ペルーの1部リーグ「リーガ1(Liga1、2026年の大会名はLiga1 Te Apuesto)」は、日本のJリーグと違い、1月に始まって12月に終わる暦年のシーズンで行われています。2026シーズンは18クラブが参加し、1月30日からの週末に開幕しました。
この国のリーグには、日本ではあまり見ない仕組みがあります。地区のアマチュアリーグから始まる全国大会「コパ・ペルー(Copa Perú)」で優勝すると、3部を飛ばしてプロの2部に直接上がれるのです。
人口は34,157,732人(国立統計情報庁INEIの2025年国勢調査の結果。RPPが報道)。日本とは、1873年に条約を結んだ古い付き合いがあり、1899年には日本からの移民船が着いています。
この記事では、次のことがわかります。
- ペルーのリーグは何部まであり、プロとアマチュアがどうつながっているか
- 2026シーズンの1部の日程と、優勝・降格の決まり方
- 代表的なクラブと街、日本人・日系の選手との接点
- 日本のリーグと何が違うか、公式の日程・結果はどこで見られるか
※リーグ制度と日程は、ペルーサッカー連盟(FPF)のサイトで公開されている2026年の各大会規程にもとづきます。対象は男子のシニアのリーグが中心で、女子は1つの節で紹介します(2026年10月6日確認)。
ペルーという国と日本
ペルーは南米大陸の太平洋側にある国です。首都はリマで、国勢調査の結果では人口の29.3%がリマ首都圏に住んでいます(INEI、RPP報道)。
憲法は、公用語を「スペイン語(カスティーリャ語)」とし、それが優勢な地域ではケチュア語、アイマラ語などの先住民の言語も公用語だと定めています(ペルー憲法 第48条)。
日本との関係は、1873年に結ばれた「平和友好通商航海条約」から始まります。1899年4月3日には、移民船「佐倉丸(Sakura Maru)」が最初の日本人移民790人を乗せてカヤオ港に着きました。ペルー国会は、日系の人々(ニッケイ)が保健や教育、文化の分野で貢献してきたと紹介しています(ペルー国会 2019年4月3日)。
ペルーのサッカーは、どう広がってきたか
リマのクラブから全国へ
ペルーサッカー連盟(FPF)は1922年8月23日に生まれ、2022年に100周年を迎えました。W杯には1930年、1970年、1978年、1982年、2018年の5回出場しています(FútbolPeruano 2022年8月)。最高成績は1970年と1978年の準々決勝進出です(FIFA「Peruvian Football Association」)。
1970年のメキシコ大会では、テオフィロ・クビジャスが最優秀若手選手に選ばれました。クビジャスはW杯の13試合で10得点を挙げています(FIFA 2018年2月20日)。
アリアンサ・リマとウニベルシタリオ
ペルーで最も古いクラブの一つ、アリアンサ・リマ(Alianza Lima)は、1901年2月15日にリマ中心部で「Sport Alianza」として生まれました。のちにラ・ビクトリア地区に移り、アフリカ系ペルー人のコミュニティと深く結びついたクラブになりました。1970年代にはクビジャスらを擁して1975年、1977年、1978年に優勝しています(RPP 2025年2月)。
このクラブには悲しい歴史もあります。1987年12月8日、プカルパからリマに戻るチームを乗せた飛行機が着陸の直前に墜落し、16人の選手を含む43人が亡くなりました(同上)。
ウニベルシタリオ(Universitario de Deportes)は、1924年8月7日にサン・マルコス大学の学生たちがつくったクラブです。2024年の100周年の時点で、国内リーグの優勝は27回でした(RPP 2024年8月)。
1部の18クラブは全国から
2026シーズンの1部には、リマのアリアンサ・リマ、ウニベルシタリオ、スポルティング・クリスタル、カヤオのスポルト・ボーイズのほか、南部クスコのシエンシアーノとクスコFC、北部カハマルカのUTC(カハマルカ工科大学)とFCカハマルカなど、各地のクラブが参加しています(リーガ1大会規程2026 第19条)。
国土が広いため、規程には移動と気候の決まりもあります。
- リーグ運営団体のLFPP(ペルー・プロサッカーリーグ)が、都市間の移動の費用を負担します。飛行機は1チームにつき最大28人までです(第64条)。
