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パナマのサッカーリーグはどんな仕組み? LPFからリーガPROM、地域の大会まで、運河の国のクラブと代表【2026-27シーズン】

2026 10/15
世界のサッカー調査
2026年10月15日

パナマの1部リーグ「LPF(Liga Panameña de Fútbol)」は、12クラブが東西2つのカンファレンスに分かれて戦います。2026-27シーズンは、2026年7月24日に始まった前期の「アペルトゥーラ」と、2027年に行う後期の「クラウスーラ」で、それぞれ優勝クラブを決めます。

その下には2部の「リーガPROM」、3部の「LFN」があり、さらに下は全国各地のアマチュアのリーグにつながっています。ただし、パナマでは2部で優勝しても、それだけでは1部に上がれません。1部に「地理的な空き枠」があることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

代表チームは2018年ロシア大会でW杯に初出場し、2026年大会にも出場しました。

この記事では、次のことがわかります。

  • パナマのリーグは何部まであり、昇格と降格はどうつながっているか
  • 1部の大会が1年に2回あるのはなぜか、2026年に何が変わったか
  • どのクラブ・どの街から見始めればいいか、公式の日程・結果はどこで見られるか
  • 日本のリーグと何が違うか

※対象は男子のトップチームのリーグです(女子リーグは最後に少しだけ触れます)。制度は2026-27シーズンの規程にもとづきます(2026年10月5日確認)。

目次

パナマと日本

パナマは、北米と南米をつなぐ細長い地峡にある国です。国の真ん中を太平洋と大西洋(カリブ海)を結ぶパナマ運河が通っています。

公用語はスペイン語です。憲法は先住民の言語についても、保存と普及の対象とし、先住民の地域で二言語の識字教育を行うと定めています(パナマ共和国憲法 第7条・第88条(Constitute Project掲載の条文))。

2023年の国勢調査で数えられた人口は4,064,780人です。そのうち17.2%が先住民のいずれかの民族に属すると答え、31.7%がアフロ系(アフリカ系の子孫)と自認しました(パナマ国立統計・国勢調査局(INEC)2023年国勢調査の解説)。

日本とパナマの外交関係は1904年1月7日に始まりました。パナマがコロンビアから独立した数か月後のことです。日本人技師の青山士(あおやま あきら)は1904年から1911年まで運河の建設工事に加わり、日本は運河を多く利用する国の一つでもあります(La Estrella de Panamá「Por 120 años más」)。

サッカーでは、日本代表とパナマ代表は2018年10月12日に新潟で(日本が3対0で勝利。JFA)、2020年11月13日にオーストリアのグラーツで(日本が1対0で勝利。JFA)対戦しています。

パナマのサッカーは、どう広がってきたか

プロリーグの始まりは1988年

パナマのプロリーグは、1988年に「ANAPROF」として始まりました。最初の試合は1988年2月26日のプラサ・アマドール対タウロです。1993年には別のリーグ「LINFUNA」ができて2つに分かれましたが、1996年1月6日に再び1つになりました。2009年に現在のLPFという名前に変わっています(LPF公式「Historia」)。

その後も形は何度も変わりました。2001年に年間で1つの優勝クラブを決める形にしたあと、2007年に前期・後期の2大会制に戻りました。2021年2月には12クラブに増やし、東西のカンファレンス制を取り入れています(同上)。

国の主な競技場に名前が残る選手

首都パナマシティにある国の主な競技場は「エスタディオ・ロンメル・フェルナンデス」と呼ばれます。ロンメル・フェルナンデスは、スペインのテネリフェ、バレンシア、アルバセテでプレーしたパナマのストライカーです。アルバセテに在籍していた1993年5月6日、交通事故で亡くなりました。パナマはこの競技場に彼の名前をつけ、5月6日を「パナマのサッカー選手の日(Día del Futbolista Panameño)」としています(TVN「Rommel Fernández Gutiérrez, recordado a 31 años de su muerte」)。

この競技場は、今も大事な試合の舞台です。2017年10月10日、パナマはここでコスタリカに2対1で逆転勝ちし、初めてのW杯出場を決めました。決勝点は88分、DFロマン・トーレスのゴールでした(CONCACAF 2017年10月10日)。2026年5月23日のLPFクラウスーラ2026の決勝も、この競技場で行われています(La Prensa 2026年5月23日)。

2回目のW杯(2026年大会)

パナマは北中米カリブ海予選の最終戦でエルサルバドルに3対0で勝ち、グループ1位で2回目のW杯出場を決めました(FIFA「Qualified teams for the FIFA World Cup 2026」2026年3月31日)。本大会ではグループLでガーナ、クロアチア、イングランドに敗れ、グループ最下位で大会を終えました(FIFA「World Cup 2026: Qualified and eliminated teams」2026年6月27日)。

