。2025シーズンの最終順位を見ると、この仕組みがよくわかります。KuPSは22節の時点では4位(勝ち点44)でしたが、上位6クラブのリーグで勝ち点を67まで伸ばし、優勝しました。通常シーズン1位のFC Inter(勝ち点46)は2位でした(ヴェイッカウスリーガ公式 2025シーズンの順位表)。上位のクラブは全32試合、下位のクラブは全27試合です。
優勝クラブはUEFAチャンピオンズリーグの予選に、2位と3位はUEFAカンファレンスリーグに出場します。国内カップ(Suomen Cup)の優勝クラブにもカンファレンスリーグの出場枠があります(ヴェイッカウスリーガ公式「Sarjajärjestelmä」)。1部に参加するには、ライセンス(Veikkausliigalisenssi)が必要です(ヴェイッカウスリーガ公式「Veikkausliigalisenssi」)。
2部と3部:シーズンの組み方が違う
2部のユッコスリーガは10チームで、3回ずつ対戦する全27節です。3部のユッコネンは12チームで、2回ずつ対戦する22節のあと、1部と同じように上位6と下位6に分かれ、全27節で順位を決めます(協会の大会規程 Ykkösliiga、Miesten Ykkönen)。
4部:3つのグループと、昇格をかけたプレーオフ
4部のカッコネンは、10チームずつ3つのグループに分かれて、2回ずつ対戦します。その後、各グループの上位6チームは1回ずつ対戦する上位のリーグ、下位4チームは2回ずつ対戦する下位のリーグに分かれます。
3部へ上がれるのは2チームです。上位8チームを4チームずつ2つの組に分け、それぞれホーム&アウェーの準決勝と決勝を行い、勝ち残った2チームが昇格します。各グループの9位と10位、合わせて6チームは5部に降格します(協会の大会規程 Miesten Kakkonen)。2026シーズンからは、プレーオフに進むチームを、シーズン全体の1試合あたりの勝ち点で選ぶ方法に変わりました(協会 2025年12月16日)。
4部は2026シーズン、4月17日に開幕しました。ヘルシンキ周辺のクラブが集まるグループ、エスポー周辺のクラブが集まるグループ、中部・北部のクラブのグループに分かれています(協会「Miesten Kakkosen otteluohjelma julkaistu kaudelle 2026」)。
2軍(リザーブチーム)は1部に上がれない
フィンランドでは、上位のクラブの2軍も下のリーグに参加しています。たとえば2026シーズンの3部には「FC Inter/2」(FC Interの2軍)、4部には「Ilves/2」(イルヴェスの2軍)が入っています(協会の大会規程 Miesten Ykkönen、協会「Miesten Kakkosen otteluohjelma julkaistu kaudelle 2026」)。
ただし、1部のクラブの2軍や、提携関係にあるクラブは、1部に昇格できません。1部への入れ替え戦にも出られません(協会「Jalkapallon kilpailumääräykset 2026」第6.12条)。
女子のリーグ
女子の全国リーグは、最上位の「カンサッリネン・リーガ(Kansallinen Liiga)」と、その下のユッコネン、カッコネンです(協会「Jalkapallon kilpailumääräykset 2026」第3.10条)。この記事では、女子のリーグのチーム数や昇降格は扱っていません。
2026シーズンの日程
2026シーズンの1部は、4月4日(土)に開幕しました。開幕戦は、タンペレのイルヴェスが前年王者のKuPSをタンメラ・スタジアムに迎えました。通常シーズンの最終節は8月31日(月)でした(イルヴェス公式 2025年12月19日)。
上位6クラブのリーグは9月8日から11月8日まで、全10節です。最終節は11月8日(日)15時に行われます(FC Inter公式 2026年9月2日更新)。
冬の間、リーグ戦は行われません。秋に終わったシーズンから翌年の春の開幕までが、オフシーズンです。
見始めるならこのクラブ
KuPS(クオピオ)
東部の街クオピオのクラブで、2025シーズンの王者です。22節の時点では4位でしたが、上位6クラブのリーグで逆転しました(ヴェイッカウスリーガ公式 2025シーズンの順位表)。
IFKマリエハムン(IFK Mariehamn)
オーランド諸島の中心の町、マリエハムンのクラブです。2016年10月23日、ホームでイルヴェスに2対1で勝ち、初めて1部で優勝しました。オーランドのクラブが1部で優勝したのは、これが初めてです。この試合には4,335人が入り、公共放送Yleは「町の人口約1万1千人の3分の1を超える」と伝えています(Yle 2016年10月23日)。2026シーズンも1部でプレーしています(ヴェイッカウスリーガ公式 2026シーズンの順位表)。