- 年間の平均最高気温が28度以上の街を「高温の都市」とし、スジャナ、プカルパ、イキトス、タラポトなどを例に挙げています。こうした街の試合は、原則として15時以降に組みます(用語の定義、第68条)。
リーグの仕組み(男子・2026シーズン)
| 階層 | 名称 | チーム数 | 昇格 | 降格 | 運営 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1部 | リーガ1(Liga1 Te Apuesto) | 18 | (最上位) | 前期・後期の合計順位で17・18位が2部へ | LFPP(プロ) |
| 2部 | リーガ2(Liga2) | 18(9チーム×2グループ) | 優勝と準優勝の2クラブが1部へ | 降格グループA・Bの各最下位の2クラブが3部へ | LFPP(プロ) |
| 3部 | リーガ3(Liga3) | 37(地域別の4グループ。ビッグクラブのBチーム8つを含む) | 優勝の1クラブが2部へ(Bチームは本隊と同じ階層には上がれない) | 各グループの下位2クラブ、計8クラブがコパ・ペルーへ | FPFの委任を受けたLINFA(全国アマチュアサッカーリーグ) |
| 4部にあたる大会 | コパ・ペルー(Copa Perú) | 地区リーグから始まり、全国段階は50クラブ | 全国優勝は2部へ直接昇格。準優勝は3部へ | 地区リーグの中で入れ替えあり | LINFAと各県のリーグ |
出典:リーガ1大会規程2026 第6〜10条・第19条、リーガ2大会規程2026 第1・6〜10・19条、リーガ3大会規程2026 第1・7・9・10・18条、コパ・ペルー規程2026 一般規定 第1〜20条
※規程は「4部」という言葉を使っていません。コパ・ペルーはアマチュアの全国大会で、3部(リーガ3)から降格したクラブが入り、上位のクラブが3部や2部に上がるため、この表では3部の下に置いています。
※参加要件を満たさないクラブや処分を受けたクラブは、成績とは別に降格することがあります(リーガ1第10条、リーガ2第10条、リーガ3第10条)。
1部:前期・後期とプレーオフで王者を決める
リーガ1は、前期(アペルトゥーラ)と後期(クラウスーラ)に分かれます。どちらも18クラブが1回ずつ対戦する全17節で、前期の対戦をホームとアウェーを入れ替えて後期に行います(第7条)。
優勝の決め方は次のとおりです(第7・8条)。
- 前期と後期の優勝クラブが、合計順位で8位以内に入っていれば、プレーオフに進みます。
- 合計順位の1位と2位もプレーオフに進み、4クラブでホーム&アウェーの準決勝と決勝を行います。決勝の勝者が「年間王者(Campeón Nacional)」です。
- 同じクラブが前期と後期の両方で優勝すると、そのクラブがそのまま年間王者になり、プレーオフは2位を決めるために行います。
2027年の南米の大会への出場枠も、この年間の順位で決まります。1〜4位がコパ・リベルタドーレス、5〜8位がコパ・スダメリカーナです(第9条)。
降格は、前期と後期を合わせた順位表の下位2クラブです(第10条)。外国籍選手は1クラブ7人まで登録でき、7人まで同時にピッチに立てます(第31条)。
2部:プロのリーグを地域別に始める
リーガ2も「プロの2部」と規程に書かれた全国リーグで、1部と同じLFPPが運営します(リーガ2規程 第1条)。
18クラブは、地理的な近さと移動のしやすさで9クラブずつ2グループに分かれ、それぞれホーム&アウェーで全18節を戦います。各グループの上位6クラブは優勝を争うグループへ、下位3クラブは降格を争うグループへ進みます(第7条)。上位のグループを勝ち上がった4クラブがプレーオフを行い、優勝と準優勝の2クラブが1部に上がります(第7・9条)。
2部では、2003年以降に生まれたペルー人選手3人(うち1人は2005年以降生まれ)を、試合中ずっとピッチに置く決まりがあります(第36条)。外国籍選手は4人までです(第31条)。
3部:ビッグクラブのBチームと地方のクラブ
リーガ3は2026年、37クラブが地域別の4グループで戦います。規程は大会を「国内の才能を育てる育成の性格」を持つものと説明しています(リーガ3規程 第36条)。