リーグの仕組み(男子・2026-27シーズン)

階層 名称 チーム数 方式 上の階層へ 下の階層へ 運営
1部 LPF(Liga Panameña de Fútbol) 12(東6・西6) 前期アペルトゥーラ2026・後期クラウスーラ2027。各大会でリーグ戦16試合のあとプレーオフ (最上位) 最下位のクラブが降格の対象。ただし2部の優勝クラブが条件を満たさない場合、罰金を払って残留できる LPF
2部 リーガPROM(Liga PROM) 24(東西のカンファレンス×南北の地区) 前期・後期の2大会。各大会で16試合のあと地区上位がプレーオフ。前期と後期の優勝が異なれば「スーパーファイナル」 優勝クラブが1部の「地理的な空き枠」などの条件を満たせば昇格 東西それぞれ、年間の順位表で最下位のクラブがLFNへ LPF
3部 LFN(Liga de Fútbol Nacional) 2026-27シーズンの数は未確認 東西のカンファレンス。前期・後期の2大会 東西それぞれのカンファレンス優勝クラブが、条件を満たせば昇格 地域のリーグへ(詳細は未確認) パナマサッカー連盟(FPF)
4部相当以下 州(provincia)・郡(distrito)・地区(corregimiento)のリーグ 地域ごとに異なる 地区リーグ1〜6月、郡リーグ7〜9月、州リーグ9〜12月(成人の部) 州リーグからLFNへ上がるクラブがある(条件は未確認) 地域ごとの規程による 連盟に加盟する各地のリーグ

出典:LPF「Reglamento de Competencias」2026年6月版(2026-27シーズン用) 第1条、附属書II(LPF)第7〜16条、附属書III(リーガPROM)第8〜16条/LPF規約(Estatutos LPF 2024) 第18条/FPF「Reglamento de Fútbol Aficionado 2026」 第2条・第4条/FPF 2026年2月24日

1部:1年に2回、優勝クラブが決まる

LPFの12クラブは、地理的に東と西のカンファレンスに分かれます(大会規程 附属書II 第8条)。

カンファレンス クラブ(2026-27シーズン)
東 アリアンサ、プラサ・アマドール、UMECIT、スポルティング・サンミゲリート、タウロ、アラベ・ウニード
西 ベラグアス・ユナイテッド、CAI、サンフランシスコ、ウニオン・コクレ、ウニベルシタリオ、エレーラ

各クラブは、同じカンファレンスの5クラブと2回ずつ(10試合)、もう一方のカンファレンスの6クラブと1回ずつ(6試合)対戦し、1大会で16試合を戦います(第10条)。

そのあとのプレーオフは次のとおりです(第10〜14条)。

  1. 各カンファレンスの1位は、準決勝に直接進む
  2. 各カンファレンスの2位は、反対側のカンファレンスの3位と1試合だけのプレーオフを戦う
  3. 準決勝はホーム&アウェー
  4. 決勝は1試合だけ

この流れを、前期の「アペルトゥーラ」と後期の「クラウスーラ」で1回ずつ行います。2026年のアペルトゥーラは、7月24日に開幕し、リーグ戦は11月8日まで、決勝は12月5日の予定です(La Prensa 2026年7月8日)。クラウスーラ2027の日程は、10月5日時点で確認できていません。選手の契約は、シーズンの終わりとして2027年6月30日までを最低の期間とする決まりです(附属書II 第17条)。

北中米カリブ海の国際大会への出場枠は、アペルトゥーラの優勝クラブ、クラウスーラの優勝クラブ、2大会のリーグ戦の勝ち点合計が最も多いクラブの3つです(第15条)。

2026年の切り替え:7月開幕に

2025年は、1年の中でアペルトゥーラ2025とクラウスーラ2025を行っていました。プラサ・アマドールは両方で優勝し、2026年前半のクラウスーラ2026でも、5月23日の決勝でアリアンサを3対2で破って3大会連続の優勝を果たしました。LPFでの優勝は通算10回目です(La Prensa 2026年5月23日)。

2026年7月からは、大会規程が「2026-2027シーズン」として、アペルトゥーラ2026とクラウスーラ2027を1つのシーズンにまとめています(大会規程 第1条)。LPFは、この変更を「中米のほかのリーグとそろえて、国際大会のための勝ち点の積み上げを始める」ものと説明しています(La Prensa 2026年7月21日)。

