サッカー観戦は、試合の90分だけでは終わらない。
スタジアムに入る前から、試合後にスタジアムを出るまで、すべてが「観戦体験」です。この体験の設計が、リピーター率・新規ファン獲得率を大きく左右します。
UX設計の視点で、サッカー観戦体験を分解します。
目次
観戦体験の8フェーズ
UXを8つの段階に分けて整理します。
1. 試合前検討(観戦するか決める)
- 試合の魅力的な情報発信
- チケット価格・席種の分かりやすさ
- 同行者誘いやすさ
2. チケット購入
- 公式サイトの分かりやすさ
- 決済オプションの多さ
- モバイル対応
3. スタジアムまでの移動
- アクセス情報の充実
- 公共交通機関との連携
- 駐車場予約システム
4. スタジアム入場
- 入口の混雑解消
- 手荷物検査のスムーズさ
- グッズ売場へのアクセス
5. 試合前の時間
- 飲食店・売店の充実
- 子ども連れ向け施設
- 選手出待ち・写真撮影機会
6. 試合観戦
- 座席からの視認性
- 大型ビジョンの活用
- 音響・実況
7. 試合後の余韻
- 退場時の混雑解消
- 試合結果・解説の配信
- 次回観戦への動機付け
8. 帰宅後・次の試合まで
- SNS発信のコンテンツ
- 試合データ・スタッツの提供
- 次回チケット販促
成功事例:京都サンガ・サンガスタジアム
2020年開業のサンガスタジアム by KYOCERAは、観戦体験UXを再設計した好例。
- ピッチが圧倒的に近い設計
- スタンドの段差を最小化(視認性向上)
- 飲食店・カフェが豊富
- 子ども向け施設「サンガスクエア」設置
- スタジアム内Wi-Fi充実
これにより、開業後の観客動員数が大幅に向上した。
失敗パターン:陸上トラック型スタジアム
日本と欧州のクラブの違いで書いた通り、Jリーグの多くのスタジアムは陸上トラック付き。
- ピッチが遠い
- 視認性が悪い
- 飲食店が少ない
- アクセスが悪い
これだけで観戦体験UXは大幅に下がる。
中小事業者への転用
「観戦体験の8フェーズ」は、すべての顧客接点ビジネスに応用できます。
- 飲食店:来店検討→予約→来店→食事→退店→次回予約
- EC:商品認知→検討→購入→開封→使用→リピート
- 美容室:来店検討→予約→来店→施術→退店→次回予約
各フェーズで「顧客が何を感じているか」を可視化し、各フェーズを最適化します。これがCX(顧客体験)設計の本質です。
参考リンク
– 日本のサッカークラブと欧州クラブの違い(ストライカードットコム)