参加クラブには、アリアンサ・リマ、ウニベルシタリオ、スポルティング・クリスタル、メルガル、シエンシアーノなどの「Bチーム」8つが入っています。Bチームは、本隊と同じクラブとして若い選手を育てるためのチームと定義されています。本隊と同じ階層には上がれず、本隊が降りてくればBチームも1つ下に降ります(第18条、付属書A)。
ほかにも、育成を意識した決まりがあります。
- 2006年以降に生まれたペルー人選手5人を、試合中ずっとピッチに置く(第35条)
- 外国籍選手は2003年以降生まれの2人まで登録でき、試合に出られるのは1人まで(第30条)
- 2026年は、監督とアシスタントコーチをペルー国籍の人に限る(第36条)
地域ステージ(全18節)の上位4クラブが次のステージに進み、最後はホーム&アウェーのプレーオフで優勝を決めます。2部に上がれるのは優勝の1クラブだけです(第7・9条)。
コパ・ペルー:地区のリーグから全国大会へ
コパ・ペルーは、全国アマチュアサッカーリーグ(LINFA)と各県のリーグが運営する、アマチュアの全国大会です(コパ・ペルー規程 一般規定 第1条)。選手は、実際にかかった費用を超える報酬を受け取らない「アマチュア」と定められ、外国籍の選手は出場できません(選手登録規程 第2・46条)。
大会は4つの段階で進みます(一般規定 第2〜18条、最終規定 第4条)。
| 段階 | 時期(2026年) | 内容 |
|---|---|---|
| 地区(Distrital) | 2月〜4月 | 各地区のリーグ戦。1部は原則16チームまで。優勝(6チーム以上なら準優勝も)が次へ |
| 郡(Provincial) | 4月〜6月 | 郡のリーグが主催。優勝と準優勝が次へ |
| 県(Departamental) | 6月〜8月 | 県のリーグが主催。優勝と準優勝が次へ |
| 全国(Nacional) | 9月〜11月 | 50クラブ。グループ戦のあと、ベスト32から勝ち抜き。準々決勝から決勝はリマで1試合 |
地区リーグの1部の戦いそのものが、コパ・ペルーの最初の段階です。クラブは本拠を置く地区のリーグに入ります(地区段階規定 第3条)。
全国大会の優勝クラブは2部(リーガ2)に、準優勝は3部(リーガ3)に直接上がります(一般規定 第20条)。地元のクラブが、地区のリーグ戦から1年でプロのリーグまで駆け上がる道が、制度の上で開かれています。
選手の年齢にも決まりがあります。地区・郡・県の段階では、20歳以下(2006年以降生まれ)の選手2人と、その県で生まれた選手4人を試合中ピッチに置く必要があります。全国段階では20歳以下の選手が3人です(選手登録規程 第41・42条)。
2026シーズンの日程(1部)
2026年のペルーのシーズンは、1月に始まり12月に終わります(リーガ1規程 用語の定義)。
- 前期:2026年1月30日からの週末に開幕し、第17節は5月29〜31日
- 後期:7月17日からの週末に開幕し、第17節は11月27〜30日
- そのあと、年間王者を決めるプレーオフ
(リーガ1規程に付いている前期・後期の日程表による。プレーオフの日付は規程に書かれていません)
女子:リーガ・フェメニーナ
女子の1部「リーガ・フェメニーナ(Liga Femenina)」も、2026年はLFPPが運営しています。12クラブが参加し、前期・後期とも1回ずつの総当たり全11節です。前期と後期の優勝クラブが決勝で年間王者を決め、合計順位の下位2クラブは2部にあたる「リーガ・デ・アセンソ(Liga de Ascenso)」に降格します(リーガ・フェメニーナ大会規程2026 第1・7・8・10・18条)。年間王者には、2027年のコパ・リベルタドーレス女子の出場権が与えられます(第9条)。
代表:2026年W杯
ペルー代表は、2026年W杯に出場していません。FIFAが発表した出場48チームの中に、ペルーは入っていません。南米からはアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイの6チームが出場しました(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。最後に出場したW杯は、36年ぶりの出場となった2018年のロシア大会です(FIFA 2018年2月20日)。
