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コンサドーレ札幌、10年ぶりの6連勝。J2百年構想リーグで首位射程に

2026年5月9日、北海道コンサドーレ札幌が大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)でRB大宮アルディージャを3-2で破り、6連勝を達成しました。J2での6連勝は、実に10年ぶり以上。J1降格後、低迷の続いた地方クラブが、1年限りの「特別シーズン」で首位射程に入った。


目次

5月9日、6連勝の決定打

第16節、札幌ドーム、午後2時キックオフ。相手は2026年シーズン序盤に2-3で苦杯をなめた相手・大宮でした。

試合は前半から札幌が主導権を握る。11分、梅 達崇が先制ゴールを叩き込む。39分、外国籍FWティラパタイが追加点。44分にはMF荒野拓馬が3点目を決め、3-0で前半を折り返すかに見えた。

しかし、大宮も強かった。前半アディショナルタイム45+1分、加藤聡が1点を返す。後半開始直後の47分、日高擁立にも決められて3-2。一気に「危ない試合」になった。

それでも札幌は最後までリードを守りきった。3-2で逃げ切り、6連勝。第10節(4月11日、甲府にアウェイで1-2の敗戦)から続いていた失点癖を払拭したかに見えたが、最後の最後で粘りを見せたのは、むしろ守備の成熟でした。


6連勝の軌跡

5月9日の大宮戦に至るまでの6試合を振り返る。

日付 対戦 開催地 スコア
11 4月18日 松本 ホーム 2-1
12 4月25日 いわき ホーム 2-1
13 4月29日 藤枝 ホーム 2-1
14 5月2日 岐阜 アウェー 3-0
15 5月6日 長野 ホーム 2-0
16 5月9日 大宮 ホーム 3-2

特筆すべきは「1点差での3連勝」から始まり、第14節以降は失点ゼロで2試合をしのぎ、最終戦の大宮戦で3点を取りきったことです。試合内容に幅が出てきた証拠と言えます。

第10節の甲府戦敗北直後、ホームに戻ってきた札幌は「絶対に負けられない」雰囲気を作り上げ、それを6試合継続した。J2でこれだけの粘りを見せるチームは、近年の札幌には存在しなかった。


「10年ぶり」の重み

J2・J3百年構想リーグでの公式アナウンスによると、札幌の5連勝(第15節、長野戦勝利時点)は2016年シーズン以来の10年ぶりの記録でした。今回の6連勝は、それをさらに塗り替えたことになります。

2016年といえば、札幌がJ2で2位に入り、J1昇格を決めたシーズン。その後、札幌は2017年から2023年までJ1で戦い続けたが、2024年に降格。2025年・2026年とJ2で戦う「再建期」に入っています。

J1で7年プレーしたチームが、J2で10年ぶりの大型連勝。これは単なる数字以上の意味を持つ。

J1経験を持つ選手が散り散りになり、若手が主軸となる中で、勝ち癖をつけ直すというプロセスは想像以上に難しい。それを「6試合連続勝利」という形で示せたことは、再建が単なるスローガンではなく、結果として現れ始めた証拠です。


川井監督の采配

連勝を支えているのが、川井健太監督の采配です。

5月9日大宮戦の前、川井監督は「自信が本物に。全てを出し切って戦う」とコメントしていた。重要なのは「自信」という言葉の使い方です。連勝中のチームによくある「自信過剰」ではなく、「本物の自信に育てる」という言い回し。これは、長年低迷したクラブの監督が積み重ねた経験から出てくる慎重さでしょう。

戦術面では、ターンオーバー(先発を入れ替える起用法)を恐れない。第14節の岐阜戦(3-0勝利)では複数の選手を入れ替えながらも、それが逆に攻撃のリズムを生んです。「全選手が戦力として機能する」状態を作れていることが、6連勝の最大の要因と言えます。

ベテランと若手の融合、外国籍選手の融合(ティラパタイのゴールはまさにそれを象徴しています)。地方クラブが限られた予算の中で勝ちを積み上げるには、こうした「采配の妙」しかない。


首位射程、そして「100年構想リーグ」での意味

第16節終了時点で、札幌は4位から3位へ浮上した。首位甲府、2位いわきとの勝点差は依然として残っているが、6連勝の勢いを考えれば、首位逆転も十分に視野に入る。

ここで重要なのが、2026年シーズンが「明治安田J2・J3百年構想リーグ」という特別シーズンであることです。

Jリーグは2026-27シーズンから秋春制(夏冬制)に移行します。その準備期間として、2026年2月〜7月は通常のJ2・J3リーグではなく、「百年構想リーグ」という特別レギュレーションで開催されています。J2・J3が混在し、地域リーグラウンド→プレーオフラウンドの2段階構成。賞金体系も特別仕様だ(詳しくは別記事「百年構想リーグの賞金は最大2億5000万円」を参照)。

この特別シーズンで、札幌が6連勝を達成した意味は大きい。J2・J3百年構想リーグの賞金規程によると、90分勝利は1試合150万円。6連勝=900万円の特別助成金を、たった1か月足らずで積み上げた計算になります。

しかも、プレーオフラウンドに進めば、優勝賞金1500万円が待っています。地方クラブにとって、これは無視できない金額です。


地方クラブの可能性

ストライカードットコムは「世界のサッカー文化・地方クラブの挑戦」を一次情報で伝えるメディアです。札幌の6連勝は、日本の地方プロクラブが「資金力ではなく、戦術と組織力で勝てる」ことを証明する事例として、もっと注目されるべきだと考えています。

筆者自身、北海道科学大学で電気電子工学を学んだ北海道育ちです。札幌ドームで行われる試合の空気感、雪が残る4月の北海道で「サッカーの季節が始まる」ことの嬉しさを、身体で知っています。コンサドーレが勝つということは、北海道のサッカー文化全体が前に進むということでもあります。

6連勝を「成績」として消費するのではなく、「地方クラブの再建モデル」として残す。それがストライカードットコムの視点です。


次節以降に向けて

百年構想リーグ・地域リーグラウンドは7月まで続く。札幌が次に目指すべきは、7連勝、そしてプレーオフラウンドへの進出。

特別シーズンという「1年限り」のルールの中で、地方クラブが何を残せるか。札幌が示し始めている答えは、シンプルです。「全選手が戦える組織を作り、勝ち癖を積み上げる」。

派手な補強ではなく、采配と組織で勝つ。これは、世界中の地方クラブが直面している共通の課題への、ひとつの回答です。

10年ぶりの6連勝は、まだ通過点に過ぎない。


参考リンク
札幌vs大宮 公式テキスト速報(2026年5月9日)
Football LAB 札幌2026シーズン
明治安田J2・J3百年構想リーグ公式
北海道新聞「コンサ、狙う6連勝」
STV「今季大一番の大宮戦」

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この記事を書いた人

ストライカードットコム編集部