HJK(ヘルシンキ)
首都ヘルシンキのクラブで、ホームはボルト・アレーナです(HJK公式)。日本人選手の田中亜土夢選手が2015年から2017年まで所属し、2017シーズンはリーグとカップの2冠に貢献しました(下の「日本との比較」を参照)。
FC Inter(トゥルク)
南西部の街トゥルクのクラブです。2025シーズンは通常シーズン1位、最終順位は2位でした。3部には2軍の「FC Inter/2」が参加しています(ヴェイッカウスリーガ公式 2025シーズンの順位表、協会の大会規程 Miesten Ykkönen)。
日本との比較
| 項目 | フィンランド(2026シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 4月4日開幕・上位6クラブの最終節は11月8日 | J1は2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 12クラブ。上位は全32試合、下位は全27試合 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部の方式 | 22節のあと上位6と下位6に分かれ、勝ち点を持ち越す | 1回のリーグ戦(ホーム&アウェー)で順位を決める ※1 |
| 1部から2部へ | 12位が自動降格。11位は2部2位との入れ替え戦 | 下位3クラブが降格 ※1 |
| 2部から1部へ | 1位が自動昇格。2位は入れ替え戦に勝てば昇格 | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| 全国リーグと地域リーグ | 全国は4部まで。5部から4つの地域のリーグ | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
一番大きな違いは、シーズンの時期です。フィンランドは春に開幕して秋に終わり、冬はリーグ戦をしません。日本は2026-27シーズンから8月開幕・翌年6月閉幕に移り、冬に中断をはさむ形になりました。
1部の方式も違います。フィンランドの1部は、シーズンの途中で上位と下位に分かれ、上位のクラブは下位のクラブより5試合多く戦います。J1は全クラブが同じ数の試合を戦い、順位を決めます。
日本人選手との接点では、田中亜土夢選手がアルビレックス新潟から2015年にHJKへ移りました。背番号10をつけ、2017シーズンはリーグ優勝とカップ優勝の2冠に貢献しています。2018年1月6日にセレッソ大阪への完全移籍が発表され、Jリーグに戻りました(Goal.com 2018年1月6日)。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程・結果:ヴェイッカウスリーガ公式「Ottelut 2026」
- 1部の順位表:ヴェイッカウスリーガ公式「Joukkueet 2026」
- 2部以下の日程・結果・順位表:フィンランドサッカー協会「Tulospalvelu」
- 公式YouTube:Veikkausliiga(ヴェイッカウスリーガ公式サイトからリンクされているチャンネル)
公式サイトはフィンランド語が中心です。日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. フィンランドのサッカーリーグは何部まで?
A. 2026シーズンは、全国のリーグが4部(カッコネン)までです。5部のコルモネンから下は、4つの地域ごとのリーグです。何段目まであるかは地域によって違います。
Q. フィンランドのリーグはいつ行われている?
A. 春から秋です。2026シーズンの1部は4月4日に開幕し、優勝を争う上位6クラブの最終節は11月8日です。冬はリーグ戦がありません。
Q. 1部はどうやって優勝を決める?
A. 12クラブが22節を戦ったあと、上位6クラブがさらに10節を戦います。勝ち点は持ち越されるので、通常シーズンの順位から逆転することもあります。2025シーズンは、22節の時点で4位だったKuPSが優勝しました。
Q. 2部から1部へは何チーム昇格する?
A. 2部の1位は自動で昇格します。2部の2位は1部の11位とホーム&アウェーの入れ替え戦を行い、勝てば昇格します。
Q. フィンランドは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。男子代表が初めて出場した主要な国際大会は、EURO2020です。
Q. フィンランドでプレーした日本人選手はいる?
A. 田中亜土夢選手が2015年から2017年までHJKに所属し、2017シーズンはリーグとカップの2冠に貢献しました。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度・日程は2026シーズン)