日本との比較
| 項目 | ペルー(2026シーズン) | 日本(2026-27シーズン) |
|---|---|---|
| 開催時期 | 1月末開幕・11月末に後期の最終節、その後プレーオフ | J1は2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕 ※1 |
| 1部の規模 | 18クラブ・前期17節+後期17節 | J1は20クラブ・全38節 ※1 |
| 1部の王者の決め方 | 前期・後期の優勝と合計1・2位によるプレーオフ | リーグ戦の順位 ※1 |
| 1部から2部へ | 合計順位の下位2クラブ | 下位3クラブ ※1 |
| 2部から1部へ | 2部の優勝と準優勝 | 上位2クラブが自動昇格。3〜6位のプレーオフ勝者が昇格。ライセンス判定で数が変わることがある ※1 |
| プロと地域の境目 | 1・2部がプロ(LFPP)。3部はLINFAの運営で、Bチームも参加。その下に地区から始まるコパ・ペルー | J1・J2・J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ(47)※2 |
※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」
日本の下部リーグは、都道府県リーグから地域リーグ、JFLへと、1段ずつ上がっていく形です。ペルーでは、アマチュアのコパ・ペルーの全国優勝クラブが、3部を飛ばして2部に上がります。
1部の年間王者を、リーグ戦の順位だけでなくプレーオフで決める点も違います。前期・後期それぞれの優勝に加えて、年間の合計順位がプレーオフの出場や降格、南米の大会への出場枠に使われます。
日本との接点
日本代表とペルー代表は、2023年6月20日にパナソニック スタジアム 吹田でキリンチャレンジカップを戦い、日本が4-1で勝ちました(JFA 2023年6月21日)。
愛知県で生まれたノリエガ・エリック選手は、6歳で両親の故郷のペルーに移り、アリアンサ・リマの下部組織でプレーしました。その後、清水エスパルスのユースとトップチームなどを経てペルーに戻り、2024年にアリアンサ・リマに加入しています。2024年3月には、ペルー代表としてデビューしました(サッカーキング 2024年7月2日)。
試合の日程・結果を見るには
- 1部の日程:リーガ1公式「Fixture」
- 1部の順位表(後期・合計):リーガ1公式「Tabla de posiciones」
- 1部の規程・資料:リーガ1公式「Reglamentos」
- 2部:リーガ2公式サイト(FPF公式サイトからリンクされているサイト)
- コパ・ペルー:コパ・ペルー公式サイト(FPF公式サイトからリンクされているサイト)
- 公式YouTube:LFPP_oficial(リーガ1公式サイトからリンクされているチャンネル)
公式サイトはスペイン語です。日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月6日時点で確認できていません。
よくある質問
Q. ペルーのサッカーリーグは何部まで?
A. プロのリーグは1部(リーガ1)と2部(リーガ2)です。その下に3部(リーガ3)があり、さらに地区のリーグから始まるアマチュアの全国大会「コパ・ペルー」が続きます。
Q. ペルーのリーグはいつ行われている?
A. 1月に始まり12月に終わる暦年のシーズンです。2026年の1部は、前期が1月末から5月末、後期が7月中旬から11月末で、そのあとプレーオフを行います。
Q. 1部から何チーム降格する?
A. 2026シーズンは、前期と後期を合わせた順位表の下位2クラブが2部に降格します。2部からは優勝と準優勝の2クラブが上がります。
Q. アマチュアのクラブもプロのリーグに上がれる?
A. 上がれます。コパ・ペルーの全国大会で優勝したクラブは2部に、準優勝のクラブは3部に直接昇格します。
Q. ペルーは2026年W杯に出場した?
A. 出場していません。最後の出場は2018年のロシア大会です。
調査基準日:2026年10月6日(リーグ制度・日程は2026シーズン)