昇格には「地理的な空き枠」が必要

パナマの昇格と降格は、LPFの規約に定められています(大会規程 附属書II 第16条)。

1部に参加するには、「スポーツフランチャイズ(franquicia deportiva)」と、パナマサッカー連盟(FPF)が出す「ライセンスA」が必要です。2部のクラブが1部に上がるには、次の条件をすべて満たす必要があります(LPF規約 第18条5項)。

  • 2部リーガPROMで優勝する
  • 1部に、そのクラブが入れる「地理的な空き枠(plaza geográfica)」がある
  • フランチャイズの規程を守り、加入料を払う
  • ライセンスAを持っている

「地理的な空き枠」とは、LPFの理事会が人口、商業的な見込み、運営の実現性、競技場の有無を考えて決める、昇格・降格ができる地域の単位です(LPF規約 用語集27)。

条件を満たせない場合、1部の最下位のクラブは、罰金1万バルボアを払えば1部に残れます。このとき、リーグからの補償金3万バルボアと合わせた4万バルボアが、昇格できなかった2部のクラブに支払われます(同 第18条6項)。どの順位表で「最下位」を決めるかは、今回読んだ規約と大会規程の条文には書かれていませんでした。

実際の例では、2025年11月、ウニオン・コクレがリーガPROMのスーパーファイナルでアトレティコ・ナシオナルを1対0で破り、1部への昇格を決めました(La Estrella de Panamá 2025年11月27日)。一方で、2025年7月には、ポトロス・デル・エステが成績ではなくライセンスの取り消しによって2部に降格しています(La Prensa 2025年7月3日)。

2部リーガPROM:1部クラブの2軍も同じリーグに

リーガPROMは24チームで、東西のカンファレンスがそれぞれ北と南の地区に分かれます(大会規程 附属書III 第8条)。2026-27シーズンの24チームには、LPFのクラブと同じ名前のチームが11含まれています(同上)。大会規程は、1部クラブの下部チームを「filial(系列チーム)」、そうでないクラブを「no filial(Ascenso)」と呼び分け、登録できる選手の数などを別に決めています(附属書III 第17条)。

各大会では、同じ地区のチームと2回ずつ、同じカンファレンスの別の地区と1回ずつ戦い、各地区の上位2チームがプレーオフに進みます。前期と後期の優勝クラブが異なる場合、2つの優勝クラブが「スーパーファイナル」でシーズンの王者を決めます(附属書III 第10〜15条)。

降格は、東西それぞれのカンファレンスで年間の順位表の最下位になったチームです。代わりに、3部LFNの東西それぞれの優勝クラブが上がります。ただし、3部のクラブが競技場や加入料、「ライセンスB」などの条件を満たさない場合、入れ替えは行われません(附属書III 第16条、LPF規約 第18条7・8項)。

若い選手を出す決まり

LPFの各クラブは、2007年以降に生まれたパナマ人選手を、1大会のリーグ戦で合計1,200分以上出場させなければなりません。達しなかったクラブは、勝ち点を3引かれます。外国籍選手は、1部と2部のチームを合わせて最大5人まで登録でき、同時にピッチに立てるのは3人までです(附属書II 第6条・第7条)。2部リーガPROMでは、2009年以降に生まれたパナマ人選手で同じ1,200分の決まりがあります(附属書III 第6条)。

3部LFNと、その下の地域のリーグ

3部のLFNは、パナマサッカー連盟(FPF)が運営する全国大会です。以前は「コパ・ロンメル・フェルナンデス」と呼ばれていたアマチュアの大会を、2023年に新しいリーグとして立ち上げ直しました(Panamá América 2023年9月28日)。

LFNも2026年に切り替えがありました。2026年前半の大会は「移行大会」とされ、年間の順位表の勝ち点はアペルトゥーラ2026から数え始めます。州のリーグから新しく上がってきたクラブとして、ベラクルスのデポルティボ・アナ・ルイサ・フローレスと、コロン県のバンブFCが紹介されています(FPF 2026年2月24日)。アペルトゥーラ2026は8月に始まっています(FPF 2026年8月8日)。

LFNの下には、連盟に加盟する各地のアマチュアのリーグがあります。成人の部は、地区(corregimiento)のリーグが1〜6月、郡(distrito)のリーグが7〜9月、州のリーグが9〜12月と、1年の中で地区から州へ段階的に大会が進む決まりです。チーム数や方式は、それぞれのリーグが決めます(FPF「Reglamento de Fútbol Aficionado 2026」第2条・第3条)。LFNから降格したクラブも、この地域のリーグの規程に従います(同 第4条)。

女子リーグ

女子は、FPFの「LFF(Liga de Fútbol Femenino)」があります。2026年前半のクラウスーラ2026は10クラブが東西のカンファレンスに分かれ、決勝は5月10日の予定でした(Panamá América 2026年1月19日)。2026-27シーズンの形式は、この記事では確認していません。

見始めるならこのクラブ

プラサ・アマドール(Plaza Amador)

1988年のプロリーグ最初の試合を戦ったクラブの一つです(LPF公式「Historia」)。2025年のアペルトゥーラとクラウスーラ、2026年のクラウスーラと3大会続けて優勝し、LPFでの優勝は通算10回です(La Prensa 2026年5月23日)。

アラベ・ウニード(Árabe Unido)とコロンの街

運河のカリブ海側の街コロンのクラブです。2026-27シーズンの開幕戦は、改修されたコロンのエスタディオ・アルマンド・デリー・バルデスで行われ、アラベ・ウニードがプラサ・アマドールを迎えました。アラベ・ウニードが本拠地コロンの競技場で試合をするのは3年ぶりです(La Prensa 2026年7月21日)。

ウニオン・コクレとウニベルシタリオ(コクレ県)

2025年11月にウニオン・コクレが昇格したことで、内陸のコクレ県から1部のクラブが2つになり、新しい同じ県どうしの対戦が生まれました(La Estrella de Panamá 2025年11月27日)。

日本との比較

項目 パナマ(2026-27シーズン) 日本(2026-27シーズン)
開催時期 アペルトゥーラは2026年7月24日開幕・12月5日決勝予定。クラウスーラは2027年(日程は未確認) 2026年8月7日開幕・2027年6月6日閉幕(Jリーグ「大会概要 J1」)
1部の規模と方式 12クラブ。前期・後期それぞれ16試合のあとプレーオフで優勝を決める(年2回優勝) J1は20クラブ・全38節の1つのリーグ戦 ※1
1部から2部へ 最下位が降格の対象。2部の優勝クラブが条件を満たさなければ、罰金を払って残留できる 下位3クラブが降格 ※1
2部から1部へ リーガPROMの優勝クラブ。1部の「地理的な空き枠」、ライセンスなどの条件つき 自動昇格2+J1昇格プレーオフ。ライセンス判定で数が変わることがある ※1
2部に1部クラブの2軍 いる(2026-27シーズンは24チーム中11が1部クラブと同じ名前) J2は各クラブのトップチームのリーグ
アマチュアの階層 3部LFNの下に、州・郡・地区のリーグ J1〜J3・JFLの下に、地域リーグ(9地域)と都道府県リーグ ※2

※1 Jリーグ「大会概要 J1」
※2 JFA「国内の競技会」

どちらの国も、2026年に「年をまたぐシーズン」へ移りました。日本は8月開幕・6月閉幕の1つのリーグ戦に、パナマは7月開幕の前期と翌年の後期をまとめた1つのシーズンにしました。ただし、パナマは前期と後期でそれぞれ優勝クラブを決める形のままです。人口、クラブ数、移動距離、国際大会の日程の事情が違うので、どちらが良いかを単純に比べることはできません。

パナマのリーグでプレーした日本人選手は、今回の調査では確認できませんでした。

試合の日程・結果を見るには

  • 日程:LPF公式「Calendario」(アペルトゥーラ2026の日程)
  • 順位表:LPF公式「Posiciones」
  • 記録:LPF公式「Estadísticas」
  • 公式YouTube:Liga Panameña de Fútbol(@ligapanamena)(LPF公式サイトからリンクされているチャンネル)
  • 3部LFN・女子LFF・代表:パナマサッカー連盟(FPF)公式

日本から試合を生中継で見る方法は、2026年10月5日時点で確認できていません。

よくある質問

Q. パナマのサッカーリーグは何部まで?

A. 全国規模のリーグは、1部LPF、2部リーガPROM、3部LFNの3つです。その下に、州・郡・地区のアマチュアのリーグがあります。

Q. パナマのリーグはいつ行われている?

A. 2026-27シーズンは、前期のアペルトゥーラが2026年7月24日に開幕し、決勝は12月5日の予定です。後期のクラウスーラは2027年に行われます。

Q. 1部の優勝は1年に何回決まる?

A. 2回です。アペルトゥーラとクラウスーラで、それぞれリーグ戦とプレーオフを行い、優勝クラブを決めます。

Q. 2部で優勝すれば必ず1部に上がれる?

A. 上がれるとは限りません。1部に地理的な空き枠があること、加入料の支払い、ライセンスAなどの条件を満たす必要があります。満たせない場合、1部の最下位のクラブは罰金を払って残留できます。

Q. パナマは2026年W杯に出場した?

A. 出場しました。2018年大会に続く2回目の出場です。本大会ではグループLで3試合とも敗れ、グループステージで敗退しました。


調査基準日:2026年10月5日(リーグ制度は2026-27シーズン)

